10/16(土) ウィーン自由行動 中央墓地、フィガロハウス、美術史美術館

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 この日は終日自由行動。まず近くの駅から電車に乗り、MEIDLINGという駅で降りて一日フリーキップを買う。しかし、少額コインがないと、販売機にお釣りが入っていないので買えないのだ。そこから地図を見ながらバスと路面電車を乗り継いでようやくたどり着いたのは中央墓地。朝9時とあって人影はまばら。しかし墓地の前には花売りの屋台が並んでいる。

 ここの並木道は映画「第三の男」のラストシーンで有名。その先左手側、音楽家の墓が並んでいるのは32A区。モーツァルトの墓はないので変わりに女神像が中心にあり、その像を取り囲むようにベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ヨハン・シュトラウスなどの墓が並ぶ。

中央墓地第2門

「第3の男」の並木道

女神像(台座にモーツァルト)

ベートーヴェンの墓

J.シュトラウス(父)の墓

シューベルトの墓

J.シュトラウスIIとブラームスの墓

  中央墓地を後にして、市電で中心部へ向かう。といっても旧市街の中までは市電は通っておらず、昔の城壁があった環状道路(リング)から内側へは歩いていく。市の中心にはシュテファン大聖堂があり、その一角にモーツァルトが「フィガロの結婚」を書いた頃住んでいたというフィガロ・ハウスがある。部屋数4つほどの狭いアパートだが、当時の庶民としてはいい暮らしだったのかもしれない。

フィガロ・ハウス入口

フィガロ・ハウス

   さて、昼食をどうしようか、と街を歩いているとイタリアン・レストランが目に留まった。連れはパスタが食べたいらしいし、私はリゾットを食べようということでなぜかウィーンでイタリア料理を食べることに。時間が早かったせいで客は他におらず、気兼ねなく食事できた。海外に行って食事に困ったときには中華料理かイタリア料理の店がメニューがわかりやすくていい。

 食事が終わって王宮の前にやってきた。マリアテレジア像をよくよくみれば、なんと、ここの台座にも少年モーツァルトがいるではないか。ウィーン恐るべし、ありとあらゆるところに金太郎飴よろしく、モーツァルトが顔を出すのである。

矢印部分に少年モーツァルト

美術史美術館

美術史美術館の回廊の天井画

 この場所に来たのは銅像を見るためではなくて、美術史美術館にやってきたのだった。ハプスブルク家の集めた絵画や彫刻の膨大なコレクションが展示されている。フリューゲル、ヴェラスケス、ラファエロ、ルーベンスなどが有名だが、私の好きなティツィアーノもあってうれしい。1時間半かけてやっと絵画の部分だけ見て、古代エジプトやローマの展示までは疲れて行く気も失せてしまった。

 さて、夕方はどうしようかとオペラ座へチケットがあるか聞きに行ったがさんざん待たされた挙げ句、前の前の人が「今晩のチケットなんかあるわけないでしょ」と冷たくあしらわれているのを見てあきらめて退散。私の前に並んでいたアメリカ人のツアーコンダクター風女性が、「お互い時間の無駄だったわね」と肩をすくめてみせた。こういうところがアメリカ人のいいところ。

 まあ、ウィーンでは毎晩あちこちでプライベートなコンサートが開かれている。その中の一つにいくことにして、とにかく一息つこうとカフェ・モーツァルトへ行く。ここも「第三の男」の舞台のひとつ。しかし、有名な店は概して混雑していて落ち着かない。ウィーン名物メランジェ・コーヒーを飲んでそうそうに引き上げる。

 さて、先ほどチケットを買って置いた、音楽会へ行く。フィガロ・ハウスの近くの教会の礼拝堂の横に小さな部屋があり、椅子が並べられている。壁には鮮やかな天使の絵が描かれている。案内チラシによると、モーツァルトの時代、貴族の家や教会などでこうした演奏会が日夜開かれていたということだ。モーツァルト・ハウスのコンサートと銘打たれてここでモーツァルトも演奏したことがある、とされているけれども、本当かどうかはわからない。ただしフィガロ・ハウスも近いことだし、モーツァルトが貴族の家などに行って演奏していたことは確かなので、そうした雰囲気を味わえたのは良かった。演奏も悪くなかったし、日本人が我々だけだったというのも気に入った。ただ、350シリングというのはちょっと高いかな、とも思ったが。

カフェ・モーツァルト

教会でのコンサート

     コンサートも終わり、ホテルに行く前に食事をしていくことにして、とあるレストランに入る。看板に英語が書いてなかったので、ちょっと心配したが、大丈夫、ちゃんと英語のメニューを持ってきて、英語の分かる給仕さんだった。ウィーン風チキンというのがあったので、それを頼んだのだが、なんのことはない、ウインナー・シュニッツェルのチキン版だった。確かに量は多くて、昨日食べたものと大きさは同じだったのだが、1枚ではなく、2枚出てきたので、やはり食べきれなかった。

 さて、ホテルに帰る方法だが、とりあえず、朝乗ってきた電車に乗るためにMEIDLINGというところまで地下鉄で行き、その後バーデン行きに乗ればいいのだ、とまではわかったのだが、そのバーデン行きの乗り方がわからない。すでに時間は9時をまわり、なんとなく物騒な雰囲気。インド人風のおじさんが「この階段の上だよ」と教えてくれたのだが、駅の外に出てしまう。とにかくわからないのでタクシーを拾ってホテルまで帰ってきた。


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