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コンサート日記99年


1999.12.26(日)(3:00pm)
NHK交響楽団「第九」演奏会
会場:NHKホール
曲目:
ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調作品125「合唱つき」(ベーレンライター版)
指揮:準・メルクル
ソプラノ:尾畑真知子、メゾ・ソプラノ:小山由美、テノール:市原多朗、バス:妻屋秀和
合唱:国立音楽大学
合唱指導:田中信昭/佐藤公孝
(料金=D席3000円)3階ホ列44番
コメント:
 これで今年のコンサートも打ち止め。最後を締めくくるのはやはりN響の「第九」となった。準・メルクルの指揮は若々しくきびきびしたもので、これがこのひとの持ち味といえる。ソリストがステージの前面に位置していたのはいつもの第九と違うところで、もしかしたらソリストにとってとまどいがあったかもしれない。テノールはちょっとくるしそうな部分もあった。私の印象としては昨年のイルジー・コウト指揮のほうが良かったかな。
1999.12.18(土)(4:00pm)
NHK交響楽団特別講演「囚われびと」と「レクイエム」
会場:NHKホール
曲目:
ダルラピッコラ/オペラ「囚われびと」
フォーレ/レクイエム
指揮:シャルル・デュトワ
演出:高島 勲
ビジュアル・アドヴァイザー:ヘニング・フォン・ギールケ
出演:
母:フィリス・ブリン=ジュルソン
囚人:デイヴィッド・ピットマン=ジェニングス(フォーレではバリトン)
看守/宗教裁判長:ハワード・ハスキン
ソプラノ:中嶋彰子(フォーレのみ)
合唱:二期会合唱団
合唱指揮:三澤洋史
(料金=D席2000円)3階ホ列44番
コメント:
 オペラ「囚われびと」とフォーレのレクイエムを休憩なしで演奏して、2幕のオペラとして上演するという試み。これはデュトワさんの発想で当初モーツァルトのレクイエムが想定されていたという。フォーレのレクイエムはオペラ的要素が強く、明るい色調なので前半の囚われびととの対象が際だち、そういう意味では成功だったと思う。「囚われびと」はとにかく客の入りが悪いのだそうで、フォーレとつなげることによって足を運ぶ人が増えたということもあると思う。かく言う私もそのひとりだが。というわけで例によって前半は睡魔との戦いとなってしまい、後半のフォーレのみを記憶することになってしまった。特にソプラノの中嶋彰子さんがすばらしい声を披露してくれた。字幕を舞台の上部に投影するというのも私の座った最後部の席からもよく見えてありがたかった。こういう試みもN響はどんどん取り上げていって欲しい。
1999.12.17(金)(7:00pm)
荘村清志 ギターリサイタル
会場:新潟市音楽文化会館
曲目:
J.S.バッハ/サラバンドとドーブル
F.ソル/幻想曲 作品40
ヴィラ・ローボス/プレリュードNo.4、No.1
L.プローウェル/11月のある日
         舞踏礼賛
武満徹/エキノクス
ピアソラ/ブエノスアイレスの夏
     天使のミロンガ
     天使の死
タレルガ/アルハンブラ
     グラン・ホタ
(アンコール:ロンドン・デリー)
(アンコール:禁じられた遊び ほか)
(料金=自由席前売3500円)
コメント:
 30年間スタイルの変わらない、荘村清志のリサイタル。今やもっと上手い人が沢山出てきている。というよりもソリストとしての”何か”がいまひとつ感じられない。たんなるギターのうまいおじさんといった雰囲気になってしまう。淡々とした演奏という感じ。やはりギタリストというのは静かで孤独な雰囲気なのかな。
1999.12.15(水)(6:30pm)
ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場オペラ「フィガロの結婚」全4幕(日本語字幕付き)
会場:新潟県民会館大ホール
作曲:W.A.モーツァルト
原作:P.ボーマルシェ
台本:L.ダ=ポンテ
芸術監督:ステファン・ストコフスキ
演出:リシャルド・ペリット
舞台美術:アンジェイ・サドフスキー
指揮:ズビグニェフ・グラーツァ
ハープシコード:エヴァ・ペルヴェーツカ
管弦楽:ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場管弦楽団
合唱:ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場合唱団
(料金=B席8000円)2階11列5番
コメント:
 ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場はモーツァルトの26の歌劇をレパートリーに持つおそらく唯一の歌劇場だということで、今回の日本公演も24公演を全国を回って行っている。新潟のような地方都市でもおかげで素晴らしいオペラを楽しむことができるわけだ。しかし、ステージは素晴らしくても、主催者の手際の悪さは悲しむべし。舞台が始まってもまだまだ入場者は絶えない。丁度入り口の真上の席だったために、暗闇で席を探すひとが出入りして舞台に集中できなかった。空調が古いせいか空気も悪く頭が痛くなる。
 舞台はさすがに面白い。伯爵夫人が一番上手かったように思う。ただし手紙の二重唱はもうちょっとゆっくりとしたテンポだとよかったとおもう。ダブルキャストなのだが、出演者の名前を控え損ねてしまった。

1999.12.11(日)(3:00pm)
新潟第九コンサート
会場:りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)コンサートホール
指揮:汐澤安彦
ソプラノ:丸山たい子、アルト:押見朋子、テノール:内山信吾、バス:上野正人
管弦楽:新潟交響楽団
合唱:新潟第九合唱団、合唱指揮:箕輪久夫
曲目:
ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調作品125合唱付
(料金=自由席2000円)3階I7列23番
コメント:
 新潟の第九演奏会は地元銀行の第四銀行が昨年まで主催していたのだが、それが打ち切りになり、今年は市民の自主コンサートとして実施されたのだという。300名以上の市民合唱団とアマチュアオーケストラとしては抜群の新潟交響楽団の演奏に、新潟出身の指揮者とソリストということで満員の聴衆が集まった。オーケストラもフルート5名、その他の木管パートも各4名と大盤振る舞い(?)である。ちょっとホルンがとちったり、オーボエの高音部がフラットしたりというのはご愛敬だったが、なかなか見事な演奏だった。入れ物ばっかりつくっても・・・という批判もあるけれども、やはりこれだけ立派なものを作ってしまうとその効果はやはり大きい。新潟県内は銀行の破綻でかなり景気も悪いのだけれども、こういう熱気がどんどん盛り上がっていくといいのだが。
1999.12.10(土)(2:00pm)
NHK交響楽団第1396回定期公演Cプログラム
会場:NHKホール
指揮:シャルル・デュトワ
ピアノ:レイフ・オヴェ・アンスネス
コンサートマスター:山口裕之
曲目:
(開演前の室内楽 出演=ファゴット:霧生吉秀、ヴァイオリン:前澤 均、ヴィオラ:小野 聡、チェロ:田澤俊一 曲目:F.ダンツィ/ファゴット四重奏曲 作品40−3)
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調作品73「皇帝」
(アンコール:ハイドン/ソナタ第30番ロ短調より第3楽章”プレスト”
シベリウス/交響曲第1番 ホ短調作品39
(料金:E(自由)席=1520円)3階L14列18番
コメント:
 今回はめずらしく(?)デュトワさんがピアノコンチェルトを指揮する。ソリストのアンスネスはN響初共演とのこと。ノルウェー出身の実力派ということで、これまで聴いた皇帝の中でも1、2を争う出来。といっても皇帝はなかなかこれはという演奏に巡り会えないでいたのだけれども。今月のデュトワプログラムは音楽による世界一周でこれもめずらしいモーツァルトのオーストリアから中国、日本、南米からスペイン、フランスを経てドイツ、フィンランドに至る。「若者に送る音楽事典」の放送を通じてデュトワ氏のいろいろな国の音楽への造詣を見せてもらったが、定期の演奏でも、改めて名刺を頂いたという格好である。実はデュトワ指揮のベートーヴェンは2年前の第九で聴かせてもらっているが、なかなか新鮮だった。これからもいろいろなレパートリーを見せていただきたいものだ。
1999.12.4(土)(6:30pm)
新潟大学クラシックギター部第36回定期演奏会
会場:音楽文化会館ホール(新潟市)
曲目:
第1部:合奏(指揮:上條崇)
服部良一/東京ブギウギ
レノン&マッカートニー/オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ
フランコ・ミリアッチ/ヴォラーレ
リチャード・ロジャース/ザ・サウンド・オブ・ミュージック〜マイ・フェイバリット・シングス
ピアソラ/ブエノスアイレスの夏
第2部:小合奏・重奏・独奏
(二重奏 山口沙恵子/山本一樹)
  ラルフ・マクテル/ストリート・オブ・ロンドン
  グラナドス/スペイン舞曲第2曲「オリエンタル」
  カルーリ/ロンド
(1年生合奏 指揮:伊藤末生)
  ジョン・ステュワート/デイ・ドゥリーム・ビリーヴァー
  リロイ・アンダースン/ザ・シンコペーテッド・クロック
(4年生合奏)
  ジャン・ガーブランド・ヴィッサー&ベンジャミン・ボーウェンス/リトル・グリーン・バッグ
  岩代太郎/素晴らしき日々へ
(独奏 加藤岳久)
  ヴィラ・ローボス/プレリュード No.1
  ミュリエル・アンダースン/風はゆるまず
  アンドリュー・ヨーク/サンバースト
第3部:合奏(指揮:古木有美)
  ヨハン・シュトラウス/喜歌劇「こうもり」序曲
  レオン・イェッセル/おもちゃの兵隊の行進
  ボロディン/中欧アジアの草原にて
  シベリウス/「カレリア」組曲より”行進曲風に”
  ヨハン・シュトラウス/美しく青きドナウ
(アンコール:松任谷由美/恋人がサンタクロース)
 (料金:前売=400円)
コメント:
 新大ギター部は従兄弟の息子が在籍しているのと、私の母の通っているギター教室の先生が指導しているという縁で演奏会を聴きにいった。全体的な印象はちょっとプログラムが長すぎる(終演9時)のと、もうすこし元気よくやってほしかったというところ。それから原曲をちゃんと聴いておいてほしいと思った。こうもりなどはテンポが全くおかしいところが目立った。指揮者が立っているが、単に手を振っているだけで、機能していないというのも全体的に引き締まらない印象。全体的に練習不足の感じがしたのは、やはりプログラムが多すぎるせいなのではないだろうか。知っている曲は自信があるため、大きな音が出せるという点では、アンコールがいちばん出来が良かったというのがその表れだろう。難曲に挑戦するのもいいけれども、消化不良の状態で出てくるのは困りもの。曲数を絞ってきちんと練習してほしいと思った。
1999.11.27(土)(11:15am)
りゅーとぴあ オルガンプロムナードコンサートVII
会場:りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)コンサートホール
オルガン:長瀬玲子
曲目:
J.G.ヴァルター/ヴィヴァルディによる協奏曲 ロ短調
J.S.バッハ/協奏曲 ニ短調BWV596
新垣壬敏/越天楽のテーマによる変容
M.デュリュフレ/組曲 作品5 プレリュード−シシリエンヌ−トッカータ
(料金:無料)2階B2列10番
コメント:
 市民のために無料でオルガンを楽しんでもらおうというコンサート。無料ということもあってか子供は泣き叫び、演奏中にどんどん人が入って来るという最悪の環境である。ホールの側には、どうせ無料のコンサートだから、という考えがあるのかもしれないが、コンサートを聴くマナーをこういうコンサートでもきちんと教えていかないと、他のコンサートの時も同じ状況になってしまうのではないかと心配である。
 演奏の方も緊張のためか、ちょっと間違いも多い。演奏の前に自分で作品解説をするというのは演奏家にとっては結構大変じゃないかと思う。プログラム自体はヴィヴァルディを基にした協奏曲2曲と雅楽を基にした作品、フランス印象派の作品で締めるというなかなか興味深い内容で楽しめた。
1999.11.25(木)(7:00pm)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1999年日本公演
会場:りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)コンサートホール
指揮:ウラディーミル・ヴァーレク
ヴァイオリン:樫本大進
曲目:
スメタナ/交響詩「わが祖国」よりモルダウ
ドヴォルザーク/交響曲第8番 ト長調作品88
プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調作品19
ラヴェル/「ボレロ」
(アンコール:ドヴォルザーク/スラヴ舞曲第15番)
(料金:A席=10000円)1階3列12番
コメント:
 チェコで会えなかったチェコフィルに新潟で会うというのも巡り合わせか。会場は満員札止めである。今回の日本公演は、コバケンが「わが祖国」全曲を振ったり、新進ヴァイオリニスト樫本大進との共演があったり、アシュケナージの「新世界」、そして佐藤しのぶも参加しての「第九」と話題性に富んだプログラムである。しかしなんで「ボレロ」なんかいれたのだろう。あきらかに不慣れな曲のように思えた。テンポも太鼓も結構乱れていたと思う。前半のモルダウやドヴォルザークが、さすがチェコフィル、と思わせたのにあのボレロだけはいただけなかった。樫本大進は若さにまかせて力一杯の演奏といったところ。もうひとつ肩の力が抜けるくらいの方がいいのかもしれない。まあでも今のところはあれが彼の持ち味といえる。チェコフィルは非常に女性が少ない。ハープの二人とヴァイオリンに二人くらい。(席が前過ぎて管楽器はよく見えなかった)そのヴァイオリンの女性がすごい美人でびっくりした。チェコフィルも世代交代の時期なんだろうなという気がした。
1999.11.21(日)(2:00pm)
新潟交響楽団第65回定期演奏会
会場:りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)コンサートホール
指揮:汐澤安彦
ヴァイオリン:廣川抄子
コンサート・ミストレス:松村牧子
曲目:
ウェーバー/歌劇「オベロン」序曲
サン・サーンス/ヴァイオリン協奏曲第3番 短調作品61
ブラームス/交響曲第2番 ニ長調作品73
(アンコール:ブラームス/ハンガリー舞曲第1番)
(料金:当日自由席=1200円)2階A7列19番
コメント:
 ”潟響”という名前で親しまれている新潟交響楽団はアマチュアのオーケストラである。新潟にはプロのオーケストラがないため、りゅーとぴあ(新潟では”芸文”の方が通りが良いようだが)が昨秋誕生以来、市民オーケストラとしての人気が高まっている。ところが、この日は隣の陸上競技場でサッカーの試合(それもFC東京のJ1昇格を賭けた最終戦)が行われており、周辺の道路は大渋滞。駐車場も満杯で開演に間に合わず、結局後半のブラームスしか聴くことができなかった。しかし、この曲を聴いてびっくり、かなりのレベルである。自分が聴いたアマチュアオーケストラの中では最も上手いと思う。ここ3年で半数近いメンバーが入れ替わったということで、水準としてはプロ級と言えそう。はたしてこのオーケストラがプロ化への道を選ぶのか、アマチュアとして続けていくのか興味深いところではある。新潟にも来春1月には新潟シンフォニック・アンサンブルという室内オーケストラも誕生、秋山和慶氏が指揮するという。楽しみはつきない。
1999.11.20(土)(2:00pm)
NHK交響楽団第1393回定期公演Cプログラム
会場:NHKホール
指揮:ウォルフガング・サヴァリッシュ
バリトン:トーマス・ハンプソン*
コンサートマスター:堀 正文
曲目:
(開演前の室内楽 出演=ヴァイオリン:板橋 健/白井 篤、ヴィオラ:小野富士/小畠茂隆、ヴィオラ:桑田 歩/藤森亮一 曲目:R.シュトラウス/カプリッチョより 弦楽六重奏曲作品85)
〜R.シュトラウス没後50年 オール・R.シュトラウスプログラム〜
交響詩「マクベス」作品23
「讃歌」作品33−3*
「ノットゥルノ」作品44−1*
「巡礼の朝の歌」作品33−4*
「夜のさすらい」作品44−2*
交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」作品30
(料金:E(自由)席=1520円)3階C10列39番
コメント:
 2年ぶりN響定期登場のトーマス・ハンプソン。相変わらず素晴らしい声量と表現力である。歌っている時の表情もさることながら、歌っていないときでも常に百面相のように表情を変えて感情移入している。すばらしい歌手である。今回はシュトラウスの歌曲を4曲。だが、シュトラウスはもういい、っていう感じである。シュトラウスってそんなに奥行きがない気がする。同工異曲でツァラトゥストラが一曲あればいいんじゃないかな。ところで、NHKホールのパイプオルガンの音色をついに聴いた。コントラバスの後ろに置かれたリモートコントロールのオルガンで鳴らしているのであった。今ではパイプオルガンも日本中いたるところにあるが、NHKホールが出来たときには初めての本格的なパイプオルガンと大きな話題になったものだ。しかしよく考えるとこのパイプオルガンは前にも聴いているはずである。デュトワ指揮でホルストの「惑星」を聴いたときに、確かパイプオルガンに照明が当たっていた。でもあのときはそれほど目立たなかったが。こうして同じ曲をサントリーホールと聴き比べてみると、やはりNHKホールは物足りないと思うようになってきてしまった。 (このプログラムのBS2での放送は12月3日(金)朝8時05分の予定)
1999.11.11(木)(7:00pm)
名曲の花束 ソフィア・ゾリステン1999年日本公演
会場:りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)コンサートホール
指揮:プラメン・デュロフ
ヴァイオリン:ミラ・ゲオルギエヴァ*
管弦楽:ソフィア・ゾリステン
曲目:
J.S.バッハ/G線上のアリア
ドヴォルザーク/ユーモレスク
パッヘルベル/カノン
ポッケリーニ/メヌエット
クライスラー/愛の喜び*
マスネ/タイスの瞑想曲*
サラサーテ/カルメン幻想曲*
モーツァルト/セレナード第13番ト長調K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」〜第1楽章
シューベルト/アヴェ・マリア
チャイコフスキー/アンダンテ・カンタービレ
エルガー/愛の挨拶*
ショパン/ノクターン 嬰ハ短調*
サラサーテ/ツィゴイネルワイゼン*
(アンコール:ヴィヴァルディ「四季」より)
(アンコール:ブラームス)
山田耕筰/赤とんぼ
J.S.バッハ/幻想曲BWV.542
(アンコール2曲)
(料金:A席=3000円)3階I7列26番
コメント:
 昨年新潟市に新しく誕生したりゅーとぴあはコンサートホール、劇場、能楽堂からなるバブルの申し子ともいえる建物である。広々としたホワイエは冬場の吹雪の日でも暖かく開場を待つことが出来るということからもなかなかのもの。コンサートホールはサントリーホールのようなワインヤード形式で立派なパイプオルガンもある。ただ座席の配置がわかりにくく、ほとんどのひとが自分の座席を探しあぐねていた。ホールの響きはちょっと室内楽では苦しいかなという感じ。ほぼ楕円形に作ってあるので拡散しすぎなのかもしれない。
 さて、ソフィア・ゾリステンは今回が10回目の来日という。スケジュールを見ると10月11日から12月5日までほぼ毎日のように予定がつまっている。11月14日のサントリーホールなどは二回公演である。それだけ評価の定まった室内楽団ということで本国のブルガリアでも国民最高栄誉賞を送られているという。今回はソフィア生まれでジュリアード音楽院在学のミラ・ゲオルギエヴァがソリストとして参加。お父さんもソフィア・ゾリステンメンバーということもあって息の合ったところを見せてくれた。特にカルメン幻想曲は素晴らしい。何度もくりかえされるカーテンコールとアンコールの後、ゾリステンの真骨頂を発揮したのがバッハの幻想曲。なんと弦楽であたかもパイプオルガンのような響きを出すという高度なテクニックを披露。全体的にプログラムはポピュラーな曲で構成されているものの、アンコールなどあちこちに自らの得意技を見せてくれるなど実力の高さを見せてくれた。
1999.10.24(日)(6:00pm)
都響スペシャル
会場:サントリーホール 大ホール
ワーグナー/楽劇「ヴァルキューレ」第3幕(演奏会形式)
指揮:エリアフ・インバル
管弦楽:東京都交響楽団
ソロ・コンサートマスター:矢部達哉
出演:
ブリュンヒルデ:ガブリエレ・シュナウト
ジークリンデ:緑川まり
ヴォータン:アルフレッド・ムフ
8人のヴァルキューレたち:羽根田宏子、新居佐和子、佐藤志保、水野恵子、田中三佐代、菅 有実子、服部真紀、津久井明子
(料金:P席=2200円)2階P7列31番
コメント:
 20日に引き続きヴァルキューレの第3幕。ヴォータンとブリュンヒルデの対決がほとんどを占める幕である。あの有名なテーマが冒頭から鳴り響き、8人のヴァルキューレが勇者の死骸を嬉々として運ぶシーンであるが、なにせ演奏会形式のため、想像するより仕方がない。もともと大仕掛けのワーグナーの楽劇を演奏会形式でやるのはちょっと無理があるとは思うが。全体としてこの企画、意気込みは買うけれども演奏会としてはちょっと難しかったのではないだろうか。今度は舞台で聴いてみたいと思う。(ちょっとしんどそうだけど)
1999.10.22(金)(7:00pm)
NHK交響楽団第1390回定期公演Cプログラム
会場:NHKホール
指揮:イルジー・コウト
ピアノ:園田高弘
コンサートマスター:篠崎史紀
曲目:
ブラームス/ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品83
ドヴォルザーク/交響曲 第8番 ト長調 作品88
(料金:E(自由)席=1520円)3階C10列18番
コメント:
 今日のプログラムは代演のコウト氏がワーグナーを差し替えてドヴォルザークを持ってきたため、ちょっと重たいプログラムになった。ブラームスのピアノ協奏曲第2番は50分になんなんとする4楽章からなるものでほとんどピアノ付き交響曲である。というわけで熱演の園田さんには悪いけれども途中寝てしまった。1881年初演ということで古典派の流れを押さえつつチェロの独奏などもあってブラームスがいかに新しいことを試みていたのかということを垣間見ることが出来る曲である。
 ドヴォルザークの8番はスラヴォニックな色彩の濃い曲である。行って来たばかりのチェコの田園地帯を彷彿とさせる音楽で、第4楽章の独特な和音が異国的である。イギリスで出版されたことから「イギリス」と呼ばれることもあるけれども、やはり似つかわしくない題名ではある。中欧の音楽はなんとなく東洋的ななつかしい旋律に聞こえるのである。
1999.10.20(水)(7:00pm)
都響スペシャル
会場:サントリーホール 大ホール
ワーグナー/楽劇「ヴァルキューレ」第2幕(演奏会形式)
指揮:エリアフ・インバル
管弦楽:東京都交響楽団
コンサートマスター:松野弘明(ゲスト)
出演:
ブリュンヒルデ:ガブリエレ・シュナウト
ジークリンデ:緑川まり
フリッカ:寺谷千枝子
ジークムント:田中 誠
ヴォータン:アルフレッド・ムフ
フンディング:戸山俊樹
(料金:P席=2200円)2階P7列31番
コメント:
 3月に引き続き、ヴァルキューレの第2幕。この日は前日が同プログラムの定期演奏会だったこともあり、さびしい入り。やっと3分といったところか。ある評論で第2幕を「ヴァルキューレの中で最も退屈な部分」と書いてあったが、第2場のあたりはやっぱりちょっと単調でうとうとしてしまった。しかしワーグナーはそれを知っているかのように第3場冒頭でトライアングルを鳴らして目を覚まさせる。ここからが盛り上がるところでジークリンデをあくまで守ろうとするジークムントと、勇士の誉れヴァルハル行きを進めるブリュンヒルデの葛藤を描く。ワーグナーは珍しい楽器を使っているのも興味深い。物干し竿のようなトランペット(バストランペット?)など、特にP席だったのでよく見えた。
1999.10.16(土)(5:00pm)
モーツァルトハウスのコンサート
会場:MORZARTHAUS Deutsch Ordenshaus
管弦楽:ゴルドベルグ・クワルテット
(第1ヴァイオリン:フリッツ・キルヒャー、第2ヴァイオリン:フランツ・チャン、ヴィオラ:アクセル・キルヒャー、チェロ:アルネ・キルヒャー)
曲目:
シューベルト/弦楽四重奏 ハ短調 D.85(アレグロ・アッサイ)
モーツァルト/弦楽四重奏 ト長調 K.387
ハイドン/弦楽四重奏 ハ長調作品76−3「四重奏曲皇帝」
(料金:B席=350シリング=約3100円)4列4番
コメント:
 ステファン大聖堂近くの小さな教会の一室でのコンサートで11世紀からコンサートが行われていたということである。モーツァルトがここで演奏を行ったということが案内に書いてあるのだけれども、50人も入ればいっぱいというような部屋で壁には宗教画が沢山描かれている。ウィーンではこのような教会や貴族の館などで毎晩演奏会が開かれており、そうした雰囲気に浸るのもいい。この日の演奏も結構まじめなものだったが、観客で日本人は我々だけというのもちょっと珍しいと思った。
1999.10.15(金)(4:00pm)
ウィーン少年合唱団特別演奏会
会場:ウィーン楽友協会 ブラームス・ホール
指揮:マーティン・シェベスタ
合唱:ウィーン少年合唱団*
管弦楽:ウィーン・ヨハン・シュトラウス楽団
曲目:
ヨハン・シュトラウス/
 Vergnugungszug*
 Wiener Blut(ウィーン気質)*
 Eljen a Magyar
 G'schichten aus dem Wienerwald(ウィーンの森の物語)
 Unter Donner und Blitz(雷鳴と雷光)*
 Morgenblatter(朝の新聞)*
 Leichters Blut
 Wo die Zitronen bluhn*
 Kaiserwalzer(皇帝円舞曲)
 Tritsch Tratssh Polka(トリッチ・トラッチ・ポルカ)*
 An der schonen blauen Donau(美しく青きドナウ)*
(料金:2等=490シリング=約4400円)1階12列3番
コメント:
 ツアーに組み込まれていたウィーン少年合唱団のコンサート。ここ数年はウィーン少年合唱団もほぼ無競争で入れるそうで、その原因は親が子供を全寮制のところには入れたがらないということがあるのだそうだ。そのせいか、ちょっと質が落ちているのかもしれない。観光客にちやほやされるということもあまり良いことではなかろう。コンサート終了後、楽屋裏で丁度出てきた合唱団におばちゃまたちが群がって一緒に写真を撮っていた。一人日本人のような顔をした少年がいたのだけれども、そのおばちゃまの話によるとお母さんが日本人なのだそうだ。
1999.10.12(火)(8:00pm)
ルドルフィヌム・ガラ・コンサート「コンチェルティスモ」
会場:ルドルフィヌム(芸術家の家)ドヴォルザークホール
ハープ:カテリナ・イングリコワ
指揮:ヤン・スラメク
管弦楽:ムジチ・デ・プラハ・オーケストラ
曲目:
モーツァルト/交響曲第38番 ニ長調 K.504「プラハ」
ヘンデル/ハープ協奏曲第6番
ドビュッシー/ハープとオーケストラのための二つの舞曲
ドヴォルザーク/チェコ組曲作品39
(アンコール:ドヴォルザーク/ユーモレスク)
(料金:1等=700コルナ=約2300円)1回10列7番
コメント:
 プラハのドヴォルザークホールでの演奏会。チェコフィルの定期演奏会でさえ450コルナ(1500円程度)ということからみても、かなり割高な観光客向けのコンサートではある。とは言え、チェコフィル、プラハ響、チェコ放送響メンバーなどによる35人編成の室内楽団で演奏の質は高い。
 ハープのカテリナ・イングリコワはフルブライト留学生としてフィラデルフィアのカーティス音楽院に学び、プラハ室内管弦楽団やスーク室内管弦楽団などと共演しており、98年カーネギーホールデビュー、今年7月にはPMFオーケストラに参加するため来日している、期待の新星ということである。
そして、やはりプラハという土地柄を一番感じたのはドヴォルザークのチェコ組曲であった。ボヘミアの薫り色濃いこの曲をプラハのドヴォルザークホールで聴くというのも感慨深い。
1999.10.10(日)(2:00pm)
新国立劇場バレエ公演「白鳥の湖」(全3幕4場)
会場:新国立劇場 オペラ劇場
作曲:ピョートル・イリイッチ・チャイコフスキー
振付:マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ
改訂振付:コンスタンチン・セルゲーエフ
監修:ナターリヤ・ドゥジンスカヤ
指揮:ヴィクトル・フェドートフ
舞台美術・衣装:ヴャチェスラフ・オークネフ
照明:梶 孝三
舞台監督:池田正宣(ザ・スタッフ)
装置・衣装製作:ヴォズロジジェーニエ社(サンクトペテルブルク)
管弦楽:東京フィルハーモニー管弦楽団
コンサートマスター:平澤 仁
出演:
オデット/オディール:アルティナイ・アスィルムラートワ(マリインスキー劇場プリンシパル)
ジークフリード王子:森田健太郎(新国立劇場登録ソリスト)
ロートバルト:市川 透

(料金:C席=3150円)4階1列9番
コメント:
 バレエといえば白鳥の湖というくらいポピュラーな演目だけれども、もちろん生で観るのは初めて。バレエはオペラと違い、言葉の壁がないのがいいところ。バレエやオペラは特に生で観るべきでテレビやビデオではその面白さは100分の1も伝わらない。しかし白鳥の湖にフラメンコやハンガリアンダンスが入っているというのは知らなかった。さすがにチャイコフスキーはサービス満点である。一昔前はバレエを観るなどというと変態扱いされかねなかったが、(今でもそお?)新国立劇場の誕生でだいぶ世の中も変わりつつあるようだ。それとも「Shall We ダンス?」の草刈民代さん効果もかなりあるか。12日は草刈さんのオデットなので観たいとも思うけれども、残念ながらその頃は旅の空なのである。
1999.10.8(金)(7:00pm)
かつしか秋の名曲コンサート
−ベートーヴェンの夕べー
会場:かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
指揮:本名徹次
ピアノ:杉谷昭子
管弦楽:東京ニューシティ管弦楽団
曲目:
ベートーヴェン/序曲「エグモント」ヘ短調 作品84(ヘレン版)
       /ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調作品73「皇帝」(ヘレン版)
       /交響曲第5番 ハ短調作品67「運命」(ブライトコブフ社 クライヴ・ブラウン版)
(料金:B席=1500円)2階R1列29番
コメント:
 東京ニューシティ管弦楽団は1990年設立の東京ではもっとも新しいプロオーケストラ。ということでなかなか運営も大変なのではないかと思う。今日のプログラムは信金の特別協賛という形でポピュラーなベートーヴェンとあって、まずまずの入りだった。オーケストラはまあまあがんばっていたのだけれども、ピアニストはちょっと問題あり。テンポもなにもかもばらばら。それだけ難しい曲ということも言えると思うがとにかくオーケストラとまるであっていない。衣装の派手なピアニストは今後要注意である。
 「運命」の方は新校訂の「クライヴ・ブラウン版」での演奏で冒頭などちょっと違う。最近はこうした新校訂による演奏が多くなっているが、耳なじんだ従来の演奏の方がドラマチックだとは思う。とはいえ、第4楽章の華麗なエンディングは何と言ってもベートーヴェンである。オーケストラもこの辺にくると最初のぎこちなさもなくなってくる。まあ、演奏するのが大変そうに見えるというのは演奏の未熟の現れなのだけれども。
1999.10.7(木)(7:00pm)
NHK交響楽団第1388回定期公演Aプログラム
会場:NHKホール
指揮:イルジー・コウト
ソプラノ:ガブリエーレ・シュナウト*
コンサートマスター:堀 正文
曲目:
(開演前の室内楽:ヴァイオリン:森田昌弘/斎藤真知亜、ヴィオラ:井野邉大輔、コントラバス:市川雅典)
(エドゥアルト・シュトラウス/ポルカ エン河のほとりで)
(ヨハン・シュトラウス1世/ポルカ アイゼレとバイゼレ、ワルツ 小旅行、ジプシーギャロップ)
<R.シュトラウス没後50年>
R.シュトラウス/歌劇「影のない女」による交響的幻想曲
R.シュトラウス/歌劇「エレクトラ」作品58
   〜エレクトラのモノローグ
    「ひとりだ、何と悲しいこと」*
ワーグナー/楽劇「神々のたそがれ」
   〜夜明けとジークフリートのラインへの旅
   〜ジークフリートの葬送行進曲
   〜ブリュンヒルデの自己犠牲「ラインの岸にたきぎの山を積み上げよ・・・」*
(ソプラノ:ガブリエラ・シュナウト)
(料金:E(自由)席=1520円)3階C9列36番
コメント:
 N響定期は今月と来月はR.シュトラウス中心のプログラム。今日はソプラノのガブリエーレ・シュナウトを迎えてシュトラウスとワーグナーのオペラからの音楽である。ホルスト・シュタインの代演といいながらオペラ指揮者のコウト氏はまさにうってつけのプログラムと言える。コウト氏はチェコ生まれでプラハ国民劇場の主席指揮者にありながら、1976年にドイツに亡命し、デュッセルドルフ、ベルリン、ライプツィッヒなどの歌劇場を指揮している。N響とは昨年末の第九公演以来の共演。
 R.シュトラウスはワーグナーを受け継いだ作曲家と言えると思うが、より職人的で気楽な作品が多いようだ。そういう意味では同時代のライバル、マーラーとは好対照と言えると思う。その分マーラーのような深みに欠けるところがある。その二人に影響を与えたワーグナーの「神々のたそがれ」であるが、壮大な「ニーベリングの指輪」4部作のほんのひとかけらとあってはなかなか全体をおしはかるべくもない。ここはさまざまな音の中にいくつかの聞き覚えのある主題を探すにとどめておく程度のことである。
1999.10.3(日)(2:00pm)
ウィークエンド・マチネ・シリーズ1 近代フランスのサロン音楽
茂木大輔の木管サロン 〜フランシス・プーランク生誕100年記念〜
会場:三鷹市芸術文化センター・風のホール
オーボエ:茂木大輔、ピアノ:伊藤恵、クラリネット:松本健司、バスーン:岡本正之
曲目:
ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ(茂木・伊藤・松本・岡本)
ミヨー/木管トリオのためのパストラール(茂木・松本・岡本)
オーリック/木管三重奏曲(茂木・松本・岡本)
サティ/ジムノペディ第1番(伊藤)
プーランク/即興曲第13番、第15番(伊藤)
プーランク/オーボエ・ソナタ(茂木・伊藤)
プーランク/クラリネットとバスーンのためのソナタ(松本・岡本)
プーランク/ピアノとオーボエ、バスーンのための三重奏曲(茂木・伊藤・岡本)
(アンコール:ドビュッシー/亜麻色の髪の乙女(茂木・伊藤・松本・岡本))
(アンコール:山下洋輔/ピカソ(茂木・松本・岡本))
(アンコール:ドビュッシー/ゴリウォークのケークウォーク(茂木・伊藤・松本・岡本))
(料金:全席指定=2500円)1階E列6番
コメント:
 茂木さんの室内楽は例によって一曲毎に曲目解説が入り、時折笑いも混じる、楽しいコンサートである。トレードマークの髭がなくなったので、ちょっと違和感があるのだけれども。オーボエ・クラリネット・バスーン(ファゴット)の木管三重奏はトリオダンシュと呼ばれ、1927年のバスーン奏者ウーブラドゥーが「トリオダンシュ・ドゥ・パリ」を結成したことに始まるのだという。演奏者にかかる負担の大きさから次第に木管五重奏に重点が移っていったため、作品数が限られるのだそうだ。今回はプーランクを中心にラヴェル、サティと「6人組」と呼ばれたフランスの作曲家の作品が演奏された。同じリードを使った楽器とはいえ、その音色は変化に富んでおり、それぞれの楽器の見せ場をふんだんに盛り込んだ心憎いプログラムである。とはいえ、一番印象的だったのはプーランクのオーボエソナタ。プーランクが親友プロコフィエフの死を悼んだレクイエムともいうべき作品で、茂木さんの思い入れもあり、心を打つ演奏だった。
1999.9.28(火)(7:00pm)
東京ヴィヴァルディ合奏団第81回定期演奏会
海の嵐 その2
会場:カザルスホール
フルート:大村友樹、チェロ:渡部宏
管弦楽:東京ヴィヴァルディ合奏団
曲目:
パッヘルベル/カノンとジーク ニ長調
バッハ/管弦楽組曲第2番 ロ短調BWV.1067
ヴィヴァルディ/チェロ協奏曲 ト長調RV.415
ヴィヴァルディ/フルート協奏曲 ヘ長調「海の嵐」作品10−1 RV.433
チャイコフスキー/弦楽のためのセレナーデ ハ長調作品48
(アンコール:ヴィヴァルディ/二台のバイオリンのための協奏曲)
(料金:一般自由席=3500円)1階B列8番
コメント:
 二日続いてカザルスホール通い。今日はヴィヴァルディ中心の古楽とチャイコフスキー。昨日の室内楽よりももっと規模は小さくなるが、今日は二列目とかぶりつきの席に座ったので演奏者の細かい動きまで見えてしまう。ちょっと近すぎるかなとも思うが、これはこれでまた別の面白さもある。パッヘルベルのカノンはよく聴く曲だが、ジークもいい曲である。緑の牧場の草の上で、フォークダンスを踊る少女が一瞬見えたようだった。バッハの管弦楽組曲2番はおなじみの曲でもう何度も聴いているけれども、やはりフルートという楽器の音量からいってこういう弦楽合奏がいちばんふさわしいと思う。ヴィヴァルディは何を聴いても楽しく、チャーミング。四季だけでなく、もっともっといろいろな曲が演奏されてもいいと思う。そしてちょっと時代は異なるが、チャイコフスキーの弦楽セレナーデはまさにメロディーの宝庫!これでもかこれでもかと美しいメロディーの大サービスはいかにもチャイコフスキーらしい。しかし演奏する側にとってチャイコフスキーはきつそうで、すぐにアンコールに行くのもちょっとかわいそうな感じもした。
1999.9.27(月)(7:00pm)
モーツアルトとその周辺の作曲家たち第3回
会場:カザルスホール
チェロ:工藤すみれ
管弦楽:ムジカ・アウレア
コンサートマスター:藤原浜雄
曲目:
モーツァルト/セレナード第12番ハ短調K.388「夜曲」
ハイドン/チェロ協奏曲第2番ニ長調Hob.VIIb-2
モーツァルト/ヴァイオリンと管弦楽のためのアダージョホ長調K.261
モーツァルト/ヴァイオリンと管弦楽のためのロンドハ長調K.373
モーツァルト/交響曲第35番ニ長調K.385「ハフナー」
(アンコール:モーツァルト/セレナード第7番ニ長調K.250「ハフナー」より第4楽章)
(料金:ゴールド券=4000円)1階D列2番
コメント:
 三菱マテリアル主催のコンサート。ゴールドの会社だけあって、指定席もゴールド券。藤原浜雄氏率いる読売日響メンバーを中心とした室内管弦楽団も名前はラテン語のゴールドからとってムジカ・アウレアと称している。ソリストは工藤すみれさん。演奏はしっかりしているけれども、ちょっと堅い印象で、もうちょっとしなやかさが出るといいかもしれない。見かけによらず、本人は気が強いひとかもしれないと思った。チェロ協奏曲以外はモーツァルトの作品を堪能。特にアンサンブル形式のハフナー交響曲は指揮者がいないのによくこれだけ素晴らしい演奏ができるものだと関心した。こういう素晴らしい演奏を聴くと改めてモーツァルトの音楽が完璧な美しさを持っているということを、しみじみ感じさせられる。実はここのところ喉をやられて体調は良くなくてコンサートに行くのもためらわれたのであるが、演奏が始まると体調の悪いのなどはふっとんでしまった。
1999.9.24(金)(7:00pm)
NHK交響楽団第1387回定期公演Cプログラム
会場:NHKホール
指揮:エマニュエル・クリヴィヌ
ピアノ:梯剛之
コンサートマスター:山口裕之
曲目:
シューベルト(ウェーヴェルン)/6つのドイツ舞曲 D.820
シェーンベルク/清められた夜 作品4
ラヴェル/ピアノ協奏曲 ト長調
メンデルスゾーン/交響曲第4番 イ長調作品90「イタリア」
(料金:E(自由)席=1520円)3階
コメント:
 N響音楽監督のデュトワ氏はなぜかピアノ協奏曲は振らないらしく、今月はCプログラムだけ国立リヨン管弦楽団の音楽監督、エマニュエル・クリヴィヌ氏が登場。N響初登場だそうである。その前にオーボエの茂木さんの顔がなんとなく童顔になったなあ、と思ったら、なんとトレードマークの髭を剃ってしまっていた!そのせいというわけでもないだろうが、今日のプログラムではオーボエの出番は少ない。
 プログラムとしてはちょっと1曲多いかな、というところで、終演は9時5分。時間からするシューベルトかシェーンベルクを端折るか、ラヴェルの盛り上がりからすればメンデルスゾーンをカットするかだと思う。そう、今日のメインはなんといっても梯剛之のN響定期デビューであろう。目の不自由なソリストをマエストロが腕をとって登場。この曲はアルゲリッチに代表されるノリのいい演奏がされることが多いのだけれども、彼の演奏は叙情的でしかも決して弱々しくはない、秘められた闘志とでもいうべき演奏だった。
 そのほかの曲もクリヴィヌの繊細で軽やかな音色がよく出ていた。シェーンベルクは美しい作品だが、ちょっと長すぎるかもしれない。メンデルスゾーンは第1楽章はロッシーニ、第4楽章はベートーヴェンという印象の曲である。ちょっとプログラムに難ありだけれども演奏は素晴らしい出来だった。 (今日2時より2回目の演奏会、今夜0:30よりBS2で放送予定)
1999.9.20(月)(7:00pm)
アドヴァイザリー・コミッティー・シリーズ
会場:東京オペラシティ コンサートホール
指揮:岩城宏之
ヴァイオリン:マイケル・ダウス、フルート:ウィリアム:ベネット
管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢
曲目:
J.S.バッハ〜ウェーベルン/6声リチェルカータ〜「音楽の捧げもの」BWV1074より
ベルク/「抒情組曲」からの3章
シェーンベルク/室内交響曲第2番 作品38a
武満徹/ノスタルジア〜アンドレイ・タルコフスキーの追憶に
J.S.バッハ/管弦楽組曲第2番 BWV1067
J.S.バッハ/管弦楽組曲第3番 BWV1068
(料金:C席=2000円)3階L1列33番
コメント:
 岩城宏之は20世紀の音楽を得意とする指揮者だということを実感。今日のプログラムで一番良かったのは(意外にも?)武満であった。バッハの管弦楽組曲はプログラムの編成上、前半の曲だけでは客を呼べないと思ったために入れたのかもしれないけれども、あまり良い響きではなかった。2番を終了した時点ですでに9時近くになっており、結局終演は9時15分。食事をとっていなかったこともあってちょっと疲れた。バッハは1曲で良かったのでは、と思う。サービスのつもりがかえってプログラムのバランスを悪くしてしまった。
1999.9.19(日)(7:00pm)
響き合う音と心
会場:紀尾井ホール
講演・フルート:河合隼雄、フルート:佐々木真、尺八:小山菁山、ピアノ:岡田知子
曲目:
シャミナード/フルートのためのコンチェルティーノ(佐々木・岡田)
・講演「日本のこれから」(河合)
藤井凡大/阿吽十文字(佐々木・小山)
ドビュッシー/パンの笛(河合)
ドビュッシー/小舟にて(河合・岡田)
ラヴェル/ハバネラ形式による小品(佐々木・小山)
タファネル/トーマ「ミニヨン」の主題による大幻想曲(佐々木・小山)
(アンコール:モーツァルト/歌劇「魔笛」よりパパゲーノのアリア)(河合・佐々木・小山)
(アンコール:スメタナ/「モルダウ」より)(河合・佐々木・小山)
(料金:S席=5000円)1階16列21番
コメント:
 心理学者の河合隼雄の講演とフルートのコンサート。河合さんのフルート素人としてはなかなかの腕前。しかし講演がちょっと長すぎた。コンサート終了は9時20分を回っていた。興味深かったのは「阿吽十文字」でのフルートと尺八の対決(?)で、非常に似た音色を持っているが、やはりあくまでもフルートはフルート、尺八は尺八の独特の音色があり、それがうまく解け合ったりぶつかりあったりするのがおもしろかった。
1999.9.17(金)(7:00pm)
NHK交響楽団第1386回定期公演Aプログラム
会場:NHKホール
指揮:シャルル・デュトワ
ソプラノ:中村智子(*+)、メゾ・ソプラノ:小山由美(+)、テノール:ジャスティン・ラヴェンダー(+)、バス:妻屋秀和(+)
合唱:スウェーデン放送合唱団(*+)、合唱指導:ステファン・パルクマン
コンサートマスター :篠崎史紀
曲目:
(開演前の室内楽:R.シュトラウス(フランツ・ハッセノール編)/もう一つのティル・オイレンシュピーゲル)
出演:クラリネット:加藤明久、ホルン:樋口哲生、ファゴット:森田格、ヴァイオリン:永峰高志、コントラバス:佐川裕昭
プーランク/テネブレの7つのレスポンソリウム(1961)(*)
ロッシーニ/スターバト・マーテル(+)
(料金:E席=1520円)
コメント:
 6月以来のN響定期は、音楽監督デュトワ指揮の宗教曲2題である。イエスの受難を描いた二つの作品だが、雰囲気は大きく異なり、プーランクは荘厳なミサ曲となっているのに対して、ロッシーニはオペラを思わせるアリアの連続で我々の抱く宗教曲とはかなり雰囲気が違う。19世紀のイタリアではこうした宗教曲も好まれていたのだろうか。とはいえ、やはりプーランクの厳かな雰囲気の方がふさわしいように思う。
 演奏の方は素晴らしいソリストもさることながら、スウェーデン放送合唱団が昨年に引き続き素晴らしい合唱を聴かせてくれた。聴衆もよく知っていて、合唱団に対する拍手が一番盛大だった。

1999.9.14(火)(7:00pm)
第240回世田谷区民コンサート 都民名曲サロンシリーズ
モーツァルトの夕べ
会場:昭和女子大学 人美記念講堂
指揮:井上道義
ピアノ:児玉 桃
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター :崔 文洙
曲目:
モーツァルト/歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲
モーツァルト/ピアノ協奏曲第21番 ハ長調K.467
モーツァルト/交響曲第40番 ト短調K.550
(アンコール:モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」より)
(料金:B席=2000円)1階フ列35番
コメント:
 井上道義さんはサービス精神旺盛な人で、ピアノのセッティングの最中にも聴衆を飽きさせないように曲の解説などをしてくれる。きっとおしゃべりが好きなのに違いない。今日はもともとチャイコフスキーという話しもあったのを夏場の暑い時に「悲愴」もないでしょう、ということでモーツァルト特集になったということで、オーケストラの人数も50人程度。それでももちろん演奏は手抜きもなく、素晴らしい演奏を披露してくれた。ただし、この「都民名曲サロンシリーズ」は聴衆に問題あり。クラシックコンサートになれていないというか、マナーが悪いことおびただしい。子供が椅子の上に立ち上がったり(それを注意しない母親)演奏中にがさがさ言わせてマンガを読むカップルなど。静かにじっと音楽を聴くということを、現代人は耐えられなくなってきているのだろうか。
1999.9.11(土)(6:30pm)
水戸ゾリステン室内アンサンブル第2回定期演奏会
会場:水戸芸術館コンサートホールATM
クラリネット:兼氏規雄、ヴァイオリン:杉田せつ子、チェロ:城戸春子、ピアノ:沼田宏行
曲目:
ベートーヴェン/ピアノ、クラリネット、チェロのための三重奏曲変ロ長調 作品11「街の歌」
ブルッフ/クラリネット、ヴァイオリン(ヴィオラ)、ピアノのための8つの小品 作品83より第1番から第4番
メシアン/世の終わりのための四重奏曲
(アンコール:ベートーヴェン/七重奏曲より「メヌエット」)
料金:自由席=2000円)M列20番
コメント:
 水戸在住のクラリネット奏者、兼氏規雄氏の主催する水戸ゾリステンの第2回コンサート。たまたま水戸まで東山魁夷展を見に行ったので、水戸芸術館まで足を伸ばした。このホール、なぜかATMなどという無粋な名前がついているが、3本の大理石(風?)の円柱がどっしりと構え、すり鉢状の開放的なホールで雰囲気は最高。
 演奏の方は、ベートーヴェンはちょっと堅さが目立った感じだったが、ヴァイオリンを中心としたブルッフは非常に良かった。改めてブルッフという作曲家をじっくり聴いてみたい気にさせられた。メシアンはやはり心地よい音楽というにはほど遠い曲だが、クラリネット、チェロ、ヴァイオリンの独奏がそれぞれの見せ場となっており、こうしたゾリステンとしては腕の見せ所といった曲である。独奏の時には独奏者のみにスポットがあたるという演出でコンサートというよりは舞台に近い演出が可能なのもこのホールの良さだろう。また、こういう曲を聴く聴衆が集まるということをみても、水戸室内管弦楽団というすばらしい演奏団体をもっている水戸という街の聞き手のレベルの高さも感じさせられた。
1999.9.10(金)(7:00pm)
読売日響第375回定期演奏会
会場:サントリーホール 大ホール
指揮:ペーター・シュナイダー
ソプラノ:中丸三千繪
管弦楽:読売日本交響楽団
コンサートマスター:デヴィッド・ノーラン
曲目:
<R.シュトラウス没後50年記念>
 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」作品28
 4つの最後の歌
 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30
(料金:P席=2000円)2階P5列7番
コメント:
 R.シュトラウスの代表的な交響詩二曲と白鳥の歌ともいえる歌曲によるプログラム。「ツァラトゥストラ」の冒頭部分は有名だが、全曲通して聴いたのも初めてなので、演奏の善し悪しについては比較しずらいのだが、奇しくも前回の「惑星」といい、パイプオルガンを使用した曲を連続で聴くことができた。サントリーホールのオルガンはステージ上のオルガンで電気的に操作できるようになっており、オルガンの手元もP席だと覗くことができる。「惑星」ではもっぱら重低音を奏でていたオルガンだが、ここではかなりいろいろなメロディーに参加しており、よりオルガン協奏曲的な面もあわせもった曲だとわかった。オルガンの鍵盤の色がちょうどピアノと逆になっているというのもおもしろい。もともとピアノもそうだったらしい。
 「4つの最後の歌」については、歌曲はP席はやはりつらいものがある。中丸三千繪さんのシックなどれすの後ろ姿ばかり拝んでいました。
1999.9.2(木)(7:00pm)
日本フィル第513回定期演奏会
会場:サントリーホール 大ホール
指揮:ジェームス・ロッホラン
ヴァイオリン:アーロン・ロザンド
女声合唱:東京混声合唱団、合唱指揮:大谷研二
オルガン:井上圭子
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター:木野雅之
曲目:
ウォルトン/ヴァイオリン協奏曲
(アンコール:バッハ/無伴奏パルティータ第2番より「サラバンド」「ジーク」)
ホルスト/組曲「惑星」
(料金:P席=3000円)2階P7列13番
コメント:
 ウォルトンは1902年生まれ。ホルストとブリテンの間の世代で、この曲は同世代のハイフェッツの求めに応じて書かれたものだという。冒頭のメロディーは美しいが、全体としてはあまり印象的ではない。ただ、ソリストのアーロン・ロザンドの演奏は素晴らしかった。マエストロに促されてバッハをアンコールで弾いたが、その間、マエストロは第1ヴァイオリンの椅子に二人で座って聴いていた。
 さて、「惑星」のほうは、井上圭子さんがリモートコントロールのパイプオルガンで参加。火星、土星などの重低音を鳴らす。ちょうど背中にパイプを背負うような席だったので頭の上からオルガンの響きがやってくる。まさに音を聴く、というよりは(振動を)感じる演奏会だった。
 なお、この日のコンサートは前の週の日曜日にチケットぴあで手に入れられなかった席が、前日日本フィルに問い合わせてとったもの。意外に直前でもチケットは入手可能だったりするのでいろいろなルートを試してみるのがいいかもしれない。
1999.8.28(日)(3:00pm)
Mostly Mozart FINAL JAPAN TOUR
会場:オーチャードホール
指揮:ジェラード・シュワルツ
ピアノ:リーリャ・ジルベルシュタイン*/スチュアート・グッドイヤー+
管弦楽:モーストリーモーツァルト祝祭管弦楽団
曲目:
モーツァルト/ピアノ・ソナタ第9番 ニ長調K.311*
モーツァルト/ピアノ協奏曲第20番 ニ短調K.466+
モーツァルト/ピアノ・ソナタ第11番 イ長調(トルコ行進曲付)K.331+
モーツァルト/ピアノ協奏曲第21番 ハ長調K.467*
(料金:B席=3000円)3階4列16番
コメント:
 モーストリーモーツァルトも今年が最後。今日のプログラムはロシア出身の女性ピアニスト、リーリャ・ジルベルシュタインとトロント生まれのまだ少年という感じのスチュアート・グッドイヤーという二人のピアニストがそれぞれソナタとコンチェルトを弾くというスタイル。グッドイヤーはオリジナルのカデンツァを披露、才能を見せつけた。ジルベルシュタインはちょっと太めだけども、21番の美しい旋律を奏でてくれた。オーケストラはちょっとよせあつめという感じで物足りなさが残るのは昨年と同じだが。やはりこのようなシリーズは、好みのソリストでプログラムを選ぶのがいいようだ。
1999.8.22(月)(3:00pm)
NTT Group Presents 第146回N響コンサート
会場:東京オペラシティコンサートホール
指揮:ユーリ・シモノフ
チェロ:藤原真理
コンサートマスター:篠崎史紀
管弦楽:NHK交響楽団
曲目:
ボロディン/歌劇「イーゴリ公」序曲
チャイコフスキー/ロココ風の主題による変奏曲 イ長調作品33
チャイコフスキー/交響曲第4番 ヘ短調作品36
(アンコール:チャイコフスキー/弦楽セレナードよりワルツ)
(料金:B席=3000円)3階R2列34番
コメント:
 1年ぶりにユーリ・シモノフ&N響を聴く。昨年の「N響の夏98」でむせび泣くサウンドを堪能したチャイコフスキー、今年はきらびやかなロココ風と交響曲4番。ロココ風はミッシャ・マイスキーの決定版とも言えるCDとどうしても比較してしまうが、藤原真理さんも熟練の技を見せてくれる。しかし、エンディングの部分ではちょっとばたばたしてしまった感も。チャイコフスキーのコンチェルトはやはりなかなか一筋縄ではいかない曲なのだ。
 交響曲4番の方は先日のアジア・ユースとはうってかわってきびきびした演奏。その分シモノフの違った面も見せてくれた。泣かせる演奏はアンコールの弦楽セレナードで聞かせてくれた。でも、このひとの指揮は見ていても楽しいので、できればサントリーホールで聴きたかった。
1999.8.20(月)(6:30pm)
読売日響サマーフェスティバル「10大オペラアリア」
会場:サントリーホール 大ホール
指揮:三石精一
ソプラノ:松本美和子*、テノール:水口聡+
コンサートマスター:デヴィッド・ノーラン
管弦楽:読売日本交響楽団
曲目:
プッチーニ/歌劇<マノン・レスコー>から第3幕への間奏曲
プッチーニ/歌劇<トスカ>から「妙なる調和」+、「二人の愛の家へ」*+、「歌に生き恋に生き」*、「第3幕への導入〜星は光りぬ」+
ヴェルディ/歌劇<運命の力>序曲
ヴェルディ/歌劇<オテロ>から「暗い夜のとばりが降り」*+
プッチーニ/歌劇<ラ・ポエーム>から「冷たい手を」+、「私の名はミミ」*、「愛らしい乙女よ」*+
ヴェルディ/歌劇<椿姫>から「第3幕への前奏曲」、「さようなら過ぎ去った日よ」*、「パリを離れて」*+
(アンコール:プッチーニ/歌劇<トゥーランドット>より「誰も寝てはならぬ」+)
(アンコール:プッチーニ/歌劇<ジャンニスキッキ>より「私のお父さん」*)
(アンコール:ヴェルディ/歌劇<椿姫>より「乾杯の唄」*+)
(料金:C席=4000円)2階LA6列21番
コメント:
 ソプラノの松本美和子さんは4月の新国立劇場の「こうもり」でロザリンデ役をやったひと。水口さんは初めて聴くが、なかなかの力量の持ち主。
 番組はプッチーニとヴェルディの作品の抜粋というわけだけれども、こういうコンサートはオペラを見るよりもかえって疲れる。歌詞の内容はよくわからないし、一曲一曲終わる度に拍手するのもしんどくなってくる。6時半に始まったのに終演は8時50分になっていた。
1999.8.2(月)(2:00pm)
アジア・ユース・オーケストラ 東京公演
会場:サントリーホール 大ホール
指揮:セルジュ・コミッショーナ
ヴァイオリン:ギル・シャハム
曲目:
J.S.バッハ(ストコフスキー編)/トッカータとフーガ ニ短調BWV565
バーバー/ヴァイオリン協奏曲
(アンコール:J.S.バッハ/パルティータ3番よりガボット)
チャイコフスキー/交響曲第4番 ヘ短調作品36
(アンコール:チャイコフスキー/弦楽セレナードよりワルツ)
(料金:S席=4000円)1階23列33番
コメント:
 アジア10カ国から選ばれた100人の若者で構成されたオーケストラ。あまりステージ慣れしていないようだが、演奏はかなり高水準。ただ、聴衆は最低。小さい子供が退屈してしゃべっているのに隣の親は他人のふりをしている。あっちでがさがさこっちでがさがさ。挙げ句の果てに演奏中に退出である。どうやら協賛スポンサーの動員らしい。休憩の後にはご丁寧にスポンサーの社長にトロフィーの贈呈式まである。後半のチャイコフスキーは間延びしすぎの演奏で若いオーケストラにはちょっと酷な指揮だったようだ。特に管楽器はしまいには音をはずす場面も。こんなに退屈なチャイコフスキーの4番は初めてだった。と、いろいろと考えさせられるコンサートだった。
1999.8.1(日)(2:00pm)
都響プロムナードコンサート No.281
会場:サントリーホール 大ホール
指揮:大友直人
フルート:山形由美*
曲目:
ヘンデル(ハーティ編)/組曲「水上の音楽」
J.S.バッハ/管弦楽組曲第2番 ロ短調BWV.1067*
メンデルスゾーン/「真夏の夜の夢」序曲
ジュナン/ヴェニスの謝肉祭*
グルック/精霊の踊り*
ハチャトゥリアン/バレエ組曲「ガイーヌ」より、「剣の舞」「子守歌」「ばらの乙女たちの踊り」「レズギンカ」
(アンコール:ブラームス/ハンガリー舞曲第5番)
(アンコール:J.シュトラウス/雷鳴と雷光)
(料金:P席=1500円)2階P6列20番
コメント:
 昨日リハーサルを聴いた本番の演奏会。今日はホルンもしっかりと歌い出し、流石に本番になるとリハーサルとは違う。また、改めてサントリーホールの音の良さを実感。ハンガリー舞曲のストップモーション(?)の部分で残響の長さを楽しむというのがアンコール曲の意図かもしれない。
 今日の演奏会は曲の間のセッティングの合間を、大友直人さんの曲目解説で埋めて楽しい演奏会だった。客席もほぼ満席。
1999.7.31(土)(6:45pm)
群馬交響楽団第366回 定期演奏会
会場:群馬音楽センター
指揮:小泉和裕
ピアノ:若林顕
曲目:
武満徹/鳥は星形の庭に降りる(1977)
プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第3番 ハ長調作品26
ブラームス/交響曲第4番 ホ短調作品98
(料金:C席(自由席)=2000円)
コメント:
 東京から車で2時間弱、高崎まで群馬交響楽団を聴きにいった。流石に18歳以上で免許を持っていないものはいない、といわれるほどの車王国である。会場の群馬音楽センター周辺には駐車場が完備されており、しかもコンサート開演時間から終演までの駐車料金が無料となるサービスを行っている。
 そのオーケストラの実力もなかなかのものである。特に金管楽器は質が高いように思う。これは音楽センターの響きと関係があるかもしれない。はからずも終演後に行われたコンサートマスターとの懇談会でも話題になったが、残響の短いホールで演奏しているアメリカのオーケストラは金管中心のオーケストラと成りやすいということで、群響もその傾向が出ているかもしれない。ブラームスのような曲は、このホールではちょっと響きが足りないようにも感じた。
 とはいえ、創立から50年以上を経て、群響も市民のオーケストラとして定着しており、ホールだけは立派なものを作っても中身が伴っていない、お隣新潟県の状況とは好対照に思えた。
 この日のコンサートで残念だったのは、ブラームスの時に地元テレビクルーのインカムの音が漏れていたことで、第1楽章終わったときに私が注意してようやく音漏れが収まった。そういえば、このテレビ局、武満の時は撮影していなかったが。
1999.7.31(土)(10:30am)
東京都交響楽団 公開リハーサル
会場:東京文化会館
指揮:大友直人
フルート:山形由美
曲目:
ハチャトゥリアン/バレエ音楽「ガイーヌ」より
ブラームス/スラブ舞曲第5番
J.シュトラウス/雷鳴と雷光
メンデルスゾーン/「真夏の夜の夢」序曲
ヘンデル/組曲「水上の音楽」
J.S.バッハ/管弦楽組曲第2番
(料金:招待)
コメント:
 会場に向かう山手線の中でチェロを持った若い二人組を見た。後でわかったのだが、都響首席奏者の古川さんと次席奏者のひとだった。都響は今世代交代の時期で首席奏者が若い人に切り替わってきている。普段着だとまさか首席の人とは思わなかった。その話から、都響が公開リハーサルをするのは初めての試みだという。
 会場につくと、楽団員は思い思いの服装で練習している。聴衆は1階の後ろ側と横の席を充てられており、存在しないことになっているらしい。マエストロが入ってきて、ハチャトゥリアンの「剣の舞」から演奏開始。一回演奏してから、マエストロが要望を伝えていく。口調はあくまでも丁寧。こうしなさい、という風ではなく、もしできたらこういうふうにやってください、という感じである。マエストロの指示を楽団員が譜面にメモをしていく、という作業の繰り返しである。今回のプログラム(8/1プロムナードコンサート)は短い曲を何曲もやるので、聴いている側にとっては楽しいが、演奏する側にとってはそれぞれ違う世界を持っている曲を次々とやらなくてはならないので大変なのだという。こういう風に1曲1曲を時間をかけてチェックする作業の積み重ねが演奏会で披露されているのだと思うと一つのコンサートもおろそかには出来ない。今回はヘンデルで重要な出だしのホルンがちょっと音色が悪く、マエストロもやはり気に入らなかったようだが、ホルンもそれは自覚して、苦笑いしているような表情だった。
1999.7.29(木)(7:00pm)
N響夏’99 おとぎの国の音楽
会場:すみだトリフォニーホール
指揮:ジョン・フィオーレ
コンサートマスター:山口裕之
曲目:
フンパーディンク/オペラ「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲
メンデルスゾーン/劇音楽「夏の夜の夢」作品61(抜粋)
ラヴェル/組曲「マ・メール・ロア」
チャイコフスキー/組曲「くるみ割人形」作品71a
(アンコール:グリーグ/「ペールギュント」より「山の魔王の宮殿にて」)
(料金:B席=4000円)3階7列18番
コメント:
 「N響の夏」シリーズは、プログラムからすると、日フィルや新日フィルの「親と子のコンサート」に該当するような感じなのだが、いまひとつ徹し切れていない感じで、そのためかホールにも空席が目立つ。トリフォニーはもちろん、新日本フィルのフランチャイズでいわばN響にとってはアウェーという感じでなんとなくぎこちなさを感じた。今回の指揮者、ジョン・フィオーレとの共演は初めてということで、そのへんもあるのかもしれない。本来陽気なヤンキーといった感じのマエストロとN響とがあまりマッチしていないような印象があった。それでも後半のマ・メール・ロアあたりからやっとほぐれてきだした感じがしたが、昨日の井上道義&新日本フィルの息のあったコンサート(しかも満席!)の直後だけに物足りなさの目立ったコンサートとなってしまった。
1999.7.28(水)(7:00pm)
新日本フィルハーモニー交響楽団 特別演奏会
会場:東京オペラシティ コンサートホール
指揮:井上道義
ソプラノ:釜洞祐子、バリトン:三原剛
合唱:成城合唱団、合唱指揮:高嶋邦幸
コンサートマスター: 崔 文洙
曲目:
メンデルスゾーン/序曲「フィンガルの洞窟」作品26
メンデルスゾーン/コンサート・アリア「不幸な女」作品94
シュニトケ/モーツ・アルト・ア・ラ・ハイドン
フォーレ/レクイエム 作品48
(料金:B席=4000円)3階R2列28番
コメント:
 今日の演奏会のテーマは「別れ」。フォーレのレクイエムがメインだが、それ以外にもいろいろ趣向を凝らしている。まず、レクイエムでは出番の少ない釜洞さんに1曲コンサート・アリアを披露してもらう。そしてシュニトケはモーツァルトの「パントマイムのための音楽K.446」というスケッチしか残っていない曲をモチーフにちょっとした寸劇的演奏。まずステージの椅子をすべて片づける。そして明かりが消えて真っ暗に。その暗闇の中に響く弦楽器の音。いきなり明かりが照らされ、指揮者がモーツァルトの主題を情熱的にふる。しかし、オーケストラはなかなか指揮者の思い通りには演奏してくれない。最後に指揮者を置いて出ていってしまい、残された指揮者は譜面台に突っ伏す、というパントマイム仕立てのパロディとなっている。映画音楽や劇音楽を書き続けた、シュニトケらしい曲ともいえるかもしれない。
 さて、メインのフォーレのレクイエムだが、パイプオルガンやハープも入っているものの比較的小編成。合唱団も80名程度。レクイエムといってもチャーミングな歌曲といった趣。中でも、第4曲のピエ・イエズスはソプラノの釜洞祐子さんの天使のような歌声が素晴らしい。とにかく教会の音響によく似せて作られているこのホールの特徴を良く生かしたプログラムだったと思う。
1999.7.25(日)(2:00pm)
世田谷交響楽団 第24回演奏会
会場:昭和女子大学人見記念講堂
指揮:広上淳一
コンサートマスター:原山佳子
曲目:
マーラー/交響曲第7番「夜の歌」
(料金:全席自由=2000円)
コメント:
 アマチュアオーケストラとは言え、クラシックの盛んな世田谷という土地柄、なかなかの実力。メンバーは若い人が多い。マエストロ広上淳一の相変わらずの熱のこもった指揮によく応えていたと思う。楽章毎にチューニングをしているのも、長い曲だけに好ましい。なんでも、世田谷交響楽団ではマーラーの交響曲の全曲チクルスを予定しているという。
1999.7.24(土)(7:00pm)
すかいらーくスペシャル TOKYO SYMPHONYサマーコンサート‘99
会場:東京芸術劇場 大ホール
指揮:飯森範親
ヴァイオリン:マキシム・フェドートフ、ソプラノ:佐藤美枝子*
管弦楽:東京交響楽団
曲目:
ロッシーニ/歌劇「ウィリアム・テル」序曲より
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
ビゼー/歌劇「カルメン」前奏曲
ヴェルディ/歌劇「リゴレット」より“慕わしい人の名は”*
ドリーブ/歌劇「ラクメ」より“鐘の歌”*
マスカーニ/歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
ドニゼッティ/歌劇「ランメルモールのルチア」より“狂乱の場”*
(アンコール:モーツァルト/歌劇「魔笛」より“復讐の心は地獄の炎のように燃え”)
(料金:C席=3000円)3階K列48番
コメント:
 全体としてバランスの悪いコンサートという印象。もともとヴァイオリンのマキシム・フェドートフ中心のコンサートに佐藤美枝子さんのソプラノコンサートを後から追加したような印象。フェドートフのチャイコフスキーは非常に甘い弾き方なのだけれども、急にテンポが速くなったり遅くなったりしてまるで渋滞を走る車のようであった。
今日の聴衆のおおかたの目的はやはり佐藤美枝子の歌を聴きに来たのだと思う。流石に良い声である。一番よかったのはリゴレット。アンコールの夜の女王のアリアはちょっと最高音が苦しい感じ。もともと実力のある脇役といった役どころだった彼女がチャイコフスキーコンクール1位ということで一躍脚光を浴びて、今後の活躍が期待される。
1999.7.22(木)(7:00pm)
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第133回定期演奏会
会場:サントリーホール 大ホール
指揮:阪 哲朗
コンサートマスター:山本友重
曲目:
ベートーヴェン/交響曲第1番 ハ長調作品21
ベートーヴェン/交響曲第3番 変ホ長調作品55「英雄」
(料金:C席=3000円)2階P6列26番
コメント:
 先日の朝比奈御大から一転、今日はベルリンのコーミッシェ・オーパーの専属指揮者に就任した若手、阪(ばん)哲朗氏の指揮を聴きにサントリーホールへ足を運ぶ。曲目はベートーヴェンの若々しい交響曲2曲。コンサートのテーマは「青春」である。オペラの指揮が多く、コンサートはまだ経験が少ないということだが、表情豊かなはつらつとした演奏。今後の活躍が期待される。
1999.7.18(日)(2:30pm)
大阪フィルハーモニー交響楽団 第38回東京定期演奏会
会場:サントリーホール 大ホール
指揮:朝比奈 隆
曲目:
シューベルト/交響曲第8番 ロ短調D.759「未完成」
シューベルト/交響曲第9番 ハ長調D.944「ザ・グレイト」
(料金:B席=5000円)2階LA2列19番
コメント:
 前売りでは売り切れだったこのコンサート、当日券があるということなので出かけていった。発売開始が予告された時間より30分遅れたが、首尾良くチケット入手。
 さて今月9日に91歳の誕生日を迎えた朝比奈氏だが、年齢を感じさせないしっかりとした指揮である。未完成の第2楽章はちょっとゆっくりめの演奏だったが、ザ・グレイトはテンポのあるダイナミックな演奏であった。
演奏終了後の拍手がものすごい。たぶんに演奏そのものに、というよりは、朝比奈氏の演奏をこれから何回見られるのだろうかという思いをみんなが抱いているためなのだろうけれども、今年度25回の公演が予定されているそうだし、まだまだ何年も現役でいられるのではないだろうか。

1999.7.16(金)(6:30pm)
第5回古典音楽名人会
会場:安田生命ホール(新宿)
オーボエ・構成:茂木大輔、ハープ:早川りさこ、ピアノ:今村尚子
<前座>松本典子(オーボエ)
ボザ/田園幻想曲
<真打>茂木大輔(オーボエ)
プーランク/オーボエ・ソナタ
ダリウス・ミヨー/ソナチネ
サン・サーンス/オーボエ・ソナタ
<前座>向笠典子(ハープ) パッヘルベル/カノン
<真打>早川りさこ(ハープ)
ファルカシュ/17世紀の4つのハンガリアンダンス
グリディ/古いソルチコ
サルツェド/きらめき
<大喜利>早川りさこ・茂木大輔
ラヴェル/ハバネラ風の小品〜ロドリーゴ/アランフェス協奏曲(即興演奏)
(料金:全席自由=4000円)
コメント:
茂木さんお得意のレクチャーコンサート。落語のスタイルを借りて楽器の紹介と学生とプロの演奏の違いを楽しんでもらおうという趣向。小ホールでこれだけ演奏者に近く聴くということはあまりなかったので、オーボエの演奏はまるで水にもぐっている忍者がときどき水面に顔を出して「ぷふぁっ」と息継ぎをしているようである。プーランクのオーボエ・ソナタは無二の親友(愛人?)であったプロコフィエフの死に捧げた曲ということで、入魂の演奏。非常な感動を覚えた。
 休憩後はハープの早川りさこさん登場。アイルランドの古典的なハープから電子ハープまで幅広く紹介してくれ、ハープという楽器の奥深さを披露。サルツェドの「きらめき」という曲ではいろいろな奏法を見せてくれた。特にちょうどギターのハーモニックスのような音の出し方がよくわかった。
 とにかく茂木さんのこういうコンサートは非常に面白くて新たな発見があり、是非一度聴いてみて下さい。
1999.7.10(土)(6:00pm)
東京交響楽団 東京芸術劇場シリーズ第45回
会場:東京芸術劇場 大ホール
指揮:ユベール・スダーン
フルート:クリスチャン・ラルデ、ハープ:マリー=クレール・ジャメ
コンサートマスター:田尻順
曲目:
モーツァルト/フルートとハープのための協奏曲 ハ長調K.299
(アンコール:グルック/歌劇「オルフェとエウリディーチェ」より精霊の踊り
ブルックナー/交響曲第7番 ホ長調WAB.107(ノヴァーク版)
(料金:C席=3000円)3階G列49番
コメント:
 10月から東響の首席客演指揮者に就任するユベール・スダーンによるモーツァルトとブルックナーのお披露目コンサートとなった。モーツァルトはクリスチャン・ラルデ、マリー=クレール・ジャメの夫婦共演で息のあった演奏を見せてくれた。拍手に答えてアンコールのサービスも。ブルックナーの7番は8番よりも聴きやすい。第2楽章と第3楽章が良かった。しかしどうもブルックナーの曲は、ここでもう一押し、というところでしぼんでしまうような気がして欲求不満になるのだが。(37/88)
1999.7.8(木)(7:00pm)
日本フィルハーモニー 第512回演奏会
会場:サントリーホール 大ホール
指揮:広上淳一
コンサートマスター(ヴァイオリン独奏*):木野雅之
曲目:
モーツァルト/交響曲第32番 ト長調「イタリア風序曲」K.318
モーツァルト/交響曲第36番 ハ長調「リンツ」K.425
R.シュトラウス/交響詩「英雄の生涯」作品40*
(料金:B席=4200円)2階LA5列18番
コメント:
P席、C席が売り切れでB席。しかしホールは満席にはほど遠い状況。当日券を割引で買えるというような制度があるといいのだけれども。 私はモーツァルトを聴きにいったのだけれども、まわりの人々の関心は「英雄の生涯」の方にあるのだろう。マエストロ広上淳一の個性からするとやはりこういう曲の方が向いているかも。ただR.シュトラウスは「ツァラトゥストラ」の方がいいとは思う。
1999.7.7(水)(7:00pm)
アサヒビール クラシック・スペシャル
大町のブルックナー
会場:東京オペラシティ・コンサートホール
指揮:大町陽一郎
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ブルックナー/交響曲第8番 ハ短調(ノヴァーク校訂第2稿1890年版)
(料金:A席=2500円)3階R1列26番
コメント:
 当日券でブルックナーを聴く。ブルックナーをナマで聴くのは初めて。1時間半もかかる大曲とあって、ブルックナーは敬遠していたのだが、聴いてみればそれほど悪くはない。部分的には非常に美しいメロディーもあって楽しめるが、やっぱり長い。CDを買って少しずつ慣らしておく必要があるかもしれない。
 ちょっと不思議だったのは、隣に座った年輩のご婦人。人を外見で判断してはいけないとはおもいつつ、田舎のおばちゃん風でどうもクラシックに来そうな感じではないのに一人でバルコニー席に座っている。演奏が始まると身を乗り出していたのだけれど(身を乗り出さないとステージが見えない)すぐにこっくり始めた。結局演奏中ほとんど眠っていたようなのだけれども、そのおばちゃんがプログラムを下に落とすのではないかとはらはらしてしまった。といっても、自分もやっぱり途中ちょっと寝てしまったのだけれども。こういうひとは、曲うんぬんよりも、こうした雰囲気を楽しみに来ているのかもしれないと思った。演奏が終わったときには盛大な拍手を送ってマエストロの返礼を受けていた。
1999.7.4(日)(3:00pm)
NHK交響楽団演奏会
会場:大宮ソニックシティ 大ホール
指揮:アラン・ギルバート
ピアノ:イモジェン・クーパー
ブラームス/悲劇的序曲
モーツァルト/ピアノ協奏曲第19番ヘ長調
チャイコフスキー/交響曲第6番 ロ短調「悲愴」
(アンコール:チャイコフスキー/弦楽セレナードよりワルツ)
(料金:C席=4000円)2階19列8番
コメント:
アラン・ギルバートを聴くために大宮まで行く。ソニックシティーは2500人収容の多目的ホール。オーケストラには必ずしもよい環境ではないのかもしれない。少なくとも二階席ではちょっと管楽器の音が強く聞こえすぎるような気がした。
聴衆はいっぱいの満員。しかし、クラシックコンサートに慣れていない人もいてモーツァルトの第1楽章で拍手が起こる。この調子だと悲愴の3楽章も危ないなと思っているとやはり盛大な拍手が起こる。そして最後のピアニッシモでも指揮者の手の降りきらない内に拍手である。そういえば今まで悲愴の3楽章で拍手が起きなかったのはN響定期だけであったし、なかなかこの曲は聴く方にとっても難物である。今回の演奏は自分の聴いた最高の演奏である、ドレバンツ指揮N響定期に比べると、やはり物足りない感じであった。ただ、その物足りなさが指揮者のせいなのか、ホールのせいなのか、ということは難しい所だと思うが。
1999.7.2(金)(7:00pm)
日本フィル「20世紀の作曲家たち」第14回演奏会
会場:サントリーホール 大ホール
指揮:広上淳一
ヴァイオリン:木野雅之/瀬崎明日香
コンサートマスター:木野雅之
武満徹/トゥイル・バイ・トワイライト−モートン・フェルドマンの追憶に
シュニトケ/コンチェルト・グロッソ 第1番
プロコフィエフ/バレエ組曲「ロメオとジュリエット」より
1. モンタギュー家とキャプレット家(2−1)
2. 少女ジュリエット(2−2)
3. フォークダンス「民衆の踊り」(1−1)
4. 仮面(1−5)
5. ローレンス僧(2−3)
6. 舞踏(2−4)
7. ロメオとジュリエット(1−6)
8. ティボルトの死(1−7)
9. 別れの前のロメオとジュリエット(2−5)
10. アンティーユの娘たちの踊り(2−6)
11. ジュリエットの墓の前のロメオ(2−7)
(アンコール:ハチャトゥリアン/「ガイーヌ」よりレズギンカ)
(料金:P席=2700円)2階P5列26番
コメント:
 現代曲はやはり敬遠されるのか、聴衆の入りは半分弱といったところ。シュニトケの曲はところどころ、いいところもあるのだけれども、全体としては、どうしてこんなに汚れちまったんだ?という印象。現代の作曲家は心地よい音色は罪だと思っているのだろうか。それともあの音色を気持ち良いとおもっている?
「ロミオとジュリエット」は指揮者自身によって選ばれた11曲の演奏。広上氏の指揮は、時には拳を突き上げ、時には腰をくねらせ、見ているだけでもあきないが、演奏もなかなか良かった。失礼ながら、日本フィルはあんまりうまくないと思っていたのだけれども、どうやらホールによってかなり差があるようで、ここのところ2回サントリーホールで聴いた演奏はしっかりしたもので、自分の不明を恥じるばかりだ。(35/92)
1999.6.28(月)(7:00pm)
読売日響 ハンス・フォンク特別演奏会
会場:東京芸術劇場 大ホール
指揮:ハンス・フォンク
コンサートマスター:藤原浜雄
ブラームス/交響曲第3番 ヘ長調作品90
ブラームス/交響曲第2番 ニ長調作品73
(料金:G席=2000円)3階K列39番
コメント:
今日は読響でブラームスを聴く。明日のサントリー定期演奏のプログラムを芸術劇場で特別演奏会という形で演奏するのだが、当日券もたくさん残っていて、もったいない感じ。それでも、当日ふらっといって2000円で聴けるのは助かる。最近ではこういうふうに各オーケストラともに安く観られる席を作り始めているようだ。それだけオーケストラひしめく東京のクラシック界も競争が激しいと言うことか。
といっても、さすが読響だけあって、ブラームスなどはお手の物という感じ。東京芸術劇場は3階の一番後ろの席がいちばん音がいいかもしれない。その席にあって、3番の切ないメロディーに身を任せるこの幸せ。そして初めて聴く2番の交響曲は、最初から最後までブラームスにしては非常に明るい曲である。まあそのあたりが比較的演奏されない理由なのかもしれない。(10/80)
1999.6.27(日)(2:00pm)
モントリオール交響楽団
会場:横浜みなとみらいホール 大ホール
指揮:シャルル・デュトワ
ヴァイオリン:諏訪内晶子*
コンサートマスター:リチャード・ロバーツ
シベリウス/交響詩「フィンランディア」作品26
ブルッフ/スコットランド幻想曲 作品46*
ドビュッシー/牧神の午後への前奏曲
ムソルグスキー(ラヴェル編)/組曲「展覧会の絵」
(アンコール:ビゼー/「アルルの女」より三人の王の行進〜パランドール)
(料金:C席=7000円)2階P6列34番
コメント:
モントリオール響はN響の音楽監督になったデュトワ氏の関係でフルートのハッチンス氏がN響に客演したりして海外のオーケストラとしてはいちばん親しみを感じる存在ではある。会場に入って驚いたのはステージの上にほとんどのメンバーが上がっていて大きな音で調整をしていることである。音が大きくて場内のアナウンスも開演の銅鑼の音もほとんど聞こえない。そして演奏が始まると音量の大きさにはびっくり。今日のプログラムは管楽器の活躍するプログラムなのだが、このオーケストラが管楽器に特色があるということがよくわかった。
 ただ、今日は湿度が非常に高く、外は嵐。ヴァイオリンにとってはまたしても厳しい状況だったと思うが、諏訪内さんのブルッフ、3楽章あたりではちょっとヴァイオリンが悲鳴を上げていたようなきがした。
1999.6.26(土)(6:30pm)
新国立劇場バレエ団「トリプル・ビル」
会場:新国立劇場 中劇場
芸術監督:島田廣、舞台監督:盛岡肇
指揮:佐藤功太郎
管弦楽:新星日本交響楽団
○ショパン/「レ・シルフィード」
振付:ミハイル・フォーキン、演出:メール・パーク/ジョン・オウルド、舞台美術:ヴャチェスラフ・オークネフ、衣装:林なつ子、照明:磯野睦
出演:西山裕子/逸見智彦/遠藤睦子/中村美佳
○モーツァルト/「踊れ・喜べ・汝幸いなる魂よ」(音楽は録音による)
振付:佐多達枝、台本:河内連太/佐多達枝、舞台美術:藤本久徳、衣装:前田哲彦、照明:足立恒
出演:堀内充/高部尚子/坂本登喜彦/白石貴之/左右木健一/西梶勝/大畠律子/大寺資二/ゲンナーディ・イリイン
○ストラヴィンスキー/「ペトルーシュカ」
振付:ミハイル・フォーキン、演出:ジョン・オウルド/メール・パーク、舞台美術:アレクサンドル・ブノワ、照明:磯野睦
出演:根岸正信/宮内真理子/佐藤崇有貴/小原孝司/高櫻あみ/佐藤未夏/大森結城/根岸愛希/菊地美樹/市川透/大寺資二/高木裕次/富川祐樹/奥田慎也/左右木健一/秋山聡/小林由明/伊藤隆仁
(料金:B席=3150円)2階3列63番
コメント:
 新国立劇場バレエ団によるバレエ3本立て。バレエをナマで観るのは、4月のオペレッタ「こうもり」の劇中バレエを除けばこれが初めて。抽象的な舞踊としてのバレエの代表としての「レ・シルフィード」、現代舞踊としての「踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ」、そしてストラヴィンスキー作曲の「ペトルーシュカ」という3作は、バレエ初心者の私にはそれぞれ興味深かったが、特に面白いと感じたのは「ペトルーシュカ」である。3作のうち、これだけがもともとバレエ用に作曲されたものであり、もちろん演奏会でも聴いている曲なのだが、バレエがつくことによって曲の意図が明確になった。
1999.6.25(金)(7:00pm)
第1384回NHK交響楽団定期公演Cプログラム
会場:NHKホール
指揮:大勝秀也(スウェーデン:マルメ国立劇場音楽総監督)
ヴァイオリン:チョー・リャン・リン
コンサートマスター:山口裕之
ステンハンマル/交響曲序曲「エクセルシオール!」作品13
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調作品35
(アンコール:バッハ/パルティータ第3番よりガボット)
R.シュトラウス/「ばらの騎士」組曲
コメント:
 今月のN響定期は御難続きで、前2回がソリストの病気代役だったのに続き、今日はコンサートマスターが堀さんから山口さんに変更である。指揮者の大勝さんは3月にかつしかで一度N響を聴いている。まずステンハンマルのエクセルシオール!は良い曲なのだが、これから盛り上がるか、と思ったらいきなり終わってしまった。次のチャイコフスキーは、先月の都響と打って変わった演奏で、チョー・リャン・リンのソロによって非常に東洋的な旋律になり、ちょっと胡弓を思わせる響きがある。音色は明るいのだがこの曲のスラヴォニックな風合いはかけらもなくなっていて弾き方によってこれほど曲の感じが変わるのかと興味深い。アンコールのバッハも良かった。
ばらの騎士は指揮者の得意の演目らしく、非常に良かった。この指揮者は曲によってかなり演奏にばらつきがあるのかもしれない。または協奏曲は不得意なのかも。
1999.6.24(木)(7:00pm)
日本フィルハーモニー交響楽団 第511回定期演奏会
会場:サントリーホール 大ホール
指揮:ネーメ・ヤルヴィ
ベートーヴェン/交響曲第3番 変ホ長調「英雄」
ニールセン/交響曲第4番 「不滅」 (料金:P席=3000円)2階P7列36番
コメント:
 日本フィルは経営は苦しそうだけれども、意欲的なプログラムが好評で、今日も結構客の入りは良い。この日のお目当てはどうもニールセンのようで、前座の「英雄」は指揮者もオケもあんまり乗っていない感じがした。隣の席のオジサンは「英雄」の間は寝ていたが、ニールセンになると乗り出して聴いていて、曲が終わるとブラボー!と叫んでいた。確かにニールセンの方が演奏者も力が入っていた感じだった。初めて聴いたにしては楽しめたが、やっぱりこういう切れ目の無い曲は自分にとってはテンションのバランスがうまくとれないので困る。
1999.6.22(火)(7:00pm)
都民名曲サロンシリーズ
会場:新宿文化センター 大ホール
指揮:ガリー・ベルティーニ
ソプラノ:小濱妙美、メゾ・ソプラノ:竹本節子、テノール:佐野成宏、バリトン:福島明也
合唱:二期会合唱団、新宿文化センター開館20周年記念合唱団
合唱指揮:郡司博
管弦楽:東京都交響楽団
コンサートマスター:矢部達哉
ヴェルディ/レクイエム
(料金:指定席=2500円)1階13列12番
コメント:
 1階のこれほどステージに近い席に座るのもめずらしいこと。ただし、合唱曲ということもあって、もうちょっと後ろの方が音響的にはいいのかもしれない。合唱団はほとんどがアマチュアの公募によるもの。350人の大合唱団で、それだけにちょっとものたりないかも。まあこのサロンシリーズは安価にクラシックを楽しんでもらおうという趣旨なので多少の技術の善し悪しは言わない方がいいかも。ところでこの日の演奏、終演後、ステージのライトが落ちてもなかなかオーケストラが解散しない。そのうちマエストロも戻ってきてなにやら話し合っている。実は録音が失敗したため、最後の部分を録りなおすことになったらしい。思わぬアンコールが聴けて聴衆は大喜びだった。
1999.6.18 (金) 7:00pm
イタリア コンサート・シリーズ
第4夜「ジョルジア・トマッシ ピアノ・リサイタル」
会場:紀尾井ホール
曲目:
ショパン/夜想曲 第17番 ロ長調
    /夜想曲 第18番 ホ長調
    /バラード 第1番 ト短調
    /バラード 第2番 ヘ長調
    /バラード 第3番 変イ長調
    /バラード 第4番 ヘ短調
リスト/ピアノ・ソナタ ロ短調
(アンコール2曲)
(料金:A席=2000円)2階C7列15番
コメント:
 ジョルジア・トマッシは92年ルービンシュタイン国際ピアノコンクール優勝の29歳の女性。非常に美しい方である。ただ、自分の体調不良で半分くらいは眠ってしまった。非常に指が長いのが印象的だった。リストよりもショパンの方が良かったと思う。
1999.6.12 (土) 2:00pm
横浜みなとみらいホールオープニングイヤー記念講演
<日本のオーケストラシリーズ・9>
会場:横浜みなとみらいホール 大ホール
指揮:ガリー・ベルティーニ
ヴァイオリン:矢部達哉
曲目:
モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調K.218「軍隊」
マーラー/交響曲第5番 嬰ハ短調
(料金:C席=3000円)2階P4列6番
コメント:
 昨年オープンした横浜みなとみらいホールは、サントリーホール同様のワイン・ヤード式のホールで、今回の席はステージ裏のP席。この席は合唱団席として使えるように椅子が折り畳み式ではなく、ひじかけもない。パイプオルガンの演奏席が間近に見える。
 さて、今日の第1曲目は都響ソロ・コンサートマスターの矢部達哉さんがソリストとして登場。N響の堀さんの時も感じたとおり、いつもコンサートマスターをやっている人がソリストをやる場合、ソリストがどうしてもコンサートマスターの気分が抜けきれずに個性を発揮しきれないように感じる。
 マーラーの5番は、ナマで聴くのは初めてだが、さすがにすばらしい演奏。登場の時に指揮者がつまづいたり、第1楽章の途中で首席第2ヴァイオリンの弦が切れたりというハプニングはあったものの、ベルティーニ氏の得意のマーラーとあって堪能させてくれた。
1999.6.11 (金) 7:00pm
第1382回「NHK交響楽団定期公演Aプログラム」
〜海外にポジションを持つ日本人若手指揮者シリーズ〜
会場:NHKホール
指揮:大植英次(ミネソタ管弦楽団音楽監督)
ピアノ:イヴァン・モラヴェツ
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:篠崎史記
曲目:
糀場富美子/広島レクイエム(1985)
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番 ト長調作品58
ブラームス/交響曲第1番 ハ短調作品68
(料金:E席=1520円)
コメント:
 ソリストがリチャード・グード氏病気のためイヴァン・モラヴェツ氏に変更に。広島レクイエムはそれほどひどくはないけれども、不協和音中心の曲で私にはよくわからなかった。ベートーヴェンは曲としてはわりと地味な曲で、ピアノはすばらしいと思うが、いまひとつぴんとこない。ブラームスはさすがN響、素晴らしい演奏。
1999.6.3 (木) 7:00pm
アンドレ・ワッツ ピアノ・リサイタル
会場:サントリーホール 大ホール
スカルラッティ/鍵盤楽器のための3つのソナタ
  イ長調L.345、ヘ短調L.187、イ長調L.391
モーツァルト/ロンド イ短調K.511
ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ 第23番ヘ短調作品57「熱情」
ショパン/幻想曲 ヘ短調作品49
    /ノクターン 嬰ハ短調作品27−1
    /ノクターン ト短調作品37−1
    /ノクターン ハ短調作品48−1
    /バラード 第1番ト短調作品23
(アンコール:リスト/夢の中) (料金:C席=4000円) 2階LA4列2番
コメント:
 ロレックス主催の時の記念日コンサート。ショパン没後150年ということでショパン中心のプログラム。開演前に対面の客席の人たちが全員立ち上がったので、要人のお着きと双眼鏡で覗いてみたら、三笠宮ご夫妻だった。アンドレ・ワッツのピアノは相変わらず繊細にして大胆、華麗にして豪快な演奏。恰幅の良い体躯をゆさぶりながらの熱演で、ショパンもリストのような激しさだった。ただ、椅子がきしんでいたのが惜しまれる。
1999.6.3 (木) 7:00pm
ヨハン・シュトラウス没後100年メモリアルコンサート
会場:かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
指揮・お話:小林研一郎
ソプラノ:西野薫*、ツィター:河野直人**
管弦楽:東京交響楽団
コンサートマスター:大谷康子
曲目:
ヨハン・シュトラウス2世/ 春の声 作品410*
皇帝円舞曲 作品437
ピッツィカート・ポルカ
アンネンポルカ 作品117
ウィーンの森の物語 作品325**
(アンコール:アントン・カラス/第三の男)
喜歌劇「こうもり」より
 序曲
 侯爵様、あなたのようなお方は*
 チャールダッシュ*
(アンコール)
ポルカ「狩」作品373
トリッチ・トラッチ・ポルカ 作品214
雷鳴と稲妻 作品324
美しく青きドナウ 作品314
(アンコール:ラデツキー行進曲)
(料金:B席=2000円) 2階R2列27番
コメント:
 ウィーンと姉妹都市にある、葛飾でのシュトラウス2世メモリアルコンサート。普段は寡黙な指揮者が一曲ごとに解説を加えるという楽しいコンサート。「狩」では銃が撃たれ、雷鳴と稲妻では楽団員が傘を差して客席まで降りるというパフォーマンス。シュトラウスのワルツは畏まって聴くよりも、こうしたコンサートの方が似つかわしい。しかし、客の入りはいまひとつ。2階席などはがらがらだったが、係りの女性は、その空いている席に座る観衆のルール違反が許せないらしく、次々と追い立てていた。しかし、混雑しているのならいざ知らず、どうせあんなにがらがらなのだから多少席を移ったとて、それほど迷惑ともならないだろう。こういう気楽なコンサートだっただけに、係の融通の無さが惜しまれるコンサートだった。
1999.6.2 (水) 7:00pm
立教大学交響楽団 東京演奏会
会場:東京芸術劇場大ホール
指揮:時任康文
曲目:
ヴェルディ/歌劇「ナブッコ」序曲
グノー/歌劇「ファウスト」バレエ音楽
ドヴォルザーク/交響曲第8番 ト長調作品88
(アンコール:J.シュトラウス2世/狩りのポルカ)
(料金:全席指定=1000円) 2階K列22番
コメント:
 やはり管楽器が弱い。特にドヴォルザークは先日都響を聴いたばかりなので、よけいにあらが目立ってしまった。弦楽器も最初はあまり合っていなかったが、ファウストの途中ぐらいになってようやくよくなってきた感じだ。まあ、アマチュアの場合、演奏の善し悪し以上に音楽を楽しむことのほうが重要だと思う。
1999.5.30 (日) 2:00pm
都民名曲サロンシリーズ
会場:ルネこだいら 大ホール
指揮:現田茂夫
フルート:山形由美
管弦楽:新星日本交響楽団
コンサートマスター:三浦章広
曲目:
モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲
モーツァルト/フルート協奏曲第2番 ニ長調
ブラームス/交響曲第1番 ハ短調
(アンコール:モーツァルト/ディヴェルティメントK.136 より第3楽章)
(料金:B席=2800円) 2階2M列23番
コメント:
 今日で4日連続のコンサート巡りとなったが、今回はフルートの山形由美が目玉。しかしそれほど印象的ではなかった。デビューの頃大きく騒がれただけに最近はあまりぱっとしない様子。モーツァルトくらいは暗譜でやってほしいところ。新星日響は自主運営という厳しさもあって若手主体のオーケストラだが、そのわりにはブラームスもしっかりとした演奏だった。
1999.5.29 (土) 6:00pm
東京文化会館リニューアル記念コンサート
会場:東京文化会館 大ホール
指揮:小泉和裕
ソプラノ:平松英子、アルト:寺谷千枝子
管弦楽:東京都交響楽団
合唱:東京文化会館リニューアル記念復活合唱団、合唱指導:阿部純
曲目:
マーラー/交響曲第2番 ハ短調「復活」
(料金:C席=1500円) 4階L2列20番
コメント:
 東京文化会館のリニューアル後初のコンサートは都響によるマーラーの「復活」。250人の市民合唱団と100人のオーケストラがステージに上る。1時間半近くの演奏で演奏するほうも聴くほうも大変である。新装なったとはいえ、エレベーターもないので4階や5階席まで階段を上るしかないので、結構杖をついた人も多く見かけたので大変そうだった。4階の左側の席だったのだが、視角を確保するために座席を高くしてあるため、足元に足掛けを設置したことから、座っている人のいる席を通って空いている席に座るのは相当厳しい。改装前の文化会館は知らないが、座席についてはあまり改善されていないのかもしれない。駅に近いのが一番の利点だったりして。
1999.5.28 (金) 7:00pm
第1381回「NHK交響楽団定期公演Cプログラム」
会場:NHKホール
指揮:アンドレ・プレヴィン
ヴァイオリン:堀正文
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:篠崎史記
曲目:
モーツァルト/ディヴェルティメント ニ長調K.251
モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調K.216
モーツァルト/交響曲第38番 ニ長調K.504「プラハ」
(料金:E席=1520円)
コメント:
 プレヴィン・フェスティバルの最後を飾るのは、やはりモーツァルトである。さすがにファンも知っていて、この日は自由席もかなり人が入っていた。といっても、今回もちょっと地味なプログラム。ソリストもN響ソロ・コンサートマスターの堀さんである。やはりオーケストラのコンサートマスターとソリストというのは、かなり性格が両極端だと思う。堀さんのソロ、確かにテクニック的にはすばらしいのだけれどもぐいぐいと聴衆を引き込んでゆくという「華」がないように感じた。
1999.5.27 (木) 7:00pm
シュトゥットガルト室内管弦楽団
会場:東京芸術劇場 大ホール
第1コンサートマスター:ベンジャミン・ハドソン、第2コンサートマスター:ウォルフガング・クスマウル、フルート:アンドレアス・シュミット*
曲目:
グリーグ/「ホルベアの時代より」作品40
バッハ/G線上のアリア
モーツァルト/アイネ・クライネ・ナハトムジーク
ヴィヴァルディ/ヴァイオリン協奏曲集「四季」より”冬”
バッハ/管弦楽組曲第2番 ロ短調BWV1067*
(アンコール:バッハ/管弦楽組曲第2番 ロ短調BWV1067 より バディネリ)
(アンコール:モーツァルト/サセッション・シンフォニーよりアンダンテ)
(料金:B席=4000円) 3階J列44番
コメント:
 この楽団は、やはりバッハを中心としたレパートリーが十八番なのだろう。アイネクライネはちょっと元気すぎたし、四季はバランスが悪く感じた。一番良かったのはバッハの管弦楽組曲第2番である。こうした室内楽団のプログラムはいつも似たり寄ったりになってしまうのは、興業上しかたのないことかもしれないけれども、本来のそのオーケストラの特色を打ち出したプログラムをもっとやるべきなのではとも思う。
1999.5.22 (土) 6:00pm
さくらカード 都響プロムナードコンサートNo.279
会場:サントリーホール 大ホール
指揮:三石精一
ヴァイオリン/ニコライ・サチェンコ
演奏:東京都交響楽団
曲目:
ドヴォルザーク/交響曲第8番ト長調 作品88「イギリス」
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調作品35
チャイコフスキー/祝典序曲「1812年」作品49
(料金:B席=4000円)2階LA2列14番
コメント:
 ドヴォルザークの8番は前に聴いたときにはそれほどいいとは思わなかったが、今回は非常に良かった。演奏によって印象は随分変わるのか、それとも自分が変わったのか。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲はチャイコフスキーコンクール優勝のニコライ・サチェンコがソリストで登場。ものすごい熱演でこの曲がいかにエネルギーを使うものかがよくわかる。ただ、ちょっとオーケストラとあっていなかったように感じた。
1999.5.19 (水) 7:00pm
第1380回「NHK交響楽団定期公演Bプログラム」
会場:サントリーホール 大ホール
指揮:アンドレ・プレヴィン
ソプラノ:ハロリン・ブラックウェル、ピアノ:アンドレ・プレヴィン*、ドラムス:大阪昌彦*、ベース:佐瀬正*
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:堀正文
曲目:
プレヴィン/「ハニー・アンド・ルー」*(詩:トニ・モリスン)
プレヴィン/ヴォカリーズ
ヴォーン・ウィリアムズ/交響曲第5番 ニ長調
(料金:B席=5810円)RA03列16番
コメント:
 N響B定期はプレヴィンの自作自演。ハニー・アンド・ルーは自らピアノを弾きながらの指揮。そのピアノはベーゼンドルファー。また今回もヨーロッパから運んだのだろうか。その曲はクラシックとジャズの融合といったところ。次のヴォカリーズはヨーヨー・マのために作られた曲で、チェロのパートはN響の藤森さんが演奏。短いながら味わい深い曲だった。休憩の後のヴォーン・ウィリアムズもなかなかいい曲だった。隣の席のひとがスコアをめくりながら聞いているのでちょっと耳障りだったのが残念。(この人、確かスヴェトラーノフの「田園」の時もいたような気がする。いつもスコアを見ながら聞いているのだろうか?)とにかく、今月のN響はオーチャード定期、プレヴィンとN響の仲間たちも含めて合計8回にわたる演奏会でまさにプレヴィン月間。曲目も自作自演からモーツァルトまで幅広く、ファンにはたまらない1カ月である。さて、来週のモーツァルトが楽しみだ。
1999.5.16 (日) 2:00pm
モーツァルト・アンサンブル・オーケストラ 第15回定期演奏会
会場:カザルスホール
指揮:藤原義章
曲目:
モーツァルト/アヴェ・ヴェルム・コルプス
シューベルト/交響曲第5番 変ロ長調D.485
武満徹/弦楽のためのレクイエム
ワーグナー/ジークフリート牧歌
モーツァルト/交響曲第40番 ト短調K.550
(アンコール:J.シュトラウス/ウィーンの森の物語)
(料金:全席自由2000円)
コメント:
 チューニングの前にいきなりアヴェ・ヴェルム・コルプスの演奏から始まる。スタートの印象はアマチュアとしてはかなりレベルの高い演奏という印象。しかしアマチュアがアンコールなどをあわせて6曲も演奏するというのはやっぱりちょっと背伸びしすぎなのでは。プロでも長い曲を1曲演奏するより短い曲を何曲も演奏する方が難しいという。休憩をはさんでワーグナーのあたりから弦楽器のチューニングがずれはじめ、ホルンなども調子はずれの音が増えてくる。せっかく技量のあるアンサンブルなのに惜しまれるところだ。
 カザルスホールは初めていったのだが、駅からも近く、こじんまりとしていいホールで、たぶん三鷹のホールなどもここを参考にしているのではないかと感じた。いろいろと経営難が言われているけれどもがんばってほしい。
1999.5.15 (土) 4:00pm
第18回声楽&ピアノ フレッシュ・コンサート
会場:新宿文化センター 大ホール
第1部 声楽「リート」
西 由紀子:ソプラノ(第67回日本音楽コンクール 声楽部門第2位)
 A.ベルク/「7つの初期の歌」より
        第3曲「ナイチンゲール」(詩:T.シュトルム)
        第4曲「無上の夢」(詩:R.M.リルケ)
        第6曲「愛の賛歌」(詩:O.E.ハルトレーベン)
野田 浩子:ソプラノ(東京国際声楽コンペティション98第1位)
 G.プッチーニ/太陽と愛(詩:G.プッチーニ)
         大地と海(詩:E.パンツァッキ)
         死とは?(詩:G.アダーミ)
         そして小鳥は(詩:R.フチーニ)
砂川 涼子:ソプラノ(第34回日伊声楽コンコルソ第1位)
 G.ロッシーニ/見捨てられし魂(詩:G.ヴィターリ)
         饗宴(詩:ペーポリ)

第2部 ピアノ
松本 和将(第67回日本音楽コンクール ピアノ部門第1位)
 F.リスト/ピアノ・ソナタ ロ短調
寺田 智子(第14回ヴィオッティ・ヴァルセージア国際音楽コンクールピアノ部門第2位)
 C.ドビュッシー/映像第1集より「水の反映」「ラモーを讃えて」「運動」
 F.ショパン/幻想曲 ヘ短調作品49

第3部 声楽「オペラアリア」
西 由紀子
 W.A.モーツァルト/歌劇「魔笛」より”愛の喜びは露と消え”
 G.ヴェルディ/歌劇「リゴレット」より”慕わしき御名”
野田 浩子
 J.マスネ/歌劇「エロディアード」より”彼は優しい人”
 G.プッチーニ/歌劇「蝶々夫人」より”ある晴れた日に”
砂川 涼子
 V.ベッリーニ/歌劇「海賊」より”その汚れない微笑みと”
(料金:全席自由1000円)
コメント:
 リートではちょっと冴えない印象だった西由紀子がオペラアリアでは感情表現がよく出ていて良かった。野田浩子は両方とも良かった。砂川涼子はリートの方がよかったという印象。
 ピアノの松本和将はちょっと雑な印象。若さが力みになった印象。対して寺田智子は表現力豊かでよかった。腕の筋肉がすごい。
 しかし、こういったコンサートでは、演奏途中で平気で出入りする観客がいるのが困ったものだ。お目当ての人だけを聞きたいということなのか、とにかくマナーが悪すぎる。


1999.5.13 (木) 7:00pm
第1379回「NHK交響楽団定期公演Aプログラム」
会場:NHKホール
指揮:アンドレ・プレヴィン
ソプラノ:シェリー・グリーナヴァルト、メゾ・ソプラノ:ロバータ・アレキサンダー、テノール:アンソニー・ディーン・グリフィー
少年合唱:東京少年少女合唱隊(合唱指導:長谷川冴子)
合唱:東京芸術大学(合唱指導:田中信昭)
合唱指導:ジョン・オリヴァー
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:山口裕之
曲目:
ベートーヴェン/交響曲第4番 変ロ長調作品60
ブリテン/春の交響曲 作品44(字幕付き、字幕:平野昭)
(料金:E席1520円)
コメント:
 お待ちかね、アンドレ・プレヴィン登場。その幕開けはベートーヴェンの交響曲の中でも地味な4番。編成も小さく、室内楽のような雰囲気の曲。「英雄」や「運命」のような壮大なドラマ性はないが、時にはモーツァルトのような、またハイドンのような軽やかさの中にベートーヴェンの独特の旋律がクロスする。プレヴィンの指揮はピアニッシモからフォルテッシモまで自在にオーケストラという楽器を奏でる名演奏家。そのバランスがすごい。
 ブリテンの春の交響曲は一転して混声合唱に少年合唱まで入ってステージの上は満杯である。ソリストも良い。特に昨年に引き続きプレヴィンと共演のロバータ・アレキサンダーの歌が素晴らしい。曲自体はちょっとごった煮風でまとまりのない感じだが、プレヴィンの手にかかると、音がきらきらと輝いてくる。今回のプレヴィンのプログラムは戦争と平和ということを意識しているような気もする。次の定期も楽しみだ。
1999.4.29 (木祝) 11:00am
サントリーホール パイプオルガン レクチャーコンサート バッハシリーズ1999-2001
バッハを育てた先達たち 1.イタリアの作曲家とバッハ
会場:サントリーホール
おはなし:金澤正剛、オルガン:水野均
曲目:
フレスコバルディ/トッカータ第5番
パスクイーニ/「フォリア」によるパルティータ
フレスコバルディ/使徒書簡の後のカンツォーン(「音楽の花束」/「聖母のミサ」から)
J.S.バッハ/カンツォーナ ニ短調 BWV588
       /協奏曲 イ短調BWV.593(原曲/ヴィヴァルディ)
       /トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調BWV.564
(料金:指定2000円)
コメント:
サントリーホール主催のレクチャー付きコンサート。前半50分は講師によるレクチャーで後半50分が演奏という形式。ただ、講師が大学教授ということで内容がちょっと専門的。結構子供連れの観客もいたので、この部分がしんどいと思う。ただ、実際に曲を聴いてみると、バッハ以前の曲はかなり単純な作品で、バッハの作品がいかにきらびやかな音色を持っているかがよくわかった。フランスのシャンソン(歌)がイタリアに入ってカンツォーン、カンツォーナ、カンツォーネとなり、この時代はむしろ器楽曲になったという解説は興味深かった。
協奏曲はヴィヴァルディの協奏曲集「調和の幻想」のなかの「2つのヴァイオリンのための協奏曲 イ短調作品3-8」をオルガン用に編曲したもので、バッハがイタリア様式の3部形式に踏み込むきっかけとなった作品ということで、いかにもヴィヴァルディらしい明るい響きがベースに流れつつもしっかりとバッハの作品になっている。
トッカータ、アダージョとフーガは北ドイツの伝統的な様式と新しいイタリア様式が融合された作品で、トッカータではこれでもかというくらいに技巧の数々を見せつける。足のペダルだけで弾く箇所があり、聴衆がオルガンが両手両足をつかって演奏する楽器であることをはっきり知らせるというパフォーマンスも見事である。
1999.4.25 (日) 2:00pm
第278回「都響プロムナードコンサート」
会場:サントリーホール
指揮:ジャン・フルネ
イングリッシュ・ホルン:ミリアム・ジェイクス
曲目:
ラロ/歌劇「イスの王様」序曲
イヴォン(デ・ブリーゲル編曲)/イングリッシュ・ホルン協奏曲(世界初演)
ベルリオーズ/幻想交響曲 作品14
(アンコール:ロッシーニ/「ウィリアム・テル」序曲)
(料金:P席1500円)
コメント:
イングリッシュ・ホルンとオーボエ中心のプログラム。「イスの王様」は序曲としては結構長い。管楽器が目立つ作品。次のイングリッシュ・ホルン協奏曲はもともとイヴォンのイングリッシュ・ホルンとピアノのためのソナタをヘンク・デ・ブリーゲルが弦楽器とホルンの簡素な管弦楽編成に編曲したもの。チャーミングな作品。
 幻想交響曲はイメージとしては、かの有名なテーマが映画などでおどろおどろしい効果音に転じて使われているが、どちらかというと華麗で華やかな曲である。情熱的な第1楽章、軽やかで美しいワルツの第2楽章、ベルリオーズの田園と称される第3楽章は後半2台のティンパニによってとどろく雷鳴が恐ろしいと言うよりはむしろ勇壮である。第4楽章の断頭台への行進はテーマの割には明るい響き。第5楽章は狂乱のロンドでクライマックスに至る。青春の悲劇と言うよりも楽観的な明るさを感じる曲でジャン・フルネのタクトに若い女性のコンサート・マスターがこのオーケストラの若々しい響きを付加していた。イングリッシュ・ホルンは前曲のソリスト、ミリアム・ジェイクスおばさまが担当、3楽章のオーボエのバンダとの角笛のやりとりを吹いた。第4楽章でも、トランペット(だと思うが、P席なのでよくわからなかった)のおじさんが途中で舞台の袖に消えていってバンダで吹いていた。これほどの演奏なのに、観客がちょっと少なかったのは寂しい。しかし演奏終了後の拍手の量は満員の時と変わらぬものがあった。
1999.4.21(水) 6:30pm
オペレッタ「こうもり」(全3幕・日本語上演)
会場:新国立劇場・オペラ劇場
芸術監督:畑中良輔、作曲:ヨハン・シュトラウス二世、原作アンリ・メイヤック/ルドヴィック・アレヴィ、原台本:カール・ハフナー/リヒャルト・ジュネー、訳詞:滝弘太郎、指揮:北原幸男、台本・演出:寺崎裕則、ステージング:藤代暁子、振付:横井茂/新井雅子、舞台美術:川口直次、照明:奥畑康夫、衣装スーパーバイザー:畑野一恵、合唱指揮:榊原徹、舞台監督:菅原多敢弘、副指揮:上野雅弘/角岳史、演出助手:米澤建冶
合唱:新国立劇場合唱団
バレエ:東京バレエグループ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
出演:
アイゼンシュタイン:近藤誠伸(テノール)
ロザリンデ:松本美和子(ソプラノ)
アデーレ:塩田美奈子(ソプラノ)
アルフレート:錦織健(テノール)
フランク:小川裕二(バリトン)
ファルケ博士:小栗純一(バリトン)
オルロフスキー:太刀川昭(カウンターテノール)
ブリント博士:筒井修平(バス)
イーダ(特別出演):草刈民代(バレリーナ)
フロッシュ:川端槇二(俳優)
ミーシャ:服部絵理香
バレエソリスト:李波
(料金:Z席1500円)
コメント:
 新国立劇場当日発売のZ席の存在もだんだん知れ渡ってきたようで、少なくとも9時前には並ばないと入手できない。前は9時半にならないと入館できなかったので屋外で待たなければいけなかったのだが、4月から7時半から入館できるようになったということで、これくらいの時間には並ばないとチケットは難しい。限定58席、しかも、舞台がよく見えない席だが、1500円なら仕方のないところか。劇場の担当者も見えない席の存在については設計が30年前ということや消防などいろいろな規制で席数を確保しなければならないことなどをあげて認めていた。
 さて、舞台の方は日本語上演とあって時事ネタを豊富に盛り込んだ内容で、このへんはオペレッタとしてのノリのようだ。特別出演としてバレエの草刈民代が出演ということもあって、「美しく青きドナウ」でバレエを披露。そのほかにも「稲妻と雷鳴」「ピッチカート・ポルカ」などヨハン・シュトラウスの有名曲が挿入される。ロシアの亡命貴族オルロフスキー約にはカウンタ・テナーが当てられるらしく太刀川昭が担当。ダブルキャストの二日目の方はソプラノの女性が担当している。ということはかなりキャストによって雰囲気が違うかもしれない。
 しかし、6時半に始まって終了は10時15分という長丁場、内容からするとちょっと長すぎるきらいも。前回カルメンを観たときはそれほど長いとも感じなかったからこうもりというオペレッタは本来もうちょっと短いのではないかと思う。作品の内容に合わせた時間配分が必要なのではないか。
1999.4.18(日) 2:00pm
演劇「マスタークラス」
会場:銀座セゾン劇場
作:テレンス・マクナリー、訳:黒田絵美子、演出:サミー・ダラス・ベイズ、美術:朝倉摂、照明:沢田祐二、衣装:烏丸軍雪、音響:深川定次、音楽監督:笠松泰洋、ヘアー・メイク:松田孝一、特殊メイク:江川悦子:演出補・舞台監督:本城義明、製作:松井珠美/田中希世子
配役
マリア・カラス:黒柳徹子
シャロン(ソプラノ):林正子
ソフィー(ソプラノ):永石菊乃
トニー(テノール):山本義人
マニー(伴奏者):笠松泰洋
道具係:田端宗寿
上演時間:約2時間
(料金:A席6000円)
コメント:
 演劇ではあるけれども、オペラファンには楽しい内容。実際のオペラ歌手が出演している。マリア・カラスの音楽授業の形をとりながら、カラスの過去の回想へとさかのぼっていく。観客も「マスター・クラス」の参加者と位置づけられており、遅れてくる観客もタイミング良く入場させて舞台の参加者としてうまく利用している。
 黒柳徹子は最初声の調子がかなり悪い様子できつそうだったが、休憩後はかなり良くなってきていた。そういう声の出ない状態で演じていることが、かえってカラスのプロ意識と肉体の衰えを表す効果となっていた。前半の回想シーンではちょっと中だるみも見せたが、後半になるとどんどん引き込まれてラストシーンでカラスが芸術というものについての信条を吐露する部分では涙が出てしまった。人間が生きる上で必須のものではない”芸術”、でもそれに全生命を賭けるというのはどういうことなのか、生きるというのはどういうことなのか、それがこの舞台のテーマであった。
公演予定:
〜5月9日(日)東京公演/銀座セゾン劇場
5月13日(木)〜5月16日(日)福岡公演/福岡市民会館
5月20日(木)〜5月30日(日)大阪公演/シアター・ドラマシティ
6月3日(木)〜6月4日(金)名古屋公演/名古屋市市民会館中ホール
6月10日(木)〜6月13日(日)新潟公演/りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館
1999.4.15(木) 7:00pm
第1378回「NHK交響楽団定期公演Bプログラム」
会場:サントリーホール
指揮:シャルル・デュトワ
筝・十七絃筝・ツェン(中国筝):沢井一恵
ヴァイオリン:渡辺玲子
コンサートマスター:堀正文
曲目:
グバイドゥーリナ/イン・ザ・シャドー・オブ・ザ・トゥリー
   〜3つの琴と筝とオーケストラのための〜(N響委嘱作・世界初演)
バーバー/ヴァイオリン協奏曲作品14
プロコフィエフ/交響曲第5番 変ロ長調作品100
(料金:B席5810円)
コメント:
 今月のデュトワ・プログラムは長い。今日も9時を回ってしまった。そのプログラムはN響のアメリカ公演プログラム。グバイドゥーリナのN響委嘱作は3台の筝を沢井一恵が演奏。しかし、例によって現代音楽は心地よい響きがない。筝をガラス瓶でこすったり、ヴァイオリンの弓で弾いてみたりと忙しいが、曲としてはキワモノという印象が強い。
 バーバーのバイオリン協奏曲は美しい作品。渡辺玲子が背中の大きく開いたドレスで登場。きゃしゃな体躯で正確な演奏といった印象。諏訪内晶子などはよく見るとけっこう腕に筋肉がついているのだ。この曲はアメリカ公演ではパールマンが弾くらしい。
 プロコフィエフの交響曲は退屈な曲。ひたすら早く終わらないかなと思って聴いていた。結構そういう気持ちで聴いていた人もいたらしく、周りでも腕時計を見る姿がちらほら。演奏が終わってからブラボーの声もかからなかった。
1999.4.11(日) 2:00pm
東京都交響楽団 東京芸術劇場シリーズNo.46
「作曲家の肖像Vol.30 ラヴェル」
会場:東京芸術劇場
指揮:ジャン・フルネ
ピアノ:横山幸雄
コンサートマスター:矢部達哉
曲目:
 スペイン狂詩曲
 左手のためのピアノ協奏曲
 組曲「マ・メール・ロワ」
 ボレロ
(料金:C席2800円)
コメント:
 前売り時には売り切れていたはずのC席が当日券で入手できた。まずスペイン狂詩曲だが、本格的な管弦楽曲としては最初の物だというが、最初の曲がその作家の後の作品を象徴しているということからすれば、確かにラヴェルの管楽器を使いこなすうまさが良く出ている。左手のためのピアノ協奏曲は見ていると非常に不自然なのだが、やはり右手を失ったピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタインの依頼によって作られたのだという。マ・メール・ロワとボレロはおなじみの曲であるが、オーケストラの演奏を実際に目で見てみると、いろいろな楽器が役割を次々と交代させて演奏されていく様が見られて面白い。ジャン・フルネと都響のコンビネーションもぴったりあって、(ちょっとホルンの失敗はあったけれども)素晴らしい演奏だった。
1999.4.8(木) 7:00pm
第1377回「NHK交響楽団定期公演Aプログラム」
会場:NHKホール
指揮:シャルル・デュトワ
ヴァイオリン:シャンタル・ジュイエ
コンサートマスター:山口裕之
曲目:
バッハ(ストコフスキー)/トッカータとフーガ ニ短調BWV.565
ストラヴィンスキー/ヴァイオリン協奏曲 ニ調
マーラー/交響曲第1番 ニ長調「巨人」
(料金:E席1520円)
コメント:
 今日はニ調の曲特集。第1交響曲はその作曲家のすべての要素が含まれているとはよく言われるが、マーラーの「巨人」もその後のマーラーの交響曲の要素、明るさの中に忍び寄る死の思いが色濃く出ている。4楽章の形式でありながら、第4楽章が30分以上あるという構成もすでにこの曲に表れている。「巨人」を聴くのは初めてで、もともとマーラーは食わず嫌いで、やけに長い作品という印象だけだったのだが、やはり多くの人に支持されている作品は良い曲であることが多い。曲の演出として面白かったのは最初トランペットがバンダで吹いていて、1楽章の途中からステージにあがってくる。なんだ、あいつら、遅刻している、とは言わないように。ティンパニが2台あって、3楽章までは百瀬さんばかりが弾いていて久保さんはずっと調律ばかりしている。(オーケストラが大音量で鳴っているときによく調律できるものだ)いつ出番が来るのかと見ていたら第4楽章にはいると選手交代とばかりに久保さんのティンパニが大音量で鳴る。二種類のティンパニを使いわけて曲想を変えているという作曲者の意図がはっきりわかった。
 一方ストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲は弦楽器は小編成で管楽器主体の編成になっており、ヴァイオリンがメインというよりは管楽器の引き立て役といった趣の曲である。自分としてはあまり好きな曲ではない。
1999.4.2(金) 7:00pm
第1376回「NHK交響楽団定期公演Cプログラム」
会場:NHKホール
指揮:シャルル・デュトワ
ピアノ:児玉麻里、児玉桃
コンサートマスター:篠崎史紀
曲目:
ストラヴィンスキー/ディヴェルトメント〜バレエ音楽「よう精のくちづけ」より
プーランク/2台のピアノのための協奏曲 ニ短調
ラフマニノフ/交響的舞曲 作品45
ラヴェル/バレエ音楽「ラ・ヴァルス」
(料金:E席1520円)
コメント:
 ひさびさのN響定期。今月のデュトワは比較的新しい曲中心である。今日の曲もすべて初めて聴く曲だった。ストラヴィンスキーのディヴェルトメントはホルンがピアニッシモを吹くところで緊張。なかなか大変な曲だ。プーランクの協奏曲は打楽器が一人なのだが、何役もこなさなくてはならず、大変。ラフマニノフはモーツァルトのオマージュ。でもわざわざ形を崩そうとしている感じ。ラヴェルの「ラ・ヴァルス」もシュトラウスのワルツを意識したような曲でどちらかというとパロディといった印象。総じて部分的には美しい旋律で酔わせてくれる場面もあるが、全体としてはまとまりのない印象だった。
1999.3.27(土) 7:00pm
第487回都響定期演奏会
会場:サントリーホール大ホール
指揮:エリアフ・インバル
メゾ・ソプラノ*:寺谷千枝子、ソプラノ(ジークリンデ):緑川まり、テノール(ジークムント):田中誠、バス(フンディング):戸山俊樹
コンサートマスター:潘寅林(パン・インリン)
管弦楽:東京都交響楽団
曲目:
ワーグナー/ヴェーゼンドンクによる5つの詩
ワーグナー/楽劇「ヴァルキューレ」第1幕(演奏会形式)
(料金:P席2200円)
コメント:
 今年の都響の目玉は3回にわたって「ヴァルキューレ」を演奏会形式で演奏することだろう。ユダヤ人であるインバル氏がワーグナーを指揮するということも意義深いと思う。しかし、同一のオーケストラが指揮者によってこうまで音色が変わるというのも面白い。表情豊かな素晴らしい音色だった。インバル氏はときおりメロディを口ずさみながら指揮をしていた。演奏終了後の拍手がすごい。そしてブラボーの嵐。今月で退団するコンサートマスターのパン・インリン氏とヴィオラ、ヴァイオリン奏者に花束が送られ、インバル氏が緑川まりさんに教えてもらって、「3人が今日で退団します」と日本語で紹介していた。このプログラムは28日も午後2時開演で演奏される。
1999.3.20(土) 6:00pm
NHK交響楽団演奏会
会場:かつしかシンフォニーヒルズ・モーツァルトホール
指揮:大勝秀也
ヴァイオリン:諏訪内晶子
コンサートマスター:篠崎史紀
管弦楽:NHK交響楽団
曲目:
ワーグナー/楽劇「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲と”イゾルデの愛の死”
コルンゴルト/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調作品35
ベートーヴェン/交響曲第7番 イ長調作品92
(アンコール:マスカーニ/「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲)
(料金:B席2500円)
コメント:
 かつしかシンフォニーホールは初めて。客席数約1300の大ホールはモーツァルトの名前を冠しているだけあって明るい雰囲気で好感を持てる。席は向かって右のバルコニー席だったが、オーケストラが丁度眼下にひろがり、見やすい席。第2ヴァイオリンの根津さんが、開演前に客席をデジタルカメラで撮影しているのもわかった。いつも天井桟敷専門なので、オーケストラ全体が見渡せる席でないとストレスを感じてしまう。実はこの席が結果として最高の席だったと気づいたのは、2曲目に諏訪内晶子さんが登場してきたときだった。実は諏訪内さんがヴァイオリンを弾くときの目線が丁度正面になるのだ。双眼鏡で眺めてみると、演奏中の諏訪内さんの眼光はするどく、気弱な指揮者ならば失神してしまうのではないかと思わせるほどだ。もちろん、私を見ているわけではないのだけれども、あんまり双眼鏡で覗いているのも失礼だろうと思い、ほどほどにしていたが、やはりついつい覗いてみたくなるその表情であった。
 さて、そのコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲であるが、初演はハイフェッツによるということで、諏訪内さんはずっとハイフェッツの後をたどっているように思える。映画音楽のような曲であるが、それもそのはず、コルンゴルトはハリウッドで映画音楽を作曲し、2度のオスカーを得ているのだという。曲自体はつぎはぎ的で明確な主題があるわけでもないのだが、ヴァイオリンの見せ場はたっぷり。冒頭のフレーズからいきなり魅せてくれる。N響の面々も安心して合わせているように見える。しかしこの日は前日までの暖かさはどこへやら、急に寒くておまけに雨降りとあって楽器の調子を合わせるのは大変なのではないかと思った。ところで諏訪内さんの衣装なのだが、今まで4回見た中でN響の定期の時以外の3回はみんな同じ、ワインレッドのドレスである。
 ベートーヴェンの7番はのっけからオーボエが引っ張る曲。先月の「オーケストラ人間的楽器学」のコンサート以来、首席オーボエの茂木大輔さんの本を4冊読んですっかり茂木さんに親しみを感じた私はずっと双眼鏡で茂木さんを覗いていたら、なんだかこっちをにらんでいる。気になったのだろうか。去年から立て続けに7番を3回聴いたわけだが、やっぱりN響の演奏が一番良い音だったと思う。改めてNHKホールという大きな入れ物で聴く音の問題点や、といって小さめのホールでは現在のE席1520円という安価な席は作れないということのジレンマを感じてしまう。それから、チケットが完売のはずなのにかなり空席が目立っていたというのも気になるのだが。どっかの政治家が選挙用に配ったりしてるのじゃないかと思ったりした。
1999.3.16(火) 7:00pm
'99都民芸術フェスティバル 
会場:東京芸術劇場大ホール
指揮:沼尻竜典
ピアノ:花房晴美
管弦楽:新星日本交響楽団
曲目:
チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23
チャイコフスキー/交響曲第6番 ロ短調 作品74「悲愴」
(アンコール:チャイコフスキー/「くるみ割り人形」よりトレパーク)
(料金:C席1500円)
コメント:
 新星日響を聴くのは初めてだが、今回はソリストが悪すぎた。間違いも多いし演奏がなんだが雑である。3楽章はもうオーケストラと全く合っていない状態。こんな演奏でもブラボーを叫ぶ人がいたのには驚いた。「悲愴」の方はまあまあだったが、前にドレバンツ指揮N響の素晴らしい演奏を聴いているのでつい比較してしまう。このチャイコフスキーの最後にして最高の交響曲を演奏するには若さが目立つ。といって第3楽章のマーチもドレバンツの方が華やかだったし、オーケストラの力量の差というのか、指揮者の差はかなりあるな、と感じた。
1999.3.12(水) 7:00pm
ミッシャ・マイスキー チェロ・リサイタル
会場:ミューズ アークホール(所沢)
ピアノ:ダリア・ホヴォラ
曲目:
ベートーヴェン/「魔笛」の主題による12の変奏曲 ヘ長調 作品6
ベートーヴェン/チェロ・ソナタ 第1番 ヘ長調 作品5−1
ブラームス/サッフォー頌歌〜”低音のための5つの歌” 作品94−4
ブラームス/調べのように私を通り抜ける〜”低音のための5つの歌”作品105−1
ブラームス/世の人に臨むところのことは獣にも臨む〜”バスのための厳粛な歌”作品121−1
ブラームス/チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調作品38
(アンコール:ラヴェル/カディシュ)
(アンコール:サン=サーンス/白鳥)
(アンコール:デュパルワ/ため息)
(アンコール:成田為三/浜辺の歌)
(料金:B席3000円)
コメント:
 一昨日は三鷹、今日は所沢とコンサートめぐりも楽じゃない。今日は3階バルコニー席ということで身を乗り出さないとステージが見えない。例によってイッセーに身を包んだミッシャ・マイスキーはいつものように素晴らしい演奏を聴かせてくれた。曲はどれも聴いたことのない曲だったのだが、ベートーヴェンよりはブラームスの曲の方がよかったと思う。アンコールを4曲もやってくれて大サービス。やっぱり耳になじんだ「白鳥」がいちばん良かったというのが素直な感想ではあるが、もちろんその他の曲も大いなる表現力で楽しませてくれた。
1999.3.10(水) 7:15pm
茂木大輔のオーケストラ人間的楽器学
第6回「どっちが偉い?」〜コンサートマスターとティンパニ〜
会場:三鷹市芸術文化センター 風のホール
指揮/進行:茂木大輔
ゲスト:篠崎史紀(コンサートマスター)、久保昌一(ティンパニ)
ご案内/アシスタント:福島綾子
管弦楽:人間的楽器学オーケストラ
曲目:
第1部 コンサートマスター
オッフェンバック/「天国と地獄」より
J.シュトラウス/「ピチカート・ポルカ」より
グリーグ/「ホルベアの時代より」より第1曲
J.S.バッハ/「マタイ受難曲」より Erbarme dich
ブラームス/交響曲第1番第2楽章より
チャイコフスキー/「白鳥の湖」より情景4
リムスキー=コルサコフ/交響組曲「ジェヘラザード」第1曲冒頭
ハイドン/協奏交響曲第3楽章
第2部 ティンパニ
ブラームス/交響曲第1番より
J.S.バッハ/管弦楽組曲第3番より Gavott 1
モーツァルト/交響曲第41番「ジュピター」より
ベートーヴェン/交響曲第9番より
ドヴォルジャーク/スラヴ舞曲第9番
ショスタコーヴィチ/交響曲第5番終楽章より
バルトーク/管弦楽のための協奏曲より
ほか
(アンコール:オッフェンバック/「天国と地獄」より)
(料金:指定席3500円)
コメント:
 NHKの首席オーボエ奏者、茂木大輔氏の主催で行われている「大人のためのオーケストラ鑑賞教室」の第6回。こんなに面白い企画ならば前の回も行けば良かったと思っても後の祭り。今年はこれが最後でした。
 第1部はN響コンサートマスター篠崎史紀氏を招いてまず、コンサートマスターがいない場合といる場合を演奏して違いを見る。するとまず音量が違うし、音だしのタイミングがずれてまとまりがない、という状況になってしまう。コンサートマスター一人いるといないとではこれほど違うのかと驚かされた。(多少誇張されている面はあるにしても)今までいろいろなオーケストラを聴いて善し悪しを感じてきたが、もちろん一人一人の力量の差ということもあろうが、コンサートマスターの力の差というものがかなり影響しているのではないかと思い至った。
 第2部は同じくN響の久保昌一氏によるティンパニについて。いままで知らなかったのだがティンパニという楽器は音階を出せるのだそうで、微妙な調整が必要となる。そしてティンパニにとって最も重要なのがバチで、そのうち半数は自作なのだという。バロック時代のバチは木でできており、後世になってフェルトなどで包むようになったのだそうだ。こうした楽器のそれぞれの特徴を知ると、今までなんとなく聴いていた曲も新たな視点で聴くことができて興味深いものだ。とにかく、いつもは最も安い席ばかりで天井桟敷なのだが、今日は前から6列目の真ん中とあって、篠崎さんのボウイングも間近に見られ、楽しいコンサートだった。
1999.3.7 (日) 2:00pm
日本フィル第94回サンデーコンサート
会場:東京芸術劇場
指揮:三原明人
オルガン:井上圭子
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団
曲目:
J.S.バッハ/トッカータとフーガ ニ短調(オルガン独奏)
J.S.バッハ(ストコフスキー編曲)/トッカータとフーガ ニ短調(オーケストラ版)
ヴィエルヌ/太陽への賛歌(オルガン独奏)
エルガー/行進曲「威風堂々」第1番
サン=サーンス/オルガンと管弦楽のための「糸杉と月桂樹」より月桂樹
サン=サーンス/交響曲第3番 ハ短調「オルガン・シンフォニー」
(アンコール:マスカーニ/歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲)
(料金:C席3300円)
コメント:
 今回のコンサートの目玉は東京芸術劇場の回転式2面構造のパイプオルガンの回転パフォーマンス。バッハはルネサンス・バロックタイプで、そのほかの曲はモダンタイプのパイプオルガンでの演奏であった。めずらしさもあってが会場は満員。日本フィルは技術的にはちょっと難があるが、その分、企画のおもしろさで勝負というところ。若い指揮者の演奏で、威風堂々などはもうちょっと重厚さが欲しい感もある。
1999.2.28 (日) 3:00pm
第2回地方都市オーケストラ・フェスティヴァル
会場:すみだトリフォニーホール
指揮:梅田俊明
ピアノ:清水和音
管弦楽:仙台フィルハーモニー管弦楽団
曲目:
ブラームス/ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調作品83
R.シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」作品20
R.シュトラウス/歌劇「ばらの騎士」演奏会用組曲
(アンコール:J.シュトラウス2世/常動曲)
(料金:B席2000円)
 

コメント:
 仙台フィルは若々しい魅力あふれるオーケストラ。ただし今日のプログラムは最初のブラームスが50分という大曲ということもあって、ちょっとバランスが悪い感じ。序曲、協奏曲、交響曲というオーソドックスなコンサートのスタイルは、やはりそれなりの意味があるということだ。今月のN響のスヴェトラーノフプログラムがバランス良く配置されていたので、こういうプログラムがちょっと気になってしまった。


1999.2.27 (土) 2:00pm
第1375回「NHK交響楽団定期公演Cプログラム」
会場:NHKホール
指揮:エフゲーニ・スヴェトラーノフ
ヴァイオリン:加藤知子
コンサートマスター:堀正文
曲目:
チャイコフスキー/幻想序曲「ロメオとジュリエット」
スヴェトラーノフ/詩曲〜ダヴィート・オイストラフの想い出に(1975)
グリンカ/歌劇「ルスランとリュドミーラ」序曲
ムソルグスキー(リムスキー・コルサコフ)/序奏とポロネーズ〜歌劇「ボリス・ゴドノフ」より
リムスキー・コルサコフ/スペイン奇想曲 作品34
ボロディン/ダッタン人(ポーロヴェツ人)の踊り〜歌劇「イーゴリ公」より
(料金:E席1520円)
コメント:
 Cプロはスヴェトラーノフ自作自演も交えたロシア作曲家の小品集。スヴェトラーノフの詩曲はグラズノフの曲にも似たヴァイオリン協奏曲でいかにもロシアの伝統を感じさせる。全体として軽やかなイメージのコンサートだった。
1999.2.17 (水) 7:00pm
第1374回「NHK交響楽団定期公演Bプログラム」
会場:サントリーホール
指揮:エフゲーニ・スヴェトラーノフ
ピアノ:ニコライ・ペドロフ
コンサートマスター:堀正文
曲目:
プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第2番 ト短調作品16
ベートーヴェン/交響曲第6番 ヘ長調作品68「田園」
(料金:B席5810円)
コメント:
 Bプログラムがサントリーホールに移ってからは、自分としては初めてのB定期鑑賞。せっかくのコンサートだが、体調を崩してあまり楽しめなかった。田園はかなり遅いテンポで、ちょっと自分のペースには合わなかった。プロコフィエフのピアノ協奏曲のほうもそれほど楽しめなかった。やっぱり体調で随分印象は違うものだ。ただ、スヴェトラーノフの指揮を間近に観られたのはよかった。
1999.2.11 (木祝) 7:00pm
第1373回「NHK交響楽団定期公演Cプログラム」
会場:NHKホール
指揮:エフゲーニ・スヴェトラーノフ
コンサートマスター:山口裕之
曲目:
マーラー/交響曲第6番 イ短調「悲劇的」
(料金:E席1520円)
コメント:
 昼間、激しく降りしきった雪もようやく止みかけたので、コンサートに出かけた。しかし、この悪天候にもかかわらず、かなり客の入りは良く、特に若い人が多い感じだ。スヴェトラーノフ氏は70歳という年齢を感じさせない演奏であるが、楽章の間に指揮台の前の椅子に座ってしきりに汗を拭いている。相当汗かきなんだろう。曲自体の印象としては長いだけでまとまりの無い曲という程度の感想だが、いろいろな打楽器が活躍するのを見るのは面白い。終演後の観客の拍手は熱気にあふれ、楽団員の表情もなんとなく満足そうな表情に見えた。
1999.2.7 (日) 2:00pm
第277回「都響プロムナードコンサート」
会場:サントリーホール
指揮:大野和士
ピアノ:ジャンルカ・カシオーリ
曲目:
モーツァルト/歌劇「皇帝ティトゥスの慈悲」序曲
モーツァルト/ピアノ協奏曲第26番 ニ長調K.537「戴冠式」
(アンコール:モーツァルト/ピアノ・ソナタ第8番K.310第3楽章)
チャイコフスキー/交響曲第4番 ヘ短調作品36
(アンコール:チャイコフスキー/「エフゲニー・オネイギン」よりポロネーズ)
(料金:P席1500円)
コメント:
 今日の席はP席最前列。大太鼓が目の前だったが、今日のプログラムではチャイコフスキーの第4楽章以外は出番がない。
 さて、注目のピアニスト、ジャンルカ・カシオーリはまだ20歳そこそこ。細っそりした体型にタキシードが大きすぎるような「少年」である。出だしのオーケストラのパートでも鍵盤をなぞっていて、ピアノを弾くのが楽しくて仕方がない、という雰囲気だ。なんとなく映画「シャイン」の主人公の子供時代を思い出した。アンコールのピアノソナタを聴いても、すでに独自の世界を築きつつあるように思う。
 そしてチャイコフスキーの交響曲第4番。この曲はやはり生演奏で聴くのが一番だ。ドラマチックな運命の主題に始まり、美しい旋律、密やかなピッツィカート、そして壮大なクライマックスとオーケストラの魅力を最大限に楽しめる曲だと思う。わずか1500円でこうした演奏を楽しめるという、何という幸せだろうか。
1999.2.5 (金) 7:00pm
第1372回「NHK交響楽団定期公演Cプログラム」
会場:NHKホール
指揮:スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
ピアノ:ギャリック・オールソン
コンサートマスター:篠崎史紀
曲目:
パヌフニク/ノクターン(1947/1955)
ショパン/ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調作品21
(アンコール:ショパン/ワルツ変イ長調作品42)
ベートーヴェン/交響曲第5番 ハ短調作品67
(料金:E席1520円)
コメント:
 さすがに「運命」がポピュラーなせいか、普段より自由席の入りがいい。しかも男性がいつもより多いという感じだ。その演奏であるが、出だしはさらっと入った印象。だいたいこの曲は有名な出だしについてこちらの期待感が強すぎるので、ちょっと肩すかしを食うような印象である。途中、指揮者の大きな声が聞こえたり、終了後指揮者がFM放送要のコードにつまづいて転ぶなどいろいろハプニングの多い演奏会であった。
 さて、ベートーヴェン以外の曲についてだが、パヌフニクのノクターンは現代音楽なのだけれども、ドラムのかすかな響きに始まって徐々に高まって行き、クライマックスの後また最後は繊細なドラムで終わるという作品でちょっとめまいにも似た不思議な雰囲気の曲である。次のショパンのピアノ協奏曲第2番は曲自体はそれほど良いとは思わなかったが、ギャリック・オールソンの演奏はすばらしかった。アンコールのほうが良かった気もするが。
1999.1.20 (水) 6:30pm
新国立劇場オペラ98-99シーズン
ビゼー「カルメン」(原語上演:字幕付き)
[フリッツ・エーザー新校訂アルコーア版(1964年版)による上演]
会場:新国立劇場オペラ劇場
台本:リュドヴィク・アレヴィ/アンリ・メイヤック
作曲:ジョルジュ・ビゼー
芸術監督:畑中良輔
指揮・演出:グスタフ・クーン
配役:
カルメン:坂本朱
ドン・ホセ:フランチェスコ・マルカッチ
エスカミーリョ:稲垣俊也
ミカエラ:佐藤美枝子
モラレス:鹿又透
スニガ:堀野浩史
フラスキータ:幸田浩子
メルセデス:小畑朱美
ダンカイロ:多田康芳
レメンダード:市川和彦
アンドレス:藤井荘治
オレンジ売り:久保田美紀
ジプシー:宮本俊一
助演:神田富恵/田中伊吹/猪又武春/小谷つくる
合唱:新国立劇場合唱団
児童合唱:東京少年少女合唱隊
舞踊:新国立劇場バレエ団 鶴谷美穂/鳥海清子/般若真美/湯川麻美子/市川透/奥田慎也/澤田展生/高木裕次
管弦楽:東京交響楽団
合唱指揮:及川貢
児童合唱指揮:長谷川久恵
振付:中島伸欣
舞台美術:小林優仁
衣装:倉岡智一
照明:服部基
舞台監督:菅原多敢弘
副指揮:ジャンピエール・ファベール/大島義彰/三河正典
(料金:Z席1500円)
コメント:
 朝8時半から並んで当日のZ席を購入。新国立劇場のオペラは50数席だけ当日売りがある。ただし、バルコニー席だったので乗り出さないと舞台が見えない。逆にオーケストラピットは真下に見える。演出は舞台を1950年代に時代を置き換えたということであるが、どちらかといえば、オペラはコスチューム・プレイも楽しみたいものである。だが、最近は背広を着ているようなオペラが主流らしい。その点をのぞけば、休憩をはさんで4時間以上に及ぶ舞台も退屈せずに楽しめた。
1999.1.18 (月) 7:00pm
鮫島有美子・米良美一「いにしへ」
会場:東京国際フォーラム ホールA
ソプラノ:飯島有美子、カウンターテナー:米良美一
ヴァイオリン:高田あずみ/高田はるみ、ヴィオラ:渡辺安見子、チェロ:松岡洋平、ピアノ:丸山滋、笙:石川高、パーカッション:上野信一/石井喜久子、プリペアド・ピアノ:中川賢一、コントラバス:溝入敬三
曲目:
「白いうた 青いうた」より(谷川雁・作詞、新実徳英・作曲、糸川玲子・編曲)
 砂よ、北のみなしご、夢幻、鳥舟、南海譜、われもこう、北極星の子守歌
万葉集からの相聞歌「かたみ」【委嘱作品初演】(笠女郎、大伴家持・元歌、川口義晴・訳、新実徳英・作曲)
荒城の月(土井晩翠・詞、瀧廉太郎・曲、服部隆之・編)
平城山(北見志保子・歌、平井康三郎・曲)
おだまきの花(小黒恵子・詞、三木稔・曲/編)歌曲集「花ものがたり」より
浜千鳥(鹿島鳴秋・詞、弘田龍太郎・曲、服部隆之・編)
浜辺の歌(林古渓・詞、成田為三・曲、服部隆之・編)
カチューシャの歌(島村抱月/相馬御風・詞、中山晋平・曲/服部隆之・編)
ゴンドラの歌(吉井勇・詞、中山晋平・曲、服部隆之・編)
胸の振り子(サトウハチロー・詞、服部良一・曲、服部隆之・編)
赤蜻蛉(三木露風・詞、山田耕筰・曲、服部隆之・編)
故郷(高野辰之・詞、岡野貞一・曲、服部隆之・編)
アンコール:
星めぐりの歌(宮沢賢治・詞/曲)
*(武満徹・詞・曲)
(料金:C席5500円)
コメント:
 5000人収容の大ホールである。その一番後ろの席とあって出演者は豆粒ほどにしか見えない。このホールではやはりマイクを使ってのコンサートになる。客層もクラシックのファンとはちょっと違っている感じで曲が終わりきらないうちに拍手が鳴ってしまう。年輩のご婦人が多いのも内容からして当然というべきか、米良美一のファン層がわかる。しかし、鮫島さんにも花束をあげてほしい。歌声を聴いてやはり米良美一の歌というのは独特なものだと思った。
1999.1.16 (土) 6:30pm
新交響楽団第164回演奏会
会場:東京芸術劇場
指揮:飯森泰次郎
パイプオルガン:松居直美
演奏:新交響楽団
曲目:
ブラームス/交響曲第3番
深井史郎/パロディ的な4楽章(原典版)
サン=サーンス/交響曲第3番 ハ短調作品78「オルガン付き」
(料金:A席2500円)
コメント:
 新交響楽団は1956年に創立され、音楽監督・故芥川也寸志の指導によるアマチュアオーケストラの草分け的存在ということだ。芥川作品など日本の作曲家の作品を積極的に取り上げているということで、今回の深井史郎の「パロディ的な4楽章」も興味深い演奏だった。アマチュアということでブラームスの演奏などもゆっくり目の演奏で、やや管楽器の弱さも感じられるものの、実力としてはかなりの線はいっているという感じだ。
1999.1.7 (金) 7:00pm
読売日響 第47回東京芸術劇場 名曲シリーズ
会場:東京芸術劇場
指揮:ゲルト・アルブレヒト
ピアノ:小山実稚恵
演奏:読売日本交響楽団
コンサートマスター:藤原浜雄
曲目:
<オール・ベートーヴェン・プログラム>
付随音楽「エグモント」序曲 作品84
ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調作品73「皇帝」
交響曲第7番 イ長調作品92
(アンコール:ベートーヴェン/「レオノーレ」序曲 第3番)
(料金:G席2000円)
コメント:
 私の今年初のコンサートは読売日響で幕開け。常任指揮者ゲルト・アルブレヒトと小山実稚恵の競演である。やっぱり「皇帝」はベートーヴェンの作品の中でも最も華麗な曲である。小山実稚恵の演奏はしかし、華麗というよりは骨太な演奏だ。交響曲7番は全体的ににぎやかな曲なのに、第2楽章が葬送行進曲なのが不思議な曲だ。あまりの落差が不自然で全体的な印象としてはアンバランスな曲。この曲が終わった時点で午後9時。そこからアンコールのレオノーレはちょっとアンコールとしては長いと感じた。

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