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コンサート日記98年


1998.12.24 (金) 7:00pm
NHK交響楽団「第9」演奏会
会場:NHKホール
指揮:イルジー・コウト
ソプラノ:リンダ・ワトソン、アルト:寺谷千枝子、テノール:ルドルフ・シャシング、バリトン:フルーデ・ウルセン
合唱:国立音楽大学、合唱指導:田中信昭/長井則文
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:堀正文
曲目:
ワーグナー/歌劇「タンホイザー」第2幕から
 <おごそかなこの広間よ>
 <お前が長い間避けていたこの殿堂で>〜
 大行進曲<歌の殿堂をたたえよう>
ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調作品125「合唱つき」(ベーレンライター版) (料金:D席3000円)
コメント:
年末恒例の第9演奏会。昨年同様NHK厚生文化事業団のチャリティーコンサートである。まずはワーグナーのタンホイザーより。大行進曲は聞き覚えがあった、というより子供の頃よく聴いた曲だったので懐かしかった。第9の方は、普段聞き慣れた第9とちょっと違う雰囲気なのはベーレンライター版のためか。とにかく合唱曲はやはり生演奏で聴くに限る。
1998.12.18 (金) 7:00pm
第1369回「NHK交響楽団定期公演Cプログラム」
会場:NHKホール
指揮:シャルル・デュトワ
語り:林隆三*
ソプラノ:釜洞祐子(ドビュッシー:乙女、グリーグ:ソルヴェイグ、山羊追いの娘1)
ソプラノ:平松英子(グリーグ:山羊追いの娘2)
メゾ・ソプラノ:加納悦子(ドビュッシー:語り手、グリーグ:アニトラ、山羊追いの娘3)
合唱:二期会合唱団、合唱指導:三澤洋史
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:篠崎史紀
曲目:
ファリャ/間奏曲と舞曲〜歌劇「はかない人生」より
ドビュッシー/女声のためのカンタータ「選ばれた乙女」(歌唱:フランス語、字幕:川口義晴)
グリーグ/劇音楽「ペール・ギュント」全曲*(歌唱:ドイツ語、原作:H.イプセン、台本・字幕」河内紀)
(料金:E席1520円)
コメント:
 今年のN響定期の最後を飾るのは、林隆三のナレーション付きの「ペール・ギュント」である。全曲版とは言え、15曲の抜粋。また、合唱と女声ソロがついて、こうした形の演奏は珍しいと思う。しかし、こういう形式の演奏を聴くと、やはり組曲として構成された版の方のまとまりの良さというものを、逆に感じてしまう面もある。ナレーションが入るとどうしても音楽が脇役になってしまいがちなのである。そして、やはりこの曲の焦点は「ソルヴェイグの歌」にあるわけで、グリーグの抒情性が最も際だつことになる。
 ファリャの「はかない人生」は、やはりデュトワはこういうスペインの曲などが似合うと改めて認識した。
1998.12.16 (水) 7:00pm
未来の巨匠コンサート
会場:オーチャードホール
指揮:沼尻竜典
チェロ:ダレット・アドキンス、フルート:オリヴィエ・タルディ、バリトン:マルクス・ヴェルバ
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
曲目
モーツァルト/フルート協奏曲第2番ニ長調K.314(285d)
モーツァルト/歌劇「魔笛」より「おいらは鳥刺し」
モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」より「こっちの勝ちだと」〜「ため息をついている間に」
モーツァルト/歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」より「彼の方に目を向けたまえ」
ドニゼッティ/歌劇「愛の妙薬」より「昔パリスがしたように」
モーツァルト/歌劇「ドン・ジョヴァンニ」より「シャンパンの歌」
ショスタコーヴィチ/チェロ協奏曲第1番変ホ長調 作品107
(料金:招待)
コメント:
 Bunkamuraがオフィシャルサプライヤーの協力で若手演奏家に送るオーチャードホールアワード受賞者の発表会。まずはフルートのオリヴィエ・タルディ。なんとなく「ミスター・ビーン」を連想させる顔立ち。素晴らしい、と言えるほどの出来でもなかったようだ。続いてのバリトン、マルクス・ヴェルバはあまり声量がない感じでオーケストラに負けている。最後のチェロ、ダレット・アドキンスは一番良かったと思うのだが、いかんせんショスタコーヴィチでは私にとっては退屈の極みであった。
1998.12.13 (日) 1:30pm
第23回ヘンデル「メサイア」
主催/学校法人 東成学園
会場:サントリーホール大ホール
指揮:田中一嘉
ソプラノ:五十嵐郁子、アルト:屋我明美、テノール:関根宣義、バス:中村靖
演奏:昭和音楽大学管弦学部
合唱:昭和音楽大学合唱団/昭和音楽大学芸術学院合唱団
合唱指揮:及川貢/山舘冬樹/鈴木康夫/松井聖
(料金:全席指定2000円)
コメント:
 年末恒例のメサイアを聴く。なかなか座る機会のないサントリーホールの1階席。音響はどちらかというと上部の席の方がよさそうだが。やはり圧巻は第2部の最後を飾るハレルヤ・コーラスだが、演奏中に聴衆が立ち上がる習慣は、1743年のロンドン公演で臨席の国王ジョージ2世が思わず王座から立ち上がったという伝えに基づいているのだそうだ。ここで立ち上がっているのは学校関係者の人が多いのではと思わせた。2時間半にわたる曲だが、宗教音楽とはいえイタリアやドイツのオペラなどをも思わせる、ヘンデルならではの世界を堪能した。
1998.12.4 (金) 7:00pm
第1367回「NHK交響楽団定期公演Aプログラム」
会場:NHKホール
指揮:シャルル・デュトワ
ピアノ:小山実稚恵/小山京子*
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:堀正文
曲目:
陳怡(チェン・イ)/歌墟(アンティフォニー)1994
ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番ニ短調作品30
ストラヴィンスキー/バレエ音楽「ペトルーシカ」(1911)*
〜中国公演プログラム〜
(料金:E席1520円)
コメント:
 小山実稚恵のラフマニノフ3番はちょっと迫力不足の感も。この曲はもっと力強さが欲しい。ペトルーシカはストラヴィンスキーの春の祭典や火の鳥にくらべるとちょっと見劣りがする曲と思う。というわけで、歌墟がいちばんよかった。
1998.11.28 (土) 7:00pm
第14回「モーツァルトを聴こう!!」
会場:三鷹市芸術文化センター・風のホール
指揮:沼尻竜典
ピアノ:田部京子
管弦楽:トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ
曲目:
モーツァルト/交響曲第12番 ト長調 K.110(75b)
モーツァルト/ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K.467
ベートーヴェン/交響曲第7番 イ長調作品92
(料金:A席2700円)
コメント:
 三鷹市芸術文化センターは600人程度の中ホールで三鷹という町には丁度いいサイズだと思う。ここで定期的な演奏会を行う室内オーケストラとして誕生したのがトウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ。若手指揮者の沼尻竜典プロデュースによる若々しい演奏が新鮮だ。今回は第2バイオリンを向かって右側に配置して、ヴァイオリンのカノン的効果を狙った。そういえば、結構第1バイオリンと第2バイオリンがかけあいをする曲は結構あるので、もともとこういう配置が昔は一般的だったのかもしれない。ピアノの田部京子はそれほど印象に残らなかったが、モーツァルトのピアノ協奏曲はあまり派手じゃないということもあるか。モーツァルトをきちんと弾くのは意外と難しいのかもしれない。ベートーベンの7番はたまたま一昨日聴いたばかりだったのだが、都響がP席だったせいと、2度目でなじみがあるという点からこちらのほうが良かったように思う。ただしさすがに最後の方はちょっと疲れが出たかなとも思った。
1998.11.26 (木) 7:00pm
第276回 都響(さくらカード)プロムナードコンサート
会場:サントリーホール大ホール
指揮:ガリー・ベルティーニ
ヴァイオリン:漆原朝子、ヴィオラ:川本嘉子
管弦楽:東京都交響楽団
曲目:
ハイドン/交響曲第95番 ハ短調 Hob.I-95
モーツァルト/ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調K.364
ベートーヴェン/交響曲第7番 イ長調 作品92
(アンコール:J.S.バッハ/管弦楽組曲第3番より「アリア」)
(料金:P席2000円)
コメント:
 今回はP席の一番前。ほとんどステージの上にいるような感じ。昨日と異なって近すぎても音響が良いとは限らないという例で、なんとなく音がばらばらな印象。ただ、指揮者の表情や時折発する歌声などはよくわかる。(それがいいかどうかはまた別だが)3曲の中ではハイドンがいちばん良かったと思う。(アンコールが本当は一番だったが)。

1998.11.25 (水) 7:00pm
ミュンヘン室内オーケストラ
会場:東京芸術劇場
指揮:クリストフ・ポッペン
曲目:
モーツァルト/セレナード第13番ト長調k.525「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」
ドヴォルザーク/弦楽セレナード ホ長調 作品22
ハイドン/弦楽四重奏曲ヘ長調作品3の5「セレナード」より第2楽章
チャイコフスキー/弦楽セレナードハ長調作品48
(アンコール:モーツァルト/ディヴェルティメント k.136)
(アンコール:バルトーク/弦楽のためのディヴェルティメント第3楽章)
(アンコール:グリーク/ホルベーグ組曲 第1楽章)
(料金:C席3000円)
コメント:
 前にスロヴァキア室内オーケストラを同じホールで聴いたときには、音量が不足気味だったので、しかも今回は3回の一番後ろの席とあって危惧していたのであるが、なんとこちらの席の方が音が大きく聞こえる!前の席の方が音響が良いとは限らないと改めて実感した。演奏も良くて大満足。ただ、隣の席のおじさんがやたらとけちをつけていたのと、後ろの席のご婦人3人組がぺちゃくちゃうるさいのが難点だった。
1998.11.23 (月祝) 2:00pm
1998年第3回江藤俊哉ヴァイオリンコンクール
受賞者発表演奏会
会場:ルネこだいら 大ホール
指揮:江藤俊哉
演奏:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
曲目:
ヴィエニアフスキ/モスクワの思い出 作品6
  =山本翔平(ジュニア・アーティスト部門第3位)
パガニーニ/ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 作品6
  =中村ゆか里(ジュニア・アーティスト部門第2位)
プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第2番 ト短調 作品63
  =松岡麻衣子(ジュニア・アーティスト部門第1位)
サラサーテ/ツィゴイネルワイゼン 作品20
  =工藤真菜(ヤング・アーティスト部門第3位)
グラズノフ/ヴァイオリン協奏曲 イ短調 作品82
  =宮崎万里(ヤング・アーティスト部門第2位)
シベリウス/ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
  =甲斐史子(ヤング・アーティスト部門第1位)
(料金:自由席1500円=招待)
コメント:
 「ぴあ」のはみだしご招待でチケットをもらったので出かけた。ただで聴かせていただいて文句をいう筋合いではないのかもしれないけれども、どうしてこう観客のマナーが悪いのだろうか。小平ってそういうところか?と思ってしまう。身内の発表会といったおもむきで、一人の演奏が終わるとやたらと席を立つ人が多い。きっと自分の知り合いの演奏しか興味ないのだろう。また、江藤俊哉氏がほとんど歩行困難な状態で登場、椅子に座っての指揮。といってもほとんど譜面を観たままでなんとなくオーケストラも併せにくそうな感じだ。演奏自体は、やはり緊張のせいかちょっと失敗もあったがそれぞれそれなりに実力は感じられた。プロフェッショナルとの違いは1曲を弾き通す体力がないというか、ペース配分がまずいというか、曲の最後の方になるとちょっと演奏が雑になってしまったりしていた。
1998.11.20 (金) 7:00pm
第1366回「NHK交響楽団定期公演Cプログラム」
会場:NHKホール
指揮:ウォルフガング・サヴァリッシュ
チェロ:マリオ・ブルネルロ
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:堀正文
曲目:
〜オール・シューマン・プログラム〜
  歌劇「ゲノヴェーヴァ」序曲 作品81
  チェロ協奏曲 イ短調 作品129
  (アンコール:バッハ/無伴奏チェロ第6番「ガボット」)
  交響曲第3番変ホ長調作品97「ライン」
(料金:E席1520円)
コメント:
 徹底したシューマン・プログラムとなった今月のN響=サヴァリッシュだが、自分としてはあまり印象に残らない曲が多い。そんな中で今日の「ライン」は明るくて良かった。チェロ協奏曲は寝てました。マリオ・ブルネルロもアンコールを聞いてもあまり感心しなかった。やっぱりミーシャ・マイスキーやハンナ・チャンには負けている。
1998.11.18 (水) 7:00pm
小山実稚恵 ピアノリサイタル
曲目:
ベルク/ソナタ 作品1
J.S.バッハ/パルティータ 第2番 ハ短調 BWV826
アイヴズ/3ページのソナタ
プロコフィエフ/悪魔的暗示 作品4−4
リスト/ソナタ ロ短調
(アンコール:ショパン/マズルカ第47番イ短調)
(アンコール:スクリャービン/エチュード作品8−12)
(アンコール:スクリャービン/左手のためのノクターン)
(料金:B席3000円)
コメント:
 アンコールの左手のためのノクターンが一番良かった、というと叱られるだろうけれども。とにかくこの人の演奏はメリハリがある。ただ、曲目が現代風でとっつきにくい。
1998.11.5 (木) 7:00pm
第1364回「NHK交響楽団定期公演Aプログラム」
会場:NHKホール
指揮:ウォルフガング・サヴァリッシュ
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:篠崎史紀
曲目:
〜オール・シューマン・プログラム〜
  劇音楽「マンフレッド」序曲 作品115
  交響曲ニ短調(交響曲第4番1841年第1稿)
  交響曲第2番ハ長調作品61
(料金:E席1520円)
コメント:
 今月のN響定期はサヴァリッシュが、オーチャード定期も含めてすべてシューマンで統一されている。といっても今年がシューマンの記念の年というわけでもなく、サヴァリッシュ得意のプログラムといったところ。N響もいかにも気心の知れた感じで特に先月不慣れな配置でとまどっていた感じだったのと対照的だ。しかしシューマンのシンフォニーというのは初めて聞いたのだが、ちょっと退屈してしまった。だから今日のプログラムでは「マンフレッド」が一番良かったというのが個人的な感想である。
1998.11.3 (水) 2:00pm
「JYD記念オーケストラ&合唱団 第4回演奏会
会場:カトリック聖アルフォンソ初台教会聖堂
指揮:十束尚宏
ソプラノ:高井美和子/笠井志乃、メゾ・ソプラノ:羽鳥典子
曲目:
ろうそくの奉納に際して モーツァルト/「アヴェ・ヴェルム・コルプス」K.618
モーツァルト/「レジナ・チェリ」ハ長調 K.108
ハイドン/交響曲第101番 ニ長調「時計」
ヴィヴァルディ/「グローリア」RV589
(アンコール:ヘンデル/「メサイヤ」より「ハレルヤ」)
(料金:前売り:1500円)
コメント:
 アマチュアオーケストラとしてもレベルは低い。グローリアはオーボエがちゃんと吹けないようだし、人前で演奏する状態ではなかった。
1998.10.29 (水) 7:00pm
「セルゲイ・ナカリャコフ」トランペットリサイタル
会場:なかのZERO大ホール
出演:トランペット:セルゲイ・ナカリャコフ
ピアノ:ヴェラ・ナカリャコワ
曲目:
ベルゴレージ/「スターバト・マーテル」より「アリア」
ヴィヴァルディ/「蛮族の王ホロフェルネスに勝利して凱旋するユディット」より
ストラデッラ/主よ憐れみたまえ
ショパン/マズルカ第13番イ短調作品17−4
ショパン//夜想曲第13番ハ短調作品48−1
ウェーバー/変奏曲ヘ長調
R.シュトラウス/アンダンテ
シューマン/幻想小曲集 作品73
スクリャービン/2つの詩曲作品32
R.コルサコフ/「春に」より「高嶺から吹く風が」、「詩人に」より「八行詩」
アーバン/「チロルの歌」による変奏曲
(アンコール:TVドラマ「天うらら」のテーマ、ほか)
(料金:B席:2500円)
コメント:
 女性の人気も高いセルゲイ・ナカリャコフとあって、聴衆も若い女性中心。トランペットというと「トランペット吹きの休日」のような派手な印象を持っていたが、このコンサートの曲目は渋い曲が多く、イメージはだいぶ違った。トランペット・リサイタルと銘打ってあるものの、ピアノ独奏も何曲かあり、あくまでも姉弟のリサイタルであった。でもやはりセルゲイのトランペットの方が素晴らしい。
1998.10.15 (水) 6:30pm
響け解放の音コンサートvol.III
会場:ルネこだいら中ホール
出演:おおたか静流、ピアノ:モーガン・フィッシャー、チェロ:坂本弘道
(料金:前売自由席:3000円)
コメント:
 クラシックではないけれども、これも書いてしまおう。知人からチケットを譲られていったのだが、これは小平市の福祉団体の主催コンサート。おおたか静流は「花」やCMソングでおなじみの歌手でその独特な歌声は印象的。彼女の歌の原点にはチンドン屋があるということで、クラシックから民謡までのクロスオーバーなところが魅力といえる。モーガン・フィッシャーと坂本弘道の二人の共演者がまたすごく多才な人で坂本氏はホーミーまで披露してくれた。
 ただ、毎度のことながら、この手のコンサートにおける観客の質の低さはがっかりさせられる。子どもが泣き叫び、途中でドアから出入りする人のなんと多いことか。学芸会並みの意識で、こういう点について、主催者の配慮の無さを感じさせられた。
1998.10.13 (火) 6:30pm
芸大定期オペラ第44回
モーツァルト「魔笛」全二幕(原語上演、字幕付)
会場:すみだトリフォニーホール大ホール
指揮:大町陽一郎
演出:實相時昭雄
美術:唐見博、照明:牛場賢二、衣装:渡辺園子、振付:安達悦子、音響:岩崎真、字幕:平尾力哉、特殊効果:北浦嗣巳、殺陣:二家本辰己、原語指導:原田茂生/多田羅迪夫、舞台監督:賀川祐之/直井研二、演出助手:田中孝夫、副指揮・合唱指導:三澤洋史、副指揮:岡崎正春/三矢幸子
キャスト
ザラストロ:彭康亮、タミーノ:望月哲也、弁者:末吉利行、僧侶2:板橋恵理亜、夜の女王:福田玲子、パミーナ:森田裕子、侍女1:小林厚子、侍女2:加賀ひとみ、侍女3:青山智英子、童子1:杉村実亜子、童子2:福田弘子、童子3:庄司祐美、パパゲーノ:萩原潤、パパゲーナ:藤田美奈子、モノスタトス:宮崎義昭、武士1:鈴木准、武士2:松平敬
合唱:東京芸術大学音楽学部声楽科3・2年
管弦楽:東京芸術大学音楽学部管弦楽研究部
(料金:全席自由2400円)
コメント:
 ステージは大きな階段となっていて、物語はすべてここで進行する。トリフォニーホールのパイプオルガンをホリゾンドとして効果的に使っている演出は實相時昭雄。ということでなぜかバルタン星人やピグモンまで登場。プログラムにはちゃんと「協力円谷プロダクション」とはいっている。最後にパパゲーノの赤ん坊にブースカも混じっていた。モノスタトスはなんと革ジャン姿で鞭を打ちならす。ということでわりあいくだけた演出。ちょっとやりすぎとの感もあるが。まあ楽しいオペラであった。しかし、最近観客に恵まれないと思うのは、なぜか後ろにぺちゃくちゃおしゃべりをする人が座ってしまうということ。運が悪いのか、それともこういう人が増えたのか。ううむ。
1998.10.11 (日) 1:00pm
「慶應義塾大学ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ 第169回定期演奏会」
会場:すみだトリフォニーホール大ホール
指揮:小田野宏之
ソロ・ヴァイオリン:田澤昇
曲目:
シベリウス/交響詩「フィンランディア」作品26
シベリウス/交響曲第7番ハ長調 作品105
リムスキー・コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」作品35
(料金:A席1500円)
コメント:
 トリフォニーホールは濃茶を基調とした落ち着いたホールで、3階席にはエレベーターが使えるのでオーチャードのような山登りはしなくて善い。さてこの、バブルの申し子のようなホールで今日はアマチュアとは言え、かなり質の高い演奏を前回聞かせてくれたワグネルの定期演奏会だ。今回の演目、シェエラザードはご存じアラビアンナイトをモチーフとした曲でコンサートマスターのソロパートが重要な役割を果たす曲。今夏大阪でこの曲を聞いていることから、どうしてもプロと比較してしまい、見劣りはするけれども、だんだんとコンサートマスターの演奏も調子を上げて、なかなかの演奏だった。ただ、トロンボーンの女性やホルンの男性はちょっと力不足の印象。トランペットは結構難しいフレーズもよくこなしていたと思う。
 シベリウスの二曲は、フィンランディアは良いが、交響曲第7番はちょっと地味な曲で目立った印象はなかった。  
1998.10.8 (木) 7:00pm
「NHK交響楽団定期公演Aプログラム」
会場:NHKホール
指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
ソプラノ:菅英三子、アルト:インゲボルク・ダンツ、テノール:吉田浩之、バス:妻屋秀和
合唱:スウェーデン放送合唱団、首席指揮者:トヌ・カリユステ演奏:NHK交響楽団

コンサートマスター:篠崎史紀
曲目:
バッハ/ミサ曲ロ短調 BWV.232
(料金:E席1520円)
コメント:
 2時間近くにも及ぶという壮大なミサ曲は、自分にとってはひたすら堪え忍ぶ時間となった。果たしてこのような曲を通して演奏されることを想定して作曲していたのだろうか、と思う。この曲のみが生前初演された形跡がない、ということだが、もしかしたら必要に応じて部分的に演奏されたりしていたのかもしれない、と勝手に思ってみる。まあ、詩の意味がわからないということも。
 ところで今回も前回と同様の配置になっている。それはそれとして最近問題になっているNHKホールでのステージを前にのばしたことであるが、音響とは別の面で問題があると思う。それは3階席などでは前の人がじゃまになってソリストが見えないということだ。音楽を聴くのだから視覚は関係ないかというとけっしてそうではなくて、演奏者の姿が見えないと言うのは結構いらいらする。このために前に乗り出している人がいるのだが、そのためにさらに後ろの人が見えにくくなるという悪循環となっている。演奏会終了後の人々の話を聞くと、「前の人が乗り出していてマナーが悪くて困る」ということをよく話している。これは単にマナーだけの問題ではなく、ホールの設計をちゃんと頭にいれた演出が必要だということだ。
1998.10.7 (水) 7:00pm
「スロヴァキア室内オーケストラ」1998年日本公演
会場:東京芸術劇場大ホール
指揮・ヴァイオリン:ボフダン・ヴァルハル
パイプオルガン:井上圭子
曲目:
ドヴォルザーク/弦楽セレナード ホ長調 作品22
アルビノーニ/アダージョ ト短調
バッヘルベル/カノン ニ長調
ヘンデル/オルガン協奏曲第1集 変ロ長調 作品4−6
チャイコフスキー/弦楽のためのセレナード ハ長調 作品48
(アンコール:J.S.バッハ/G線上のアリア)
(アンコール:J.シュトラウス/ピチカート・ポルカ)
(料金:C席3000円)
コメント:
 室内楽を聞くには、このホールは不向きだと痛感させられた。さすがに3階席には客を入れていなかったのだが、前にここでオペラのアリアを聞いた時もちょっと音響が弱い感じがしていたのだが今回もそれを感じた。パイプオルガンもなかなか響いてこない。座席もゆったりしていて見やすいホールなのに、なかなか完璧なホールというのはないようだ。
 曲目はポピュラーな曲ばかりで親しみやすい。チャイコフスキーの弦楽セレナードはやっぱり名曲だ。特に第2楽章が楽しい。ベテラン(?)のクラシックファンの中にはチャイコフスキーやモーツァルトなどもう聞かないよ、なんていう人もいるけれども、やはり名曲というのは人々の魂をゆさぶる何かを持っているということなのだと思う。
1998.10.2 (金) 7:00pm
「NHK交響楽団定期公演Cプログラム」 会場:NHKホール
指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
ヴァイオリン:堀米ゆず子、ヴィオラ:今井信子
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:堀正文
曲目:
モーツァルト/ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364(320b)
ブルックナー/交響曲第3番 ニ短調(1873年第1稿ノーヴァク版)
(料金:E席1520円)
コメント:
 今回は楽器の配置が大きく変わっている。第2ヴァイオリンが指揮者の右手に回って第1ヴァイオリンと向き合う形になって、普段は右奥のコントラバスが左奥だ。
 モーツァルトの協奏交響曲はいつもは地味な楽器のヴィオラが主役となっている曲だ。ヴァイオリンがヴィオラの引き立て役になっているという感じだ。モーツァルトはもともとヴィオラ奏者だったそうで、この楽器の特徴を知り尽くしていたということを改めて感じさせる。一方のブルックナーであるが、自分にはあまりブルックナーというのは面白いとは感じられない。なぜあれほどとぎれとぎれに曲を切り刻んでいるのか、次第に生理的にいらいら感がつのってくる。確かに演奏が難しい曲なのだろうと思うが、聞く側にとっては演奏が難しいとかどうとかいうことはあまり関係ないわけで、今日の2曲、どちらをとるかといえば、文句無くモーツァルトだ。
1998.9.20 (日) 2:30pm
「東京ニューシティ管弦楽団 第12回定期演奏会」
「東京合唱協会 第15回定期演奏会」
会場:北とぴあ
指揮:内藤彰
合唱:東京合唱協会
演奏:東京ニューシティ管弦楽団
コンサートマスター:藤田めぐみ
曲目:
(開演前のロビー演奏:グノー/小交響曲)
モーツァルト/歌劇「魔笛」序曲 K.620
      /交響曲第40番ト短調 K.550
      /レクイエムニ短調 K.626(ロバート・レヴィン版)
(料金:B席3000円)
コメント:
 東京で最も新しいオーケストラのモーツァルトプログラム。ヴァイオリンは全員女性とあって女性の比率が高い。水準としてはアマチュアとプロフェッショナルの中間といったところか。最初はおそるおそるで演奏が進むに伴って次第に良くなっていく感じだ。クラリネットの女性は良い音を出していたが、トロンボーンはへなへなで、はらはらさせられる。レクイエムは今回はジュースマイヤー版を改良した、ロバート・レヴィン版で、ラクリモサの後にアーメン・フーガを付け加えている。演奏は特に素晴らしいというほどでもないが、まあまあと思う。
1998.9.19 (土) 2:00pm
「NHK交響楽団定期公演Cプログラム」
会場:NHKホール
指揮:マレク・ヤノフスキ
バセット・クラリネット:ザビーネ・マイア
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:堀正文
曲目:
バッハ(ウェーベルン編)/リチェルカータ
モーツァルト/クラリネット協奏曲イ長調 K.622
ブラームス/交響曲第2番ニ長調作品73
(料金:E席(自由)1520円)
コメント:
 リチェルカータはやっぱりバッハのオリジナルの方が良いんじゃないかと思う。クラリネット協奏曲はカラヤンが強引にベルリン・フィルに採用しようとして団員の反発を買ったという伝説的事件で知られるザビーネ・マイアがバセット・クラリネットを演奏。そういう歴史的な人物を直接目にするというのも、なんとも不思議な気もする。女性がクラリネットを吹くということも、日本でいう”尺八”に当たる隠語を連想させいろいろと反発があったのだと思う。日本ではどちらかというと楽器を弾くのは女性の仕事という雰囲気もあるが、流石に女性の尺八奏者というものがいたらいろいろ言われるのかもしれない。そんなことを超越してザビーネ・マイアは凛とした気品に満ちた雰囲気の女性だった。
 ブラームスの交響曲第2番は「ブラームスの田園」と言われているそうだが、明るく軽い印象の曲だ。それがかえってブラームス的ではないのか、あまり印象には残らない曲。
1998.9.18 (金) 7:00pm
プロムジクス神奈川 第100回定期演奏会
第100回記念公演「聖セシリアの日の頌歌」
会場:神奈川県立音楽堂
指揮:大谷研二
ソプラノ:三宅春恵
ソプラノ:佐竹由美/松堂久美恵、アルト:中巻寛子、テナー:高野二郎/斉藤明生
トラヴェルソ&リコーダー:大竹尚之、ガンバ:神戸愉樹美/清水哲雄、 ほか
合唱:カンマーコア湘南
曲目:
ヘンデル/合奏協奏曲 変ロ長調作品3の1 HWV312
    /主はわが主に言われる HWV232
    /カンタータ「私の胸は騒ぐ」 HWV132
    /聖セシリアの日の頌歌 HWV76
(料金:自由席2500円)
コメント:
 古楽器の演奏を実際に聞くのは初めて。フルートが木管楽器だということを再認識したり、チェロには底から床に固定するための棒がないので、足にはさむため、女性が演奏するにはかなりはしたない格好になってしまうこととか、いろいろ興味深い。演奏しているのは神奈川県で音楽教師をやっているような人たちだそうで、いってみればアマチュアとプロの間くらいの力量か。バロック音楽というのもこうして聞いてみるとなかなか楽しい。演奏時間が長くて終了が9時半になったのはちょっとしんどかったけれども、一緒にいった友人は全然時間が気にかからなかったそうだ。
 それから三宅春恵さんの歌もすごかった。もう80歳を越えているそうだが、まだ現役としてしっかりと歌われていた。その音楽に対する熱い思いが伝わってくるような歌だった。

1998.9.14 (月) 6:30pm
「京都市交響楽団」
会場:新潟県民会館大ホール
指揮:佐渡裕
ハープ:キャロル・マクローリン
曲目:
グリエール/ハープ協奏曲
ベルリオーズ/幻想交響曲
(アンコール:マスカーニ/「カヴァレリア・スルティカーナ」間奏曲)
(アンコール:J.シュトラウスI/ラデツキー行進曲)
(料金:B席前売2000円)
コメント:
 最近売り出し中の佐渡裕と、彼の出身地でもある京都で、これも注目されている京都市響とのとりあわせ。客演はカナダ生まれのハープ奏者キャロル・マクローリンでアンコールではジャズ音楽も披露してくれた。佐渡裕の指揮は190cm近い大きな体を、時には腰をかがめ、時には飛び上がるといった情熱的なもので、ピアニッシモとフォルテシモのはっきりした演奏。京都市響のような若々しいオーケストラとの協演がうまく息が会っているのではないだろうか。青春の懊悩を描いた幻想交響曲はそういう意味でも絶妙のプログラムだった。
1998.9.10 (木) 7:00pm
「諏訪内晶子 ヴァイオリンリサイタル」
会場:藤沢市民会館大ホール
ピアノ:ジェレミー・デンク
曲目:
ドヴォルジャーク/4つのロマンティックな小品作品75
ドヴォルジャーク/スラヴ舞曲第1番ト短調
ドヴォルジャーク/スラヴ舞曲第2番ホ短調
ヤナーチェク/ヴァイオリン・ソナタ
ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ作品120−2(クラリネット・ソナタ)
ブラームス/ハンガリー舞曲集より第2番、第9番、第5番
(アンコール:ドヴォルジャーク/スラヴ舞曲第3番)
(料金:C席2000円)
コメント:
 首都圏では諏訪内晶子の今年唯一のリサイタルらしい。ということで、時間的にぎりぎりだったがなんとか開演に間に合った。さすがに諏訪内晶子はすばらしい。会場の座席が狭くて窮屈なのも、まわりでがさがさ音をさせるマナーの悪い観客がいることも忘れさせてくれる。しかし、演奏の良さに反比例して、ここのホールは最悪だ。とくにロビーでCDをまるでバナナのたたき売りよろしく悪声をとどろかせていた係員がコンサートの雰囲気をだいなしにしてくれた。
1998.9.3 (木) 7:00pm
「NHK交響楽団定期公演Aプログラム」 会場:NHKホール
指揮:チョン・ミュンフン
ソプラノ:中村智子、メゾ・ソプラノ:西明美、テノール:佐野成宏、バリトン:直野資
合唱:二期会合唱団(合唱指導:三澤洋史)
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:篠崎史紀
曲目:
ヴェルディ/レクイエム(死者のためのミサ曲)
(料金:E席1520円)
コメント:
 2カ月振りのN響定期で秋のシーズンが始まった。待ちに待ったという感じで観客もいつに増して多い。静かなピアニッシモに始まりながら「リベラ・メ(我を許し給え)」の主題を1、2、7曲に配したレクイエムというよりはオペラのような華麗な作品。こういう合唱曲を聴くと、人間の声こそもっとも素晴らしい楽器なのだということを改めて感じる。これはCDなどの録音では味わえない生の素晴らしさである。声楽曲やオペラというのは好き嫌いがクラシックファンの中でも好き嫌いが分かれるが(自分も前はあまり好きでなかった)それは生の演奏にふれたことがあるか否かという点も大きいかもしれない。
 さて、N響定期のうち、B定期は今月からサントリーホールへ移ったのだが、実質的には既存の会員専用公演となってしまった。1回券の前売りはなく、S席、A席を中心に100枚程度を当日5時から発売するということだ。低価格で良い演奏を堪能する機会が失われていくのは残念なことだと思う。
(この演奏の模様は9月6日(日)午前0時からBS2で放送されます)
1998.9.1 (火) 7:00pm
「モーストリー・モーツァルト’98」
会場:オーチャードホール
ピアノ:アンドレ・ワッツ
曲目:
ハイドン/ピアノ・ソナタ第48番ハ長調 Hob.XVI-48
モーツァルト/ロンド ニ長調 K.485
モーツァルト/ロンド イ短調 K.511
ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第7番ニ長調 作品10-3
ショパン/幻想曲ヘ短調 作品49
ラフマニノフ/コレッリの主題による変奏曲 作品42
ピッカー/オールド・アンド・ロストリヴァー
リスト/悲しみのゴンドラ第2曲
リスト/ハンガリー狂詩曲第13番イ短調
(アンコール:リスト/イン・ア・ドリーム)
(アンコール:ショパン/エチュード作品25-1)
(料金:D席2000円)
コメント:
 アンドレ・ワッツの華麗なる演奏を堪能。ハイドンからラフマニノフ、ピッカーへと時代順に演奏。そして得意のリストでしめくくるプログラム。アンコールも二曲と大サービス。とにかくワッツの演奏というのは、なめらかでジャズの風味も感じさせる。特にトレモロの軽やかさは素晴らしい。
1998.8.28 (金) 7:00pm
「モーストリー・モーツァルト’98」
会場:オーチャードホール
指揮:ジェラード・シュワルツ
ソプラノ:イン・ファン
ピアノ:アンドレ・ワッツ
演奏:モーストリーモーツァルト祝祭管弦楽団
曲目:
モーツァルト/歌劇「イドメネオ」序曲
モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」より
 レチタティーヴォとアリア「とうとううれしい時が来た〜恋人よ、早くここへ」
モーツァルト/アリア「私の胸は喜びにおどるの」 K.579
モーツァルト/ピアノ協奏曲第9番変ホ長調「ジュノム協奏曲」K.271
モーツァルト/レチタティーヴォとアリア「もうたくさん、あなたが勝ったのだわ〜ああ、私を見捨てないで」K2.486a
モーツァルト/歌劇「魔笛」より アリア「愛の喜びは露と消え」
モーツァルト/モテット「踊り、喜べ、幸いなる魂よ」K.165より「アレルヤ」
モーツァルト/交響曲第41番ハ長調「ジュピター」K.551
(アンコール:モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲)
(料金:D席3000円)
コメント:
 アンドレ・ワッツのピアノはやはり独特のものがある。普通のモーツァルトとは明らかに違う響きがある。彼のピアノはちょっとジャズ的な自由さを感じる。カデンツァは彼のオリジナルかとも思う。9月1日にも彼のリサイタルがあるので楽しみだ。
ソプラノのイン・ファンは悪くはないけれども、「アレルヤ」はそれほどでもなかった。そして「ジュピター」だが、第1楽章は今まで聴いた演奏の中でも最高だった。ところがどうしたことか、第4楽章は全くだめ。ストリングスが全く響いてこない。こんなに落差のある演奏もめずらしいと思う。
1998.8.14 (金) 7:00pm
「バッハ・オルガン・スペシャル Vol.10」
会場:サントリーホール 大ホール
パイプオルガン:アンドレアス・ロートコップ
曲目:
トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
オルガン小曲集(コラール前奏曲)より
 主イエス=キリスト、われ汝を呼ぶ BWV639
 キリスト、汝神の子羊 BWV629
 来れ、創り主にして精霊なる神よ BWV631
フーガ ト短調 BWV578
18のコラール集(ライプチッヒ・コラール)より
 おお会いする魂よ、汝を飾れ BWV654
 主イエス=キリスト、われらを顧みたまえ BWV655
パッサカリア ハ短調 BWV582
前奏曲(幻想曲)とフーガ ト短調 BWV542
6つのコラール(シュブラー・コラール)より
 目覚めよ、と叫ぶ声あり BWV645
 汝イエスよ、今天より降りたもうや BWV650
フーガの技法より BWV1080
 対位法 第1
 対位法 第2
前奏曲とフーガ ホ短調 BWV548
   (アンコール:オルガン小曲集より「来れ、創り主にして精霊なる神よBWV667」)
(アンコール:シェブラー・コラールより「ただ神の摂理にまかす者BWV647」)
(料金:B席3000円)
コメント:
 はじめてのパイプオルガンの演奏会。席はステージの後ろのPブロックの席で最初の「トッカータとフーガ」はステージにおかれたリモコンのオルガンで弾かれたが、次の曲からはパイプオルガンの席で弾いた。自分の座っているすぐ後ろで弾く格好となり、首をねじまげらなければならないが間近で演奏を観ることができた。しかし、中にいくつか音のでないキーがあるらしくてスカスカな感じ。たぶん遠くの席ではパイプからきちんと音が出ているのだろうけれども、演奏者は音がちゃんと出ていない感じがしていただろう。なんとなく演奏後も不満足な表情をしていた。とにかく、今やどこのホールにもパイプオルガンが据え付けられる時代だけれども、ちゃんとメンテナンスできているのだろうか、といぶかしく思ってしまった演奏会だった。
1998.8.2 (日) 2:00pm
会場:サントリーホール 大ホール
指揮:大友直人
ギター:鈴木大介
演奏:東京都交響楽団
曲目:
アルヴェーン/スウェーデン狂詩曲「真夏の徹夜祭」
ロドリーゴ/アランフェス協奏曲
シベリウス/交響曲第2番 ニ長調 作品43
(アンコール:グリーグ/ホルベアの時代から 第1楽章)
(料金:P席1500円)
コメント:
 今回はサントリーホールのP席正面。この席は自分がオーケストラの一員となったような気がして、演奏後、オーケストラと一緒に立ち上がりたくなってしまう。
曲の印象は、アランフェスはギター協奏曲だけに、ギターという楽器の性格上、演奏者の裏側の席は不利。シベリウスは第4楽章を除けば、ちょっと退屈な曲という印象。結構指揮者がうなり声のような声を出しているのが聞こえた。アンコールが僕の好きなホルベアだったのは嬉しい。都響もヴァイオリンなど半分以上が女性だ。
1998.7.22 (水) 7:00pm
会場:サントリーホール 大ホール
「N響夏'98 第1夜〜ロシア 母なる大地の調べ〜」
指揮:ユーリ・シモノフ
演奏:NHK交響楽団
曲目:
グリンカ/歌劇「ルスランとリュドミーラ」序曲
チャイコフスキー/アンダンテ・カンタービレ
ムソルグスキー(リムスキー=コルサコフ編)/はげ山の一夜
チャイコフスキー/スラヴ行進曲
ボロディン(サージェント編)/ノクターン
チャイコフスキー/バレエ音楽「白鳥の湖」より
  第1幕 ワルツ
  第2幕 情景 白鳥の踊り 情景
  第3幕 ハンガリーの踊り
  第4幕 情景 フィナーレ
(アンコール:チャイコフスキー(南安雄・編)/ただ憧れを知るものだけが)
(料金:B席4000円)
コメント:
 サントリーホールのあるアークヒルズの設計者はいったい雨が降ることを想定していないのだろうか?まあ、アークヒルズは徒歩での来客を想定していないのかもしれない。地下鉄の溜池山王駅が出来て便利になったといいながら、結構駅からは歩かされてしまう。
 真夏とは思えぬ気候が続いているが、この日のサントリーホールは熱気に満ちていた。なんという派手な指揮者だろう。まるでタンゴダンサーのような情熱的な指揮ぶり。どの曲も非常にポピュラーな曲だが、はげ山の一夜はゆっくりとしたテンポで聞き慣れた曲とは全く違う曲とも思えるほどでスラブ的色彩の強い演奏だった。
 この日の席はLAブロックでステージの左脇だったのでヴァイオリンの譜面がよく見える。第1ヴァイオリンの楽譜が踊っているのに対して第2ヴァイオリンは規則正しく音符が並んでいて、全く異なっているのが判って面白かった。
 もう一つ気づいたのは、先日の外山雄三&大阪フィルの演奏では、指揮者の降りと音の出だしに微妙なタイムラグがあったのだが、シモノフ&N響はほとんどタイムラグがない。こういうのは指揮者によって結構違うのだろうか。それともオーケストラの質の違いか。たぶん、両方なのだろう。
 この日も一部の観客のマナーの悪さが目立った。隣に座ったおじさんは演奏途中でがさがさ音をさせてあめ玉を取り出すし、ステージの一番前の列の若い女性はあろうことか、演奏中にフラッシュを焚くという暴挙に出ていた。
1998.7.19 (日) 3:00pm
「98南海コンサート」
会場:ラブリーホール(河内長野市立文化会館)大ホール
指揮:外山雄三
ピアノ:小山実稚恵
演奏:大阪フィルハーモニー交響楽団
曲目:
ベートーヴェン/「プロメテウスの創造物」序曲 作品43
モーツァルト/ピアノ協奏曲第25番ハ長調 K.503
リムスキー=コルサコフ/交響組曲「シェラザード」作品35
(アンコール:J.シュトラウス2世/ポルカ「稲妻と雷鳴」)
(料金:全席自由3000円)
コメント:
 たまたま連休で奈良へ旅行することになり、情報紙で小山実稚恵さんの名を見つけてさっそく電話予約した。奈良から河内長野までは車で約1時間。早めに到着できたため、かなり前の方の席に座れた。しかし、なんということか、開演直前までピアノの調律をやっているではないか。ピアノはスタンウエイ。たぶん年に数回しか弾かないのではなかろうか。
 さて、外山雄三指揮も大阪フィルも初めてだが、さすがに演奏はしっかりしている。ピアノはやっぱりちょっと音が堅い気もする。小山実稚恵もなんとなく調子が出ないような感じ。第2楽章の前に席につこうとするハイヒールの音に、オーケストラもため息をついていた。シェラザードは歯切れも良く、なかなか良かった。アンコールが先週の読響と同じく「稲妻と雷鳴」だったので、また雷雨かと思ってしまった。
 楽器の調子という問題はあるにしても、こうした地方都市のコンサートというのもまた別の面白みもあるとも思う。

1998.7.11 (土) 6:30pm
「華麗なる真夏の夜の夢」
会場:所沢市民文化センター「ミューズアークホール」
指揮:大友直人
ヴァイオリン:小林美恵
ピアノ:小山実稚恵
演奏:読売日本交響楽団
曲目:
メンデルスゾーン/劇音楽「真夏の夜の夢」序曲
メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品54
リスト/ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調
チャイコフスキー/イタリア奇想曲 作品45
(アンコール:J.シュトラウス2世/ポルカ「稲妻と雷鳴」)
(料金:B席2500円)
コメント:
 所沢というとなんとなく遠い気がしていたが、西武線を使うと30分ちょっとでついてしまう。ミューズは93年に出来たという比較的新しいホール。外見はチョコレートケーキみたいで趣味が悪いと思うが。1階の一番後ろの席だが2000人収容のホールにしてはステージとそれほど離れていなくて見やすい設計である。
 演奏については最初の曲はまだ乗ってない感じ。二曲目、あのメンデルスゾーンの最初のヴァイオリンもあまり鳴ってない感じ。だが徐々に調子が出てきて第1楽章のカデンツァのあたりは良かった。しかしプロの演奏というのは開巻ノッケからフルスロットで演奏できなくてはいけないのではないだろうか?実際にはなかなか難しいとは思うが。休憩をはさんでリストのピアノ協奏曲は良い演奏で小山実稚恵さんの実力を再認識させられた。イタリア奇想曲あたりになるとかなり音もなじんできてオーケストラもリラックスした感じ。こういう地方都市の聴衆は日頃コンサートにいきつけない人も多くてマナーがちょっと、という面もあって、この日も携帯電話をならす人やら食事をしているひとまでいて、困ってしまう。(かくいう私も鞄を倒してしまったので、人のことはとやかく言えないか)
さて、となっています最後の曲が終わって指揮者が「外は雷雨となっているようです。」と前置きしてアンコールの「稲妻と雷鳴」。みんなジョークと思ったのだが、外は本当の雷雨となっていた!事前にアンコール曲が決まっていたのか、とっさにアンコール曲を決めたのかは不明だが、なかなか気の利いた選曲でした。
1998.7.4 (土) 6:30pm
「村治佳織ギターリサイタル」
会場:なかのZERO小ホール
ギター:村治佳織
曲目:
アグスティン・バリオス/大聖堂
アグスティン・バリオス/森に夢見る
ホアキン・ロドリーゴ/3つのスペイン風小品
マヌエル・ポンセ/南のソナチネ
武満徹/すべては薄明のなかで〜ギターのための4つの小品〜
イサーク・アルベニス/コルドバ
イサーク・アルベニス/セヴィーリャ
マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ/ソナタ「ヴォッケリーニ賛」作品77
(アンコール:ロドリーゴ/小麦畑で、古風なティエント)
(料金:全席指定1000円)
コメント:
 1978年生まれというから今年21歳。デビューアルバムが93年ということは当時15歳。10歳代で絶賛された少女が20歳代にどんな活躍を見せるのか。これからが大変な時かもしれない。そんな風に思ったのは、この日のリサイタルを聴いてそれほど強い印象を受けなかったから。特に最初の方の曲は楽器の調子が悪かったのかもしれないが、あまり乗っていないような印象。休憩をはさんで武満の曲からは良くなってきたが全体としてはちょっと堅い感じだった。ラテンの曲はもっとのびのびとおおらかに弾いて欲しいと思う。そういう点ではこういった曲を弾くのは、もっと人生経験が必要なのかもしれない。CDなどを見るといかにもアイドルとして売り出している面が強いが、ちやほやされる時代は短い。あせらずしっかりと成長してほしいと思う。
1998.6.24 (水) 7:00pm
「第1357回定期公演Bプログラム」
会場:NHKホール
指揮:ハインツ・ワルベルク
演奏:NHK交響楽団
ピアノ:イングリート・ヘブラー
コンサートマスター:篠崎史紀モーツァルト/ピアノ協奏曲 ト長調 K.453
ベートーヴェン/交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
(料金:E席1520円)
コメント:6月20日に72歳の誕生日を迎えたイングリート・ヘブラー。しかし、なんと、開演直前までリハーサルを行っており、開場がいつもより30分遅れた。一見さりげなく弾いているように見えて裏ではたゆまぬ努力を続けているという姿勢には心打つものがある。一方のベートーヴェンの「英雄」は特に印象的な演奏というほどでもなく、その長さもあってちょっと退屈だった。終演後、今回でN響定期は最後となるフルート首席奏者の小出氏がさかんな拍手を浴びていた。
 前回と今回の開演前にロビーで壇ふみさんを見かけた。両日とも黒のドレスでTVで観るのと変わらない印象。毎回来られているのだろうか。
1998.6.21(日) 7:00pm
「第168回定期演奏会」
会場:昭和女子大人見記念講堂
指揮:藤岡幸夫
ヴァイオリン:諏訪内晶子
演奏:慶應義塾ワグネル・ソサィエティ
曲目:
バーンスタイン/「キャンディード」序曲
ドヴォルザーク/ヴァイオリン協奏曲 イ短調 作品53
チャイコフスキー/交響曲第4番 ヘ短調 作品36
(料金:全席指定2500円)
コメント:諏訪内晶子が聴きたいと思っていたのだが、ぴあで幸運にも1週間前にチケット入手。ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲はあまり演奏されない曲らしいが、それほど印象的な作品ではなかった。しかし間近に諏訪内晶子を見られたのはうれしい。プログラムによればワグネルに諏訪内さんの弟さんが所属しているという縁で今回の公演となったという。アマチュア楽団としてはトップレベルといえる演奏で、特にチャイコフスキーはにぎやかな曲で若者らしい溌剌とした演奏にマッチした選曲であったと思う。
1998.6.18 (木) 7:00pm
「第1356回定期公演Aプログラム」
会場:NHKホール
指揮:ハインツ・ワルベルク
チェロ:ミーシャ・マイスキー
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:山口裕之
曲目:
スッペ/喜歌劇「詩人と農夫」序曲
サン・サーンス/チェロ協奏曲第1番イ短調作品33
ブルッフ/コル・ニドライ 作品47
(アンコール:J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲第1番ト短調)
フランク/交響曲ニ短調
(料金:E席1520円)
コメント:前半はチェロを主体とした曲で構成。詩人と農夫はN響首席チェロ奏者木越洋さんのソロパートが聞き所。サン・サーンスとブルッフの二曲はミーシャ・マイスキーさんのチェロを堪能。銀髪を振り乱して頭で指揮をするかの様子は情熱的で華やかな演奏。1曲目は銀色の上着、2曲目は落ち着いたグレーの上着と曲に合わせていでたちも変えてきたが、やはり圧巻はアンコールのバッハである。いままで聴いたことのないような情感たっぷりに歌い上げた演奏であった。これを聴けただけでもこの日来た甲斐があったというものだ。

1998.6.12 (金) 7:00pm
「第1355回定期公演Cプログラム」
会場:NHKホール
指揮:ハインツ・ワルベルク
ヴァイオリン:ギル・シャハム
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:堀正文
シューベルト/「ロザムンデ」序曲 D797
ブルッフ/スコットランド幻想曲 作品46
(アンコール:クライスラー/レスタチーヴォとスケルツォ)
ドヴォルザーク/交響曲第8番 ト長調 作品88
(料金:E席1520円)
コメント:1966年以来15回目のN響との共演になるハインツ・ワルベク。いかにも息のあった演奏。今回の聴きものはギル・シャハム弾くスコットランド幻想曲。10歳でデビューして、27歳の今すでにヴェテランとも言えるシャハムの弾くヴァイオリンは「ポリーニャック伯爵夫人」の名が付けられた1699年製のストラディヴァリだそうで、湿気の多いこの時期によく来日してくれたと思う。その超絶技巧をいかんなく発揮させる演奏で、特にアンコール曲の指使いはすごかった。
 ドヴォルザークの交響曲第8番は初めて聴く曲だが、あまり印象的な曲ではないと思った。ところどころに美しいメロディーがあったりはするが、それが全体的なつながりという面では生きていないように感じた。
1998.6.4 (木) 7:00pm
「としまコミュニティコンサート」
会場:東京芸術劇場大ホール
指揮:秋山和慶
ソプラノ:高橋薫子
演奏:東京交響楽団
オール・モーツァルト・プログラム
交響曲第25番 ト短調 K.183
歌劇「ドン・ジョヴァンニ」〜アリア「ぶってよ、マゼット」(ツェルリーナ)
歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」〜アリア「女も15になれば」(デスピーナ)
歌劇「魔笛」〜アリア「ああ、私の喜びは消え失せた」(パミーナ)
歌劇「フィガロの結婚」〜レチタティーヴォ「とうとう嬉しい時が来た」アリア「早くおいで、美しい喜びよ」(スザンナ)
アンコール:歌劇「フィガロの結婚」〜アリア「恋とはどんなものかしら」(ケルビーノ)
交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」
アンコール:バレエ音楽「レ・プティ・リアン」〜第10曲「パントマイム」
(料金:C席1800円)
オール・モーツァルトの気軽なコンサート。気軽だけに観客もちょっとマナーの悪い人がいるのが気になる。若者5人組は演奏中におしゃべりしているし、演奏中にチラシをがさがさいわせているオジサンもいる。演奏自体はそれほど悪くなかったと思う。しかし東響のヴァイオリンは男性が3人であとは女性。ここまで女性の比率の多いオーケストラはアマチュア以外では初めて。ホルンがちょっと音をはずし気味だったが。ソプラノの高橋薫子は最初はちょっと声が出ていない感じだったが2曲目くらいからは徐々に良くなってアンコールがいちばん良い。オーケストラも管楽器がないアンコール曲がいちばん出来が良かった気がする。うーむ。
1998.5.25 (月) 7:00pm
「ピアソラとラテンの饗宴」
(日本アルゼンチン修好100周年記念特別公演)
会場:オーチャードホール
指揮:ペドロ・イグナチオ・カルデロン
ギター:エドゥアルド・イサーク
バンドネオン:ダニエル・ビネーリ
ピアノ:マルタ・アルゲリッチ
演奏:国立アルゼンチン交響楽団
(アルゼンチン国歌、君が代 演奏)
ヒナステラ/「南米のファウスト」のための序曲 作品9
ピアソラ/バンドネオンとギターのための協奏曲「リエージュ」
ファリャ/バレエ音楽「三角帽子」より
  粉屋の女房の踊り、隣人たちの踊り、粉屋の踊り、終幕の踊り
ラヴェル/ピアノ協奏曲ト長調
(アンコール:ヒナステラ/かわいらしい女性のダンス)
ラヴェル/ボレロ
(アンコール:レ・ペラ/我が懐かしのブエノスアイレス
(料金:C席6000円)
コメント:日本=アルゼンチン修好100周年記念の特別公演。国立アルゼンチン交響楽団が初来日。マルタ・アルゲリッチも特別出演でラヴェルのピアノ協奏曲を弾くという贅沢なプログラムでこの日はアルゼンチンのナショナル・デイということで両国国歌の演奏から始まった。ヒナステラの「南米のファウスト」は1945年初演の 曲で、音色豊かなユニークな作品。ピアソラの「リエージュ」もおなじみピアソラらしいモダンな曲。ギターとバンドネオンが素晴らしい。ファリャの「三角帽子」もよく演奏される曲だがスペインの国民的作曲家の代表作とあってカスタネットなどをふんだんに使って魅力ある曲。
 休憩をはさんでいよいよアルゲリッチ登場。”あの”ラヴェルのピアノ協奏曲。ジャズ的とも東洋的ともいえる曲だが、ラヴェル自身がバスク人であることからもよりラテン的な曲といえる。アルゲリッチのピアノは思ったほど速い演奏ではなく、特に第2楽章は素晴らしく円熟の技を魅せた。アンコールの後、ラヴェルのボレロ。この曲は演奏する方にとっては非常な苦痛かもしれない。特に最初から最後まで同じリズムをたたき続けるドラムは大変だろう。しかしCDで聞くのとは違ってだんだんといろいろな楽器が音を加えていくその課程を目で観ることが出来るという点でもコンサート向きの曲だ。楽団員の緊張が伝わる。アンコールを加えて終了したのは9時半。非常に内容の濃いプログラムを満喫した。
1998.5.24 (日) 2:00pm
「第233回名曲コンサート」
会場:サントリーホール
指揮:高関 健
ピアノ:仲道郁代
演奏:日本フィルハーモニー交響楽団
チャイコフスキー/バレエ「くるみ割り人形」〜花のワルツ
チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 作品23
チャイコフスキー/交響曲第6番ロ短調「悲愴」作品74
(料金:A席4800円)
コメント:サントリーホールは初めて。ブドウ畑式のホールでどこの席からも舞台も見やすそうだ。音響も良好だが、あまりに良すぎて客の咳もよく響く。
日本フィルは私が初めてコンサートへ行ったオーケストラなのであるが、N響を聞き慣れた耳にはちょっと物足りない気もする。といってどこが悪いというわけでもないのだが。それは指揮者のせいなのかもしれない。特に自分の好きな曲はなおさら採点が厳しくなってしまうが、今日の演奏はもうちょっとメリハリが欲しいところだ。ハンス・ドレヴァンツと比較するのは酷だけれども、やっぱりどうしても比べてしまう。
1998.5.20 (水) 7:00pm
「第1354回定期公演Bプログラム」
会場:NHKホール
指揮:アンドレ・プレヴィン
笙:宮田まゆみ*
ソプラノ:ロバータ・アレキサンダー
ピアノ:アンドレ・プレヴィン
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:堀正文
武満徹/セレモニアル-An Autumn Ode-(1992)*
モーツァルト/シェーナ「どうして、あなたを忘れられ ましょうか」とロンド「恐るるな、愛する人よ」K.505
マーラー/交響曲第4番ト長調
(料金:E席1520円)
コメント:笙の宮田まゆみさんの写真はいつも横顔。初めて笙を吹く姿を観て納得。全く顔が隠れてしまう。しかし笙の音色というのは、思ったよりも甲高く、時に耳障りとも思える。武満徹の音楽は、映画などではおなじみなのであるが、こうしてコンサートという形で聞くと、ううむ、と思ってしまう。
 モーツァルトの歌曲ではプレヴィン氏がCプロに続いて再びピアノを弾きながらの指揮。ソプラノのロバータ・アレキサンダーさんは褐色の肌と豊満な肉体に圧倒される。そしてマーラーの交響曲第4番。今までマーラーには長大で退屈、というイメージがあったのだけれども、この曲は長さもまあまあだし(といっても1時間近いが)何より旋律が美しい。第4楽章では再び登場のアレキサンダーさんの独唱を堪能。へんなかけ声をかけるブラボー野郎がいなければ最高の演奏でした。(「ブラボー、イエィ!」だもの)
1998.5.14 (木) 7:00pm
「第1353回定期公演Aプログラム」
会場:NHKホール
指揮:アンドレ・プレヴィン
演奏:NHK交響楽団
ハイドン/交響曲第102番変ロ長調 hob.I-102
ベートーヴェン(ミトロプーロス編曲)/弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調作品131
(料金:E席1520円)
コメント:プレヴィンがN響の実力を試すかのようなプログラム。ハイドンの交響曲102番の方が私は好きだ。明るい雰囲気でモーツァルトとも、ベートーヴェンとも相通ずるものを感じた。ベートーヴェンの弦楽四重奏はかなり重たい曲で、7楽章が切れ目なく、30分強という長さの割には苦痛を感じる曲。晩年のベートーヴェンを象徴するような曲だ。
1998.5.8 (金) 7:00pm
「第1352回定期公演Cプログラム」
会場:NHKホール
指揮・ピアノ:アンドレ・プレヴィン
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:堀正文
モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲 K.492
モーツァルト/ディヴェルティメント ヘ長調 K.138(K6.125c)
モーツァルト/ピアノ協奏曲ハ短調 K.491
モーツアルト/交響曲第39番変ホ長調 K.543
(料金:E席1520円)
コメント:アンドレ・プレヴィンのオール・モーツァルトプログラム。今年69歳というプレヴィン氏の指揮は、円熟というよりもむしろ若々しい。速いテンポで軽快な演奏を披露してくれた。圧巻はハ短調のピアノ協奏曲。プレヴィン自身のピアノでモーツァルトもこのように演奏したのかもしれないと思わせる。右手でピアノを奏でつつ左手はオーケストラを指揮するということがうまく作られている曲だということがはっきりと判る。偉大なマエストロ、プレヴィンの面目躍如といったところで生で演奏会に行くことの喜び、ここに極まれり。
1998.4.29(水) 7:00pm
「第1351回定期公演Bプログラム」
会場:NHKホール
指揮:準・メルクル
ピアノ:スティーヴン・コワセヴィチ
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:篠崎史紀
モーツァルト/歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲 K.527
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番変ホ長調
ブラームス(シェーンベルク編)/四重奏曲ト短調作品25
(料金:E席1520円)
コメント:新進指揮者シリーズの最後を飾るのは日系ドイツ人の準メルクル。今日は前二回に比べて客の入りもよく、人気のほどがうかがえる。その演奏はきびきびしていて、特にブラームスのピアノ四重奏曲をシェーンベルクがオーケストレーションした3曲目は熱演だった。ひきかえて「皇帝」はソリストと指揮者の呼吸があってないような感じで、スティーヴン・コワセヴィチの演奏はちょっと正確に弾いていない気がした。オーケストラのずれを感じたのだが。
1998.4.24(金) 7:00pm
「第1350回定期公演Aプログラム」
会場:NHKホール
指揮:アラン・ギルバート
ピアノ:アンヌ・ケフェレック
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:山口裕之
ウェーベルン/パッサカリア作品1
モーツァルト/ピアノ協奏曲変ホ長調K.271
バルトーク/管弦楽のための協奏曲
(料金:E席1520円)
コメント:31歳の若手日系指揮者、アラン・ギルバート登場。
 出だし静かな弦楽のピチカートで始まり、一緒に行った人が、「N響が反乱を起こしたのかと思った」ほどの静かな幕開けの曲。ウェーベルンとバルトークの現代的な2曲の間にモーツァルトを挟むというプログラムは、モーツァルトが弦楽のほかはオーボエとホルンが2人ずつという小編成なのに音量はかえってモーツァルトの方が大きく感じられる。大編成の他の曲の方が懸命に小さな音を出そうとしていたりするのが好対照とも言 える。全体としては若々しさというよりは若さが出た、という気もする演奏だったと思う。(曲を聞くのが初めてなので定かではないのだが)
1998.4.17 (金) 7:00pm
「第1349回定期公演Bプログラム」
会場:NHKホール
指揮:ウルフ・シルマー
ピアノ:ジャン・フィリップ・コラール
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:堀正文
モーツァルト/歌劇「魔笛」序曲K.620
サン・サーンス/ピアノ協奏曲第2番ト短調作品22
R・シュトラウス/家庭交響曲作品53
(料金:E席1520円)
コメント:3月はN響が地方公演をするために4月は毎週定期公演がある。来年からは3月の定期はなくなるらしいが。例年4月は日本の若手(?)指揮者のシリーズだが、今年は海外の若手。この日のウルフ・シルマーは39歳ということで私と同じ年である。登場してびっくり。プログラムの写真とは全然違う。メガネをかけて、しかもひげづらである。
 さて、曲目の方であるが、オーソドックスなオペラの序曲、協奏曲、交響曲というプログラムでしかもモーツァルトと、モーツァルトを敬愛した二人の作曲家の曲。しかしやっぱりサン・サーンスの方が自分には好きだ。R・シュトラウスの家庭交響曲は総勢102人という大人数の編成だが、当時目新しい楽器であったサックスが4人並んでいるがほとんど活躍の場がなく、いつ吹くのだろうとずっと待っていた。
1998.4.2 (木) 7:00pm
「第1347回定期公演Bプログラム」
会場:NHKホール
指揮:シャルル・デュトワ
ヴァイオリン:リーラ・ジョセフォヴィッツ
女声合唱:二期会合唱団
合唱指導:三澤洋史
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:堀正文
ドビュッシー/小組曲
プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調作品63
ホルスト/組曲「惑星」作品32
(料金:E席1520円)
コメント:今回もとっつきにくいプロコフィエフをポピュラーなドビュッシーとホルストの惑星でサンドイッチしたプログラム。プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲2番はたぶん単独だったら私は聴きにいかないだろう。どうして現代の音楽は聴衆にとって不愉快と思われる音をこれでもかと聞かせるのだろうか?たとえ技巧的に難曲としても、聞いていて気持ちの良さのない曲というのは自分にとってはノイズでしかない。ということでドビュッシーとホルストの二曲は心地よい曲で、特に惑星の最後「海王星」の遠くから聞こえる女声合唱はまるで天女のコーラス。今日 は「悲愴」の時のようなぶちこわしの拍手はなく、デュトワさんが振り返るまで十分な余韻を残して終わった。
1998.3.28 (土) 2:15pm
「第1346回定期公演Bプログラム」
会場:NHKホール
指揮:シャルル・デュトワ
ハープ:吉野直子*
ピアノ:上田晴子*
ハープシコード:本荘玲子*
ピアノ:ブルーノ・レオナルド・ゲルバー
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:堀正文
ロッシーニ/歌劇「セビリアの理髪師」序曲
マルタン/プティト・サンフォニー・コンセルタント*
ブラームス/ピアノ協奏曲第1番ニ短調作品15
(料金:S席8150円)
コメント:いつもE席なのになぜ今回いきなりS席なのかというと、入り口でいつものように当日券を買おうとしたら、オジサンによびとめられて余り券をもらったから。しかも無料で。なんという幸運。というわけで一階席でいつもとは違った雰囲気で観たのだけれども、指揮者や弦楽器のひとたちひとりひとりの姿はよく見えるが管楽器や打楽器は見えなくて高い席がいい席かというと、それぞれ一長一短なわけだ。さて、今日のプログラムの目玉はデュトワが同じくスイス出身の作曲家マルタンを取り上げたということだと思うが、どうも現代音楽は私には判らない。ひたすら眠いだけであった。ブラームスのピアノ協奏曲を弾いたブルーノ・レオナルド・ゲルバーは小児麻痺を克服したピアニストということで足を引きずっての登場だが、演奏は迫力あるもので、改めてピアノという楽器が相当の体力を要する楽器であること を印象づけられた。
1998.2.25(水) 7:00pm
オペラ全2幕「ドン・ジョヴァンニ」
−原語上演−(オペラ研修所第11期生終了公演)
会場:新国立劇場 中劇場
作曲:モーツァルト
台本:ダ・ポンテ
指揮:パヴレ・デシュパイ
演奏:東京交響楽団
チェンバロ:小埜寺美樹
マンドリン:青山忠
演出:西澤敬一、振付:古荘妙子、装置:川本清子、衣装:林なつ子
照明:成瀬一裕、舞台監督:池田正宣/大仁田雅彦
ドン・ジョヴァンニ:甲斐栄次郎
ドンナ・アンナ:針生美智子
ドン・オッターヴィオ:小林大作
ドンナ・エルヴィラ:手嶋眞佐子
騎士長:彭康亮(補助員)
レポレッロ:小鉄和広(補助員)
マゼット:久保和範(補助員)
ヅェルリーナ:山本香代
合唱:二期会合唱団
(料金:3000円)
コメント:オペラ見物も3度目となったが、今回は初の原語上演。しかも字幕なしということでけっこうきつかった。きつかったのはこの劇場のシートの質の悪さ。1時間もすわっているともうどうにも耐え難い椅子で、これが「国立」の実体である。上演中は客席は真っ暗なのであるが、平日の午後6時開演というためか、開演中にも観客が入ってくるというマナーの悪さにも閉口。しょせんは研修所の終了公演ということか。雰囲気はクラス発表会に近いものがあった。オペラは音楽を楽しむのか、劇として楽しむのか、楽しみかたもいろいろなのだけれども、やっぱり歌詞の内容が判る方が楽しいので日本語上演の方が自分にとっては楽しい。演じているのが日本人で観客がほとんど日本人なのにわざわざイタリア語で歌ってしかも字幕もつかないっていうのは本当に奇妙な話だと思う。まあほとんどの観客は歌詞の内容までそらんじているというのならそれでもいいが、それにしてはこの上演中、笑いが起こる場面なぞ一度もなかったし、けっこうたいくつしていた観客も多かったのではなかろうか。
 歌手については、外見の美しいひとがかならずしも美声とは限らず、オペラというもののもつ矛盾みたいなものも感じられた。劇そのものを楽しむには、ストーリー自体に無理がありすぎるものね。
1998.2.12 (木) 7:00pm
「第1344回定期公演Bプログラム」
会場:NHKホール
指揮:ホルスト・シュタイン
ピアノ:ラルス・フォークト
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:堀正文
シベリウス/組曲「カレリア」作品11
グリーグ/ピアノ協奏曲イ短調作品16
グリーグ/組曲「ホルベアの時代から」作品40
シベリウス/交響曲第7番ハ長調作品105
(料金:E席1520円)
コメント:ドイツの指揮者、ピアニストによる北欧の作曲家の演奏プログラム。特にグリーグのピアノ協奏曲は私の好きな曲なので楽しみにしていたプログラムである。私の母がペールギュントが好きでこの曲とペールギュントが組みになったレコードを子どもの頃からよく聴いたということでそういう意味で懐かしい曲なのだが、一般的にも最もポピュラーなクラシックのひとつとも言える曲だろう。プログラムには「この手垢のついた不幸な協奏曲」と書いているが、私にとっては常に新鮮な驚きを感じる、実にさまざまな要素の混じった曲だと感じる。同じ作曲家の「ホルベアの時代から」はストリングスのみによる組曲でバロック時代 の楽章構成で「古風な形式による組曲」という副題がついている。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロがそれぞれ独奏パートの見せ場を持っていてあたかも弦楽奏のような部分もあるが室内楽の規模ではなく、あくまでシンフォニーオーケストラの規模を意識した曲だ。シベリウスの二曲については「カレリア」は非常に明るい雰囲気の曲で楽しいが、交響曲7番はめりはりがなく退屈な感じ。今日のプログラム全体の構成としては理解できるが、生理的にはこの曲がない方がよかった。
1998.1.21 (水) 7:00pm
「第1342回定期公演Bプログラム」
会場:NHKホール
指揮:ハンス・ドレヴァンツ
ピアノ:スタニスラフ・ブーニン
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:堀正文
モーツァルト/歌劇「後宮からの誘拐」序曲K.384
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第3番ハ短調作品37
ブラームス/交響曲第4番ホ短調作品98
(料金:E席1520円)
コメント:さすがにブーニン人気いまだ衰えずということかはたまた最近雪の影響で空いてたのを見慣れたせいか、客席は満席に近い状態。そのブーニンの演奏を初めて聴いたのだけれども、派手なパフォーマンスというよりも静かなデリケートな演奏という印象。これは今回の指揮者、ドレヴァンツのタクトの影響も大なのかもしれないが、そういえば、今月のプログラムはチャイコフスキー、マーラー、ブラームスのそれぞれ最晩年の曲が中心となっており、それを丁寧に演奏していたという印象である。定番ともいえるポピュラーな曲をきちんと演奏するということはなんでもないようで実は結構難しいことなのかもしれない。
1998.1.16(金) 7:00pm
「第1341回定期公演Aプログラム」
会場:NHKホール
指揮:ハンス・ドレヴァンツ
アルト:ドリス・ゾッフェル
テノール:ロバート・ガンビル
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:山口裕之
曲目:
マーラー/交響曲第10番から「アダージョ」嬰ハ短調
マーラー/交響曲「大地の歌」
(料金:E席1520円)
コメント:FMの解説者によると(コンサート会場で生放送の解説をFM放送で聴くというのも妙なもんだが)マーラーは若い人の間で人気があるのだという。しかし自分にとっては、やっぱりマーラーは長すぎると思う。大地の歌はマーラー9番目の交響曲で、交響曲を9曲作曲すると死ぬというジンクスを嫌って9番という番号をつけなかったということらしいが、結局10番が未完のままマーラーは死ぬ。大地の歌を聴くと第5楽章まではそれぞれ変化があっていいのだが、ここまできてやっと半分、第6楽章が30分ぐらいある。部分的にははっとするような美しい旋律もあるのだけれども、(日本的な旋律もあったように思う)マーラーは生理的な限界ぎりぎりの忍耐を強いる曲のように思う。こういう曲を若い人が本当に好むのだろうか?タケミツやマユズミの現代作品を好む人がいることが信じられないと同じくらい、私には信じがたい思いである。
1997.1.11(日)6:00pm
オペラ全4幕「フィガロの結婚」
−訳詞上演−(ニューイヤー・オペラ)
会場:新宿文化センター
作曲:モーツァルト
台本:ダ・ポンテ
訳詞:中山悌一
指揮:沼尻竜典
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
演出:池田直樹、舞台美術:鈴木俊朗
衣装:半田悦子、照明:奥畑康夫
舞台監督:大仁田雅彦
アルマヴィーヴァ伯爵:勝部太
伯爵夫人:島崎智子
スザンナ:横山美奈
フィガロ:池田直樹
ケルピーノ:菅有実子
マルチェリーナ:岩森美里
ドン・バリジオ:近藤政伸
ドン・クルチオ:宮崎義昭
ドン・バルトロ:新保堯司
アントニオ:菅野宏昭
バルバリーナ:小林真由美
合唱:二期会合唱団
(料金:B席3000円)
コメント:
 スザンナ役が腰越満美から変更。
 オペラを観るのは二回目だが、前回の「コシ・ファントゥッテ」に比べると登場人物も多く、しかも有名な、”6重奏”まである。せっかくの歌もこれではまったく聞き取れないわけで、モーツァルトはいったいどういうつもりで作曲したのだろう、などと思いつつ、翻訳上演にもかかわらずあまりストーリーもわからぬ。それほど複雑なストーリーではないのだけれど。
 伯爵夫人とスザンナが入れ替わるところで衣装が二人とも同じようなので、ちょっとわかりにくかった。オペラを観に行く人は筋書きなぞは先刻ご承知のことなのかもしれないが、やはり、オペラとかバレエとかは事前にストーリーぐらいは頭に入れておいたほうがいいらしい。(ストーリーを知らずにいくほうが無謀だって?)
1998.1.8 (木) 7:00pm
「第1340回定期公演Aプログラム」
会場:NHKホール
指揮:ハンス・ドレヴァンツ
ヴァイオリン:藤川真弓
演奏:NHK交響楽団
コンサートマスター:篠崎史紀
曲目:
ロッシーニ/歌劇「どろぼうかささぎ」序曲
モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219「トルコ風」
チャイコフスキー/交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」
(料金:E席1520円)
コメント:東京地方の大雪で聴衆は極端に少ない。「どろぼうかささぎ」序曲はよく演奏される有名な曲で冒頭のドラム連打が印象的。モーツァルトの「トルコ風」は第3楽章の”トルコ風”の部分がやはり魅力。ソロの藤川真弓はちょっと堅い印象だった。
「悲愴」はチャイコフスキー最後の曲で、第4楽章はチャイコフスキー自筆スコアではアンダンテなのだが作者の死の直後にこの曲を指揮したナープラヴニークによってアダージョに書き換えられたのだという。個人的には第3楽章の行進曲の部分がミスマッチない印象だが第4楽章の静かなエンディングと好対照とも思える。第2楽章が最も美しく甘美な部分で改めてチャイコフスキーはいいなあ、と感嘆させられる。
 しかし、ひとつだけ今日の演奏でミソをつけたのは、エンディングの静かな余韻にひたるまもなく、これみよがしな拍手を送った一人の聴衆である。この聴衆はTV番組のディレクターのごとく、”無知な大衆が曲の終わりを判別できなかろうから自分が周囲に拍手のタイミングを教える”とでもするかのように指揮者の腕がまだ下がりきりもしていない間から拍手を送った。この大雪にもかかわらず公演を聴きに来たこの日の聴衆はさすがにこの振る舞いに雷同することなく、指揮者の手が下がり、客席に挨拶をするころにようやく高まりを見せる。曲によるが、見境なしにブラボーを叫ぶ”ブラボー野郎”など一部のこうしたパフォーマンスは度を超すと不愉快なものである。

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