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コンサート日記2007年


2007年10月8日(月祝)(5:00pm開演)(6:55pm終演)
東京交響楽団 第44回新潟定期演奏会
会場:りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館コンサートホール
指揮:秋山和慶
ソプラノ:野田ヒロ子、メゾ・ソプラノ:小川明子、テノール:錦織健、バリトン:三原剛
合唱:にいがた東響コーラス、合唱指揮:山神健志
コンサートマスター:大谷康子
曲目
シューベルト/交響曲第7番 ロ短調D.759「未完成」
(休憩20分)
モーツァルト/レクイエム K.626
(アンコール:モーツァルト/アヴェ・ヴェルム・コルプスK.618)
(料金:B席会員=3000円)
コメント:
 未完成交響曲とレクイエムはいずれも未完成な作品。面白い取り合わせであった。「未完成」はもともと2楽章で作られたというのは俗説で、何らかの理由で3楽章以降が作られなかった作品。しかし、そんな未完成な作品をこともあろうにシューベルトはグラーツの音楽協会に献呈しているんだそうである。シューベルトっていったいどういう人?まあ作品の経緯はとにかく、作品は素晴らしい。素晴らしすぎて後が続かなかったのかな?マエストロ秋山が丁寧に料理しておりました。
 続くモーツァルトのレクイエムは、やはり良い。だけど、やっぱりラクリモサまでだ。ジュスマイヤーの付け足した部分はどうにも無難にすぎて、一所懸命演奏している東響とコーラスには悪いけれども蛇足にすぎない。やっぱりこの曲はラクリモサまでで「お後がよろしいようで」と切り上げたほうが演奏する側も聞く側もすっきりするような気がする。キリスト教的にはそれは邪道かもしれないけれども、演奏会的には、ね。
 蛇足の口直し、と言ってはなんだけれども、アンコールがあったよ。「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。やっぱりモーツァルトはいいね。
2007年10月7日(日)(2:00pm開演)(3:45pm終演)
ネーベル室内合奏協会 第59回定期演奏会
会場:新潟市音楽文化会館ホール
チェロ独奏:奥村景、ヴァイオリン独奏:奥村和雄、庄司愛、原崇教、チェンバロ独奏:井山靖子
曲目:
ヴィヴァルディ/ヴァイオリン協奏曲作品8−4「四季」より「冬」
バッハ/チェンバロ協奏曲 ニ長調BWV1054
ヴィヴァルディ/チェロ協奏曲ロ短調F.IIIno.9
(休憩15分)
ヴィヴァルディ/ヴァイオリンとチェロのための協奏曲ヘ長調F.IVno.5「プロメテウス」
バッハ/2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調BWV1043
(アンコール:ヴィヴァルディ/調和の霊感から2つのヴァイオリンの協奏曲第1楽章)
(料金:当日1200円)
コメント:
 奥村和雄氏と息子の景さんの共演が見ものの室内楽。とはいえ、景さんは才能は感じさせるものの、まだまだ演奏は不安定な感じ。ソリストとして生きていくにはちと厳しいかも。曲目はヴィヴァルディとバッハで構成されていたけれども、バッハが時にたいくつさを感じたのに対し、ヴィヴァルディはいずれも変化に富んでいて面白い。まだまだ知らない曲の多いヴィヴァルディ。いろいろ聞いてみたいと感じた。
2007年9月29日(土)(6:30pm開演)(8:30pm終演)
新潟フルートアンサンブル・アカデミー第8回演奏会
会場:だいしホール
指揮:磯部省吾
フルート:石丸涼子/川瀬珠美/木了由華/小林勇治/坪川麻樹子/堀井康子/本間千鶴子/松田佳/水島あや/武藤千明/藻谷恵波/榎本正一(賛助)/福田聡子(賛助)
ピアノ:大谷内陽子
歌:演劇スタジオキッズ・コースAPRICOT(大竹雅/黒井夕里亜/磯野知世)
打楽器:反町厚子
曲目:
ヴィヴァルディ/協奏曲 作品3−8 第1楽章
モーツァルト/オーボエ四重奏曲 作品370
藤井園子/フルート・オーケストラのためのマリオネット
SELECTION FROM THE SOUND OF MUSIC
(休憩15分)
野瀬珠美/グスコーブドリの伝記(原作/宮沢賢治)〜共演 APRICOT〜
グリーグ/ホルベアの時代から 作品40
(アンコール:千の風になって、ほか)
(料金:全席自由当日1800円)
コメント:
 たまたまホールの前を通りかかったら、コンサートのポスターが張ってあったので寄り道をしてみました。フルートだけのオーケストラということで、ピッコロから大はもう持って演奏することも不可能なコントラバス・フルートまで多彩なフルートを使っている。まずはヴィヴァルディの協奏曲から始まり、モーツァルトのオーボエ四重奏をフルート5本で演奏。次はサウンド・オブ・ミュージックメドレーである。
そして宮沢賢治の作品を主題にした「グスコーブドリの伝記」は演劇スタジオ・アプリコットの3人の女子中・高生の歌を交えての演奏。そしてグリーグのホルベア。多彩なプログラムでフルートだけでもなかなか楽しめた。

2007年9月15日(土)(3:00pm開演)(5:05pm終演)
NHK交響楽団第1598回定期演奏会Cプログラム
会場:NHKホール(東京)
指揮:アンドレ・プレヴィン(Andre Previn)
ピアノ:ジャン・イヴ・ティボーデ(Jean-Yves Thibaudet)
管弦楽:NHK交響楽団
コンサートマスター:堀正文
曲目:
ラヴェル/組曲「マ・メール・ロワ」
ラヴェル/ピアノ協奏曲ト長調
(休憩15分)
ラヴェル/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」(全曲)
(料金:E席自由1500円)
 先週に引き続き、プレヴィンのN響を聞く。プログラムの改変でA、Cプログラムとも土日にかかるようになり、地方からもN響定期に行きやすい状況になったのはありがたい。おかげでプレヴィンの指揮を2回も目にすることができた。今日の曲はオール・ラヴェル。プレヴィンらしさがあふれている。ピアノ協奏曲はジャン・イヴ・ティヴォーデが演奏。後半の「ダフニスとクロエ」は全曲版。オペラの作曲もするプレヴィンらしいプログラムだった。
2007年9月8日(土)(6:00pm開演)(7:45pm終演)
NHK交響楽団第1598回定期演奏会Aプログラム
会場:NHKホール(東京)
指揮・ピアノ:アンドレ・プレヴィン(Andre Previn)
管弦楽:NHK交響楽団
コンサートマスター:篠崎史記
モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲
モーツァルト/ピアノ協奏曲第24番 ハ短調K.491
(休憩15分)
モーツァルト/交響曲第36番ハ長調K.425「リンツ」
(料金:E席自由1500円)
コメント:
 前回、N響をプレヴィンが振ったのは1999年のこと。その後1回定期を振る予定が病気でキャンセルとなったことから、8年ぶりの指揮だ。曲目は例によってオール・モーツァルトである。ちゃんと弾き振りもある。最初の序曲こそ、立って指揮したが、(次のピアノは弾き振りなので当然座るが)後半のリンツは椅子に座っての指揮だった。しかし、やっぱりプレヴィンらしいメリハリのある演奏。このシリーズがおそらくはプレヴィンの最後のN響定期となるのかもしれないと自由席までかなり一杯になっていた。
2007年8月2日(木)(6:30pm)(8:50pm)
稲庭達ヴァイオリン名曲紀行
〜クライスラーからピアソラまで〜
会場:だいしホール(新潟市中央区本町通7)
ヴァイオリン:稲庭達
ピアノ:島崎央子
曲目:
ファリャ/スペイン舞曲
クライスラー/愛の悲しみ
クライスラー/美しきロスマリン
ドヴォルザーク/母の教え賜えし歌
グリーグ/ヴァイオリン・ソナタ第2番作品13
(休憩)
ストサート/虹の彼方に
マンシーニ/ひまわり
ピアソラ/アディオス・ノニーノ
ピアソラ/オブリビオン
ロドリゲス/ラ・クンパルシータ
プッチーニ/「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」
サラサーテ/ツィゴイネルワイゼン
ジーツィンスキー/ウィーン我が夢のまち
(アンコール:窪田聡/母さんの歌)
(アンコール:ピアソラ/リベルタンゴ)
(アンコール:吉幾三/雪国)
(料金前売:2500円)
コメント:
 うーん、なんだか稲庭さんもどんどんオヤジ化している、っていう印象でした。オーケストラを離れてだいぶ経つけれども、やっぱりその分、音は荒れてきているという実感は否めない。残念な感じだった。
2007年7月19日(木)(7:00pm開演、9:15pm終演)
小松亮太プロデュース バンドネオン×ギター
Tango, anti Tango〜タンゴ,或いは反タンゴ>
会場:りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館コンサートホール
バンドネオン:小松亮太
ギター:レオナルド・ブラーボ
ヴァイオリン:喜多直毅
コントラバス:西嶋徹
曲目:
プラサ、ガルデル/ノスタルヒコから首の差で
ピアソラ/オブリビオン
ガルデル/場末の苦悩
プラサ/ダンサリン
ピアソラ/リベルタンゴ
シネシ/澄んだ空
バルディ/恋人もなく
フェデリコ/私達はあんなに若かった
アビトボル/ラ・カランドリア
小松亮太/テキーラ・トリステ
(休憩20分)
コビアン/私の隠れ家
ラウレンス/我が愛のミロンガ
本当は有名なのに最近めっきり見かけなくなったタンゴメドレー
ピアソラ/ボルデル1900〜「タンゴの歴史」
ピアソラ/ナイトクラブ1960〜「タンゴの歴史」
ピアソラ/シータ
ピアソラ/コラール
ピアソラ/アディオス・ノニーノ
(アンコール:ロドリゲス/ラ・クンパルシータ)
(料金:B席会員1800円)
コメント:
 仕事の関係で30分遅刻。曲目はすでにリベルタンゴが終わったところだった。すべての楽器がスピーカーにつながれているのはちょっと残念だけれども、小松亮太さんのトークと素晴らしい演奏は良かった。だけど、仕事の疲れからか時折どっと睡魔に・・・スイマセン。平日の公演を聴くのは大変なことなのである。
2007年7月15日(日)(5:00pm開演、7:07pm終演)
東京交響楽団 第42回新潟定期演奏会
会場:りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館コンサートホール
指揮:ユベール・スダーン(Hubert Soudant)
ピアノ:伊藤恵
曲目
ハイドン/交響曲第1番 ニ長調
シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調作品54
(休憩20分)
ベートーヴェン/交響曲第4番 変ロ長調 作品60
(アンコール:シューベルト/「ロザムンデ」間奏曲)
(料金:B席会員3000円)
コメント:
 最近は新潟でのオーケストラ公演もめっきり減ってしまったので、東響定期は非常に貴重な機会である。まずはハイドンの交響曲1番。やっぱりハイドンはすごいと思う。オール・ハイドン・プログラムなんていうのは、興行的に難しいのだろうけれども、機会があったらまたハイドンをやってほしいものだ。
 シューマンのピアノ協奏曲は、伊藤恵さんのピアノ。このひとを最初に聞いたのは、茂木大輔さんのオーボエリサイタルでの伴奏ということもあって、本来伴奏ピアニストという印象が強い。ソリストとしてはちょっと押し出しに欠ける演奏。まあ、シューマンの協奏曲はどちらかといえばピアノは控えめなのでその辺を狙ってのことかもしれないが。コンチェルトの醍醐味という点ではちょっと物足りない部分もある。
 ベートーヴェンは比較的地味といわれる4番の交響曲だが、やはりベートーヴェンだけあってそれなりに見せ場も多い。スダーンと東響はさすがに素晴らしい演奏を聞かせてくれた。
 この日のアンケートに観客のマナーに関するものがあったが、皮肉なことにこの日に限ってはかなりマナーの悪い客がいたのは皮肉であった。3階席の年配の女性は演奏中にがさがさとアンケートに記入し、ペンを落とすなどえらい迷惑だったし、Iブロックのブラボー野郎が余韻をぶちこわしにする拍手をしていた。一人、二人のマナーの悪い客によってコンサートをぶち壊しにされるのは悲しいが事実なのだ。
2007年6月24日(日)(3:00pm開演)(5:05pm終演)
NHK交響楽団第1596回定期演奏会Aプログラム
会場:NHKホール(東京)
指揮:ウラディーミル・アシュケナージ(Vladimir Ashkenazy)
ピアノ:清水和音
管弦楽:NHK交響楽団
コンサートマスター:篠崎史記
ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番 ニ短調作品30
(休憩15分)
チャイコフスキー/交響曲「マンフレッド」作品58
(料金:E席自由1500円)
 今回の定期でN響の音楽監督を退任するアシュケナージのラストシリーズとあって、客席もほぼ満席の状態。来週のCプロは自由席以外は完売だそうである。N響は次期からは音楽監督を置かないらしい。
 ラフマニノフは清水和音登場。この曲の演奏に多く見られる誇張した演奏ではなく、自然な演奏。派手さはないが、正確。ある面日本人らしい演奏なのだろう。それは物足りなさにも通じるのだが。
 マンフレッドは長大な作品。ある意味バレエ音楽的でもある。ハープ二台にパイプオルガンまで使いながら、顔出しはちょびっとだけ。演奏する側には忍耐力を要する作品だろう。なかなか演奏される機会がない作品なので生で聞けて良かった。
2007年5月20日(日)(5:00pm開演)(7:22pm終演)
東京交響楽団 第41回「政令市移行記念」新潟定期演奏会
会場:りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館コンサートホール
指揮:飯森範親
アコーディオン:coba*
パーカッション(カホン):仙道さおり+
管弦楽:東京交響楽団
コンサートマスター:大谷康子
曲目
ベルリオーズ/序曲「ローマの謝肉祭」作品9
coba/agua monegros*
coba/eye*
coba/アコーディオン カホン オーケストラのための「森の連鎖によるUrbs」(新作初演)*+
(アンコール:coba/ヴィーナスの誕生〜ピアソラ/リベルタンゴ)
(休憩20分)
ドヴォルザーク/交響曲第9番 ホ短調作品95「新世界より」
(料金:会員B席3000円)
コメント:
 新潟定期は久しぶりにチケット完売。新潟市の政令市移行記念ということで新潟に縁のあるcobaのアコーディオンや、「新世界」の演奏でお祝いするプログラム。コール・アングレが入るベルリオーズの「ローマの謝肉祭」をトッピング。アコーディオンはアンプにつないで音量を確保。聞きやすいポップス調の部分に時折前衛的な響きも交え、自由な感覚の曲目である。
 新作初演となった曲はパーカッションの仙道さおりも参加。白いブラウスにショートパンツ、膝までの黒いストッキングスタイルで指揮者の脇の箱に腰掛けている。楽器らしいものは見当たらず、どういう演奏になるのか気になってしまう。ようやく曲の終盤にはいろうかと言うときになって動きが。なんと腰掛けていた箱の前面を座ったまま叩き始めた。腰掛けていたのが楽器だったのだ。(カホンというらしい)ふと見ると右足は靴を脱いで時折ミュートにつかっている。黒いストッキングに白い足が妙にエロティックな感じだ。
仙道さんのカホン演奏動画はこちら
 万雷の拍手にアンコールを一曲。オリジナルにリベルタンゴをミックスしてまたまた拍手喝さいである。
 後半の新世界は一人の観客のマナーが残念だった。ちょうど2楽章の冒頭のところで、Cブロック左最前列の未就学児童が騒ぎ出した。保護者が連れ出したものの足音も響いてせっかくの演奏を台無しにしてくれた。この日の演奏は録音されて、CD化される可能性があるらしいが、この音を拾っておれば、新潟の音源は使えないだろう。残念なことである。
2007年5月17日(木)(7:00pm開演)(8:55pm終演)
カイワイコンサート2007 根津理恵子ピアノリサイタル
会場:新潟市音楽文化会館ホール
曲目:
ハイドン/ソナタ Hob.XVI-46
ショパン/幻想即興曲 Op.66
シマノフスキ/ポーランド民謡による変奏曲 Op.10
(休憩15分)
ベートーヴェン/ソナタ第11番 Op.22
ショパン/ノクターン第13番 Op.48-1
ショパン/アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ Op.22
(アンコール:ショパン/三度のエチュード)
(アンコール:ショパン/エチュード「革命」)
(料金:当日3500円)
コメント:
 第15回ショパンコンクールファイナリストの根津理恵子さんは、N響ヴァイオリニストの根津昭義さんの娘さんということで興味もあり、仕事もそこそこに切り上げて音文に向かう。ピアノはカワイコンサートグランドEX。根津さん、かなりダイナミックな演奏をする。テクニックはかなりあると思える。アンコールで弾いた革命のエチュードなどはよく合うと言えるかもしれない。でももうちょっと繊細さも欲しい。これはカワイのピアノの特性ということもあるのか。ショパンコンクールもカワイを使っていたわけで、カワイを弾くのはこの人の宿命なのだろうけれども、たとえばスタインウェイを弾いたらどのように聞こえるのか、それも聞いてみたいと思うのである。
2007年4月21日(土)(5:00pm開演)(7:40pm終演)
もぎぎのオーケストラ“くわしっく 鑑賞ガイド”
Vol.3 ベートーヴェン/“英雄”交響曲徹底解説!
会場:三鷹市芸術文化センター・風のホール
音楽監督・解説・指揮:茂木大輔
管弦楽:オーケストラ・アンサンブル「風」
コンサートミストレス:佐イ分利恭子
監修:大崎滋生
曲目:(ベートーヴェン)
フーガを伴う15の変奏曲作品15(プロメテウスの主題による変奏曲より)(ピアノ:石田三和子)
ピアノと管楽器のための五重奏曲より第3楽章(ピアノ:石田三和子、オーボエ:池田昭子、クラリネット:澤村康恵、ファゴット:笹崎雅通、ホルン:小川正毅)
ベートーヴェン/交響曲第2番より第3楽章「スケルツオ」
(休憩15分) ベートーヴェン/交響曲第3番変ホ長調「英雄」作品55(全曲)
(アンコール:バレエ音楽「プロメテウスの創造物」作品43より終曲)
料金:会員2700円
 もぎぎシリーズ今年の最後はベートーヴェンの英雄である。今回は新潟りゅーとぴあと共同制作で、翌日新潟でも同じ演奏会が行われるということで、今回は紹介のときに「人間的楽器学管弦楽団」と紹介していた。
 ベートーヴェンの「英雄」はとにかくそれまでの宮廷音楽で演奏されていた「交響曲」と全く異なったスタイルを持っている画期的な作品である。まずその規模の大きさ。50分にも及ぶ長さで第1楽章だけでハイドンの交響曲1曲分にあたる約15分もある。特に第1楽章は主人公(主題)がはっきりと提示されずに曲が進んでいく、まるで推理小説のごとき構成となっている。第2楽章はいきなり葬送行進曲である。ダダ、ダンというリズムは葬送行進曲のドラムの典型であり、たとえばマーラーの交響曲第5番の冒頭も同じ葬送のメロディーが現れる。第3楽章はそれまでの交響曲が必ずメヌエットだったものを、この曲にメヌエットはふさわしくないと考えたベートーヴェンはスケルツオ(悪ふざけ)という楽章を採用する。そして第4楽章は自らの作品で何度も使っている「プロメテウス」の主題の変奏曲となっている。
 「英雄」とは誰か。様々な説があり、ナポレオンを尊敬していたベートーヴェンはこの曲を「ナポレオン」としようとしていたり、ナポレオンへの献辞をかき消したりしているということからナポレオンを意識しているのは間違いないであろうけれども、初版の印刷に至って「シンフォニア・エロイカ:ある偉大な人物の思い出を記念して」というタイトルで初めて「Eroica」という言葉が出てくる。Eroicaは名詞ではなく、形容詞であり「英雄的な交響曲」という意味である。結論として「英雄」とはこの曲のことである、と茂木さんは見ているのだった。
 さて、新潟での演奏会は私は聞いていないけれどもどうだったのでしょうね。そして今回このシリーズの立ち上げから関わり、無くてはならない三鷹の音楽企画員、足立優司さんが転職されることが発表された。今後は福島県いわき市できる新しいホールに携わるということ。足立さんとは一回アフターバーティーで直接お話する機会もあったことを思い出す。新しい職場でもご活躍されることをお祈りいたします。
2007年4月7日(土)(3:00pm開演)(5:00pm終演)
NHK交響楽団第1592回定期演奏会Aプログラム
会場:NHKホール(東京)
指揮:マティアス・バーメルト(Matthias Bamert)
ヴァイオリン:ドミートリ・シトコヴィエツキ(Dmitry Sitkovetsky)
管弦楽:NHK交響楽団
コンサートマスター:堀正文
曲目:
ハイドン/交響曲第55番 変ホ長調Hob.I-55「校長先生」
プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調作品19
(アンコール:バッハ/ヴァイオリン・ソナタ ハ長調より第3楽章ラルゴ)
(休憩15分)
ドヴォルザーク/交響曲第8番 ト長調作品88
(料金=E席自由1500円)
 久々のN響。代々木公園の喧騒をよそに、NHKホールだけは異次元の落ち着いた雰囲気。年々この界隈の環境はクラシック音楽を楽しむには不向きになってきている。
 今日の聞き物はなんといってもシトコヴィエツキのヴァイオリン。プロコフィエフのコンチェルトなどというと、どのヴァイオリニストも全身を使って必死に弾くという印象だけれども、こういう難曲をいとも軽々と弾くその実力たるや目を見張るものがある。まさに超一流の演奏であった。
2007年3月30日(金)(7:00pm開演)(9:25pm終演)
にいがた祝祭コンサート2007
会場:りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館コンサートホール
指揮:飯森範親
ソプラノ:高橋薫子、メゾ・ソプラノ:森山京子、テノール:中鉢聡、バス・バリトン:三浦克次
ヴァイオリン:鍵富弦太郎
司会/コンサート・ソムリエ:朝岡聡(フリーアナウンサー)、司会/オルガン:山本真希
管弦楽:東京交響楽団
合唱:にいがた祝祭コーラス(合唱指揮・指導:宇野徹哉)、ジュニア合唱:新潟市ジュニア合唱団(指導:海野美栄)
曲目:
【開演ファンファーレ(6:40pm)】 吉松隆/「ファンファーレ新潟」(東京交響楽団ファンファーレ隊)
【オルガン・プレコンサート】バッハ/パストラーレ ヘ長調BWV.590(山本真希)
【第1部】(7:00pm)
ベートーヴェン/交響曲第6番 ヘ長調「田園」第1楽章
エルガー/愛のあいさつ(鍵富)
サラサーテ/ツィゴイネルワイゼン(鍵富)
プッチーニ/歌劇「ラ・ボヘーム」から
 「冷たき手よ」(中鉢)
 「私の名はミミ」(高橋)
ワーグナー/歌劇「ローエングリン」から
 第3幕への前奏曲
 「婚礼の合唱」(にいがた祝祭コーラス)
(休憩20分)
【第2部】
ビゼー/歌劇「カルメン」から
 前奏曲
 「兵隊さんと一緒に」〜子どもたちの合唱(新潟市ジュニア合唱団)
 「恋は野の鳥」〜ハバネラ(森山)
 「闘牛士の歌」(三浦)
 間奏曲
 第4幕から(にいがた祝祭コーラス、新潟市ジュニア合唱団)
【第3部】
ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調「合唱つき」第4楽章から
コメント:
 新潟市が政令指定都市になるのを記念したガラコンサート。田園に始まり合唱で終わるプログラムで、鍵富君のヴァイオリン、新潟でおなじみの面々による歌でにぎやかに進む。ソリストではやはり高橋さんのソプラノが素晴らしい。鍵富君のヴァイオリンはちょっと線が細いのでソリストとしてやっていくにはもうちょっと筋トレが必要かなあ。
2007年2月25日(日)(3:00pm開演)(6:40pm終演)
メトロポリタン・フロイデ・コーア東京 第7回定期演奏会
バッハ/マタイ受難曲BWV.224
会場:東京芸術劇場大ホール
テノール(福音史家):五郎部俊朗
バリトン(イエス):小島聖史
ソプラノ(ピラトの妻/第2の女):田島茂代
ソプラノ(第1の女):山田綾子
メゾ・ソプラノ:小嶋康子
カウンターテノール(偽証者1):本岩孝之
テノール(偽証者2):牧野成史
バリトン(ピラト/ペテロ/第1の祭祀長):浅井隆仁
バリトン(ユダ/大司祭/第2の祭祀長):藪西正道
指揮:横島勝人
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
合唱:メトロポリタン・フロイデ・コーア東京
(料金:B席3000円)
コメント:
 アマチュア合唱団の発表会とあって、ちょっと懸念もあったのだけれども、さすがに最初はちょっと音量が足りない感じだったが、徐々に良くなってきてまずは満足できる演奏会だった。東京シティ・フィルも、何年か前に聞いたときはアマチュアに毛が生えた程度、という印象だったけれども、今回はまずまず良い演奏だったと思う。ただ、カウンターテノールは無理して声を出しているという感じで良くなかった。
それから、こういうアマチュア合唱団の公演でありがちなのだが、演奏の途中でどんどん席を立って帰っていく人がいるのは困ったものだ。どうせ知り合いに頼まれて義理で来たんだろうけどねえ。
2007年2月24日(土)(5:00pm開演)(7:00pm終演)
もぎぎのオーケストラ“くわしっく 鑑賞ガイド”
Vol.2 ハイドン:再演!驚異の13人楽団
会場:三鷹市芸術文化センター・風のホール
音楽監督・解説・指揮:茂木大輔
管弦楽:オーケストラ・アンサンブル「風」
コンサートミストレス:江口有香
監修:大崎滋生
曲目:(J.ハイドン)
交響曲第25番ハ長調
交響曲第22番変ホ長調「哲学者」
フルートと管弦楽のための小行進曲ト長調(交響曲第30番より第2楽章)
交響曲第26番ニ短調「ラメンタチオーネ」
フルートと弦楽合奏のためのアダージョ(交響曲第24番ハ長調より第2楽章)
(休憩15分)
交響曲第60番ハ長調「粗忽者」
(アンコール:交響曲第43番「水星」第4楽章)
(アンコール:交響曲第44番「悲しみ」第3楽章アダージョ)
料金:会員2700円
コメント:
 「もぎぎ」こと茂木さんの解説シリーズ、本年第2弾は例によってハイドン。今回はエステルハージ宮廷の13人楽団による演奏会。ところが、選曲を終えてみてちゃんと13人に含まれているはずのフルートが入っている交響曲がないことに気づいた茂木さん。急遽フルートが緩徐楽章に登場する2曲を追加した。ハイドンのこの時期の曲にフルートが登場しないというのは興味深いことで、大崎先生はフルートはヴァイオリンを手伝って音量の増強を手伝っていた、と推測している。そして1775年以降、楽団は徐々に増強されていったということになる。茂木さんは「古楽器ブーム」によってこれからの演奏家は音楽史、音楽学の強い協力を得ずには価値ある演奏活動はもうできないのではないか、と書いている。音楽学の成果を聴衆に伝えるために演奏会を行うという方向がより強くなっていると指摘している。茂木さんは三鷹でのシリーズを通じて、実際にそういう演奏会の可能性について強く感じているんだろうと思う。
 今回の演奏もプロジェクターを使って演奏中も曲目解説を目で追いながら楽しめるという構成。特に26番「ラメンタチオーネ」はモーツァルトの小ト短調交響曲(25番)を連想させるドラマティックな作品。また、60番「粗忽者」は宮廷で催された劇音楽を元にしており、いわば「交響組曲」というべきもの。改めてハイドンの音楽の深さを堪能したコンサートだった。

2007年2月4日(日)(2:00pm開演)(4:00pm終演)
新潟オルガン研究会第44回例会
会場:花園カトリック教会
オルガン独奏:飯田万里子/市川純子/大作綾/戸田加代子/渡辺直子/渡辺まゆみ
合唱:ヴォーカルアンサンブル・ルミネ
司会・解説:八百板正己
Part1 実演付きレクチャー「バッハはどのようにコラール旋律を料理したか」
Part2 コンサート「バッハ作曲:クラヴィーア練習曲集第3部より」
曲目:
前奏曲 変ホ長調 BWV552,1
種々のオルガンコラール(コラール合唱との交互演奏)
デュエット BWV803、BWV805
フーガ 変ホ長調 BWV552,2
(会費:当日1000円)
コメント:
 新潟オルガン研究会の例会も回を追うごとに盛況となり、今回も教会に入りきれないほどの人が集まった。演奏のレベルがどうという以前に本来教会で演奏されるべきコラールを教会で聴くというのは、クリスチャンではない自分にとっても興味深いことである。りゅーとぴあのコンサートの観客の少なさと、対比してちょっと考えさせられる光景ではある。 2007年1月28日(日)(5:00pm開演)(7:07pm終演)
第40回東京交響楽団新潟定期演奏会
会場:りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館コンサートホール
指揮:大友直人
アルト・サクソフォン:須川展也
管弦楽:東京交響楽団
コンサートマスター:大谷康子
曲目:
細川俊夫/スカイスケープ(空の風景)−委嘱新作
(休憩10分)
イベール/アルト・サクソフォンと11の楽器のための室内小協奏曲
(アンコール:スコットランド民謡/美しいドゥーン川のほとりにて)
(休憩15分) シベリウス/交響曲第2番 ニ長調作品43
コメント:
 前回の東響定期をパスしてしまったので、ひさびさの東響である。細川俊夫の新作は、相変わらずの曲で私には違いがわからない。聞いていて不愉快というほどではないけれども、かといってもう一度聞きたい曲とも言えない。次のイベールはなかなかよかった。須川さんのサックスはすばらしい。大編成の曲二つの間に小編成の曲を入れるとあって、ステージ係が大変なので休憩をそれぞれ入れたのはよかった。
 シベリウスの第2番は、一番有名なシンフォニーだけれども、第1楽章とラストは盛り上がって良いけれども、中だるみもする曲。演奏が悪いわけでは無いのだけれども、最初のモチベーションが持続しきれない曲ではある。さすがにこの後ではアンコールは無かった。
2007年1月21日(日)(4:00pm開演)(6:40pm終演)
もぎぎのオーケストラ“くわしっく 鑑賞ガイド”
Vol.1 J.S.バッハ/カンタータ名曲選
会場:三鷹市芸術文化センター・風のホール
音楽監督・解説・指揮:茂木大輔
管弦楽:オーケストラ・アンサンブル「風」
コンサートマスター:長原幸太
ソプラノ:田島茂代、メゾ・ソプラノ:菅家奈津子、テノール:鈴木准、バス:原田圭
合唱:東京混声合唱団
曲目:
J.S.バッハ/カンタータ第147番「心と口と行いと生き方が」
(休憩15分)
J.S.バッハ/カンタータ第140番「目を覚ましなさい、と私たちに叫ぶ声」
モーツァルト/モテット「アヴェ・ヴェールム・コルプス」
プーランク/無伴奏混声合唱のための「ミサ ト長調」
(アンコール:ブルックナー/アヴェ・マリア)
コメント:
 今シーズンの茂木さんのクラシックレクチャーコンサート第1回はバッハのカンタータをじっくりと鑑賞。茂木さんによれば、バッハのカンタータほど解説を必要性が感じられるジャンルはないという。その中から特に有名な「主よ、人の望みの喜びよ」と「目覚めよと呼ぶ声あり」の2曲が含まれる147番と140番のコラールの持つ意味を徹底解説。バッハのカンタータにはひとつひとつの歌詞と音楽に深い意味が込められていてそれらは「どれもが小さな宝石箱のような価値を持っていることを感じて」欲しいと茂木さんは語っている。今回は三鷹市芸術文化センターの足立氏の手作りによるプロジェクター投影によって字幕解説つきのコンサートでとってもわかりやすかった。
 そしてこの日の白眉はプーランクのミサ曲。東京混声合唱団による無伴奏の合唱は、まさに人間の声こそ最高の楽器であると感じられ、至福の時間であった。この曲は茂木さんが亡き岩城宏之氏から指揮の手ほどきを受けたときに、最初に東混を振ってごらん、と言われて選んだ曲だという。この演奏は岩城氏への茂木さんの鎮魂でもあったのだ。
 このシリーズの3回目は4月に新潟でもベートーヴェンの英雄をりゅーとぴあとの共同制作で開催される。新潟のひとには是非足を運んでもらいたいと思います。