展覧会日記2002年


2002.11.17(日)
ウィーン美術史美術館名品展−ルネサンスからバロックへ−
会場:東京藝術大学大学美術館(東京・上野)
コメント:
美術史美術館はウィーンに観光旅行で行ったときに見たけれども、膨大なコレクションでとても短時間で見て回ることはできなかった。今回の展示は、ティッツィアーノ、ベラスケス、ルーベンスといった名作を展示しており、コンパクトだけれども見ごたえのある展覧会である。この美術館、展示スペースはデパートの美術館並みではあるけれども、高さがあるので広々としているし、なかなか見やすくて落ち着きのある美術館なのでお勧め。
会期: 2002年10月5日(土)〜12月23日(月祝)
月曜休館(ただし10/14・11/14・12/23は開館。10/15・11/5が休館)
開館時間 10:00〜17:00 (入館は16:30まで)
料金: 一般 1,300円(1,100)、大学生・高校生 800円(600) 中学生以下無料、( )内は20名以上の団体
お問い合わせ:NTTハローダイヤル 03-5777-8600
〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8、TEL:03-5685-7755(代表)

2002.11.17(日)
第34回日展
会場:東京都美術館(東京・上野)
コメント:
日展を見るのは恒例行事になっているが、回を重ねるごとに、見えてくることもある。つまり変化がないのだ。日展の中で時間は止まっている。画家が名を成すためには自分のスタイルを頑に守り通す必要があるのだろうけれども、それにしても毎年同じモデルで同じような絵が何の疑問もなく出ているのはなんなのだろう。あ、またあの先生の絵だ、とわかりやすくていいのかもしれないが。 会期:平成14年11月2日(土)[正午]〜11月24日(日)[午後3時] 、休館日 第3月曜日(11月18日) 観覧時間 午前9時〜午後5時 (入場は午後4時まで)
料金:一般1,000円、高・大600円、中・小500円

2002.11.16(土)
第110回秋季展
藤田<三雪>のコレクション展〜香雪・江雪・耕雪〜
会場:藤田美術館(大阪市)
コメント:
大阪は商業の伝統があるだけあって、個人美術館が多い。特に陶磁器のコレクションが充実している街である。ここは旧藤田男爵のコレクションを春・秋の期間展示しているのだが、世界中で3碗しかない国宝・曜変天目茶碗はじめ、紫式部日記絵詞など国宝、重文がずらりと並ぶ。しかし展示の方法はあまりにも素朴でその落差に愕然としてしまう。
会期 平成14年9月21日(土)〜12月8日(日)
開館時間:午前10時〜午後4時30分 (入館は午後4時まで)
休館日:毎週月曜日
料金:大人:700円 高校生・大学生:400円 小学生・中学生:200円 幼稚園以下無料 団体割引:20名以上
住所:534-0026 大阪市都島区綱島町10番32号 電話 06-6351-0582
交通:JR東西線 大阪城北詰駅下車3番出口より左へ徒歩約2分

2002.9.7(土)
開館記念名品展
会場:水野美術館(長野市)
コメント:
長野県の地場企業、ホクト産業の社長水野正幸氏のコレクションを元に、今年7月に開館した近代日本画美術館である。長野駅から程近い、犀川の河川敷に位置している。今回美術展の目玉は大観の出世作となった「無我」の展示にある。3階に上って自動ドアが開いた瞬間、茶室仕立ての第1展示室の正面にこの絵が掛けけられており、入場者を出迎える。第2展示室には、橋本雅邦、菱田春草、下村観山、川合玉堂、中島千波などの絵。2階に下りて第3展示室には、加山又造、上村松園、鏑木清方など。そして第4展示室には中島潔の絵が展示されている。中島潔はその他の展示室の作品とはかなり趣を異にしているが、印刷とちがって肉筆の絵は細密な作業の跡がはっきりとわかり、ほのぼのとした雰囲気とは別の、作者の絵にかける強い思いが伝わってくる。こうした個人コレクションが美術館として公開されるということは地域の人にとってとても有意義なことだと思う。
会期:9月29日(日)まで 9:30am〜5:30pm(5:00pm)
休館日:月曜(9/16、9/23は開館)
料金:一般800円(700円)、大学・高校生600円(500円)、中・小学生300円(200円)(団体20名以上)
問い合わせ:026−229−6333
〒380−0928長野市若里6−2−2
(JR長野駅下車、東口から長電バス「日赤・水野美術館行き」終点下車)

2002.8.10(土)
ポンピドーセンター&シャガール家秘蔵作品
マルク・シャガール展
会場:新潟県立近代美術館(長岡市)
コメント:
 シャガールの初期から晩年までの作風を概観できる展覧会。戦後の幻想的な画風が有名だけれども、そこへ至るまでの過程、宗教への傾斜などシャガール絵画のさまざまな面が見える。
 この展覧会は先月まで東京都美術館で開催されていたものだが、都美術館は大変な混雑となるので、新潟展を心待ちにしていた。広い展示スペースでゆったりと鑑賞できるので、東京で観れなかった人、観たけど人ごみでゆっくりできなかったという人、ぜひ長岡までどうぞ。
会期:9月23日まで 9:00am〜5:00pm(4:30pm)
休館日:月曜(8/12、9/16、9/23は開館)
料金:一般1,300円(1,100円)、大学・高校生800円(600円)、中・小学生500円(400円)(団体20名以上)
問い合わせ:0258−28−4111
新潟県長岡市宮関町字居掛278−14(JR長岡駅より大手口8番線より市内循環バス内回り「近代美術館前」下車)
http://www.lalanet.gr.jp/kinbi/
2002.7.28(日)
アフガニスタン悠久の歴史展 - アフガニスタン文化財復興支援
会場:東京藝術大学大学美術館
コメント:
 アフガニスタンの戦乱により散逸した貴重な文化財が日本にも渡ってきている。現在、そうした美術品をアフガニスタンに返還しようという運動が起こり、この展覧会もそうした呼びかけの一環。最も心痛める展示品はバーミヤンの石窟に描かれていた仏画の破片。偉大な大仏が現在は跡形もなく破壊されているということは、人類の偉大さと愚かしさを最も象徴するできごとであった。これらの破片のひとつひとつを観ていくと涙が止まらなくなってしまう。
 とにかくアフガニスタンは中国やインドの仏教美術とギリシャ・ローマのヘレニズム美術とが融合した、はっとするほど美しい仏像が印象的。今回、フランスの作家にして文化大臣アンドレ・マルローの所蔵していた観音菩薩像は見もの。
会期: 2002年7月16日(火) 〜9月16日(月)
休館日:月曜休館、ただし9月16日は開館
料金:一般1,200円(1,000円)、学生700円(600円)(団体20名以上)、中学生以下無料
問い合わせ:NTTハローダイヤル 03-5777-8600
〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8
http://www.geidai.ac.jp/museum/
2002.6.1(土)
常設展
会場:北野美術館
コメント:
 長野に遊びに行ったついでに、北野美術館の優待券があったので寄り道。こうした地方の企業のトップが集めた美術品を展示する美術館は各地にあるけれども、これが意外と充実しているので旅行に行ったときの楽しみのひとつである。1階は横山大観、竹内西鳳、上村松園などの日本画、2階はルノアール、シャガール、ユトリロなどの洋画。島崎藤村の「破戒」の自筆原稿などもあって、びっくり。ここは長野オリンピックの時に、IOCの役員や皇族を招いて歓迎レセプションが行われたということである。
料金:大人800円・大高生500円・小中生300円(団体100人以上3割引、団体20人以上2割引)
休館日:毎週月曜日(祝日を除く)、年末年始
開館時間:夏9:00〜17:00、冬 9:30〜16:30
問い合わせ:026−282−3450
長野市若穂綿内7963
http://www.city.nagano.nagano.jp/ikka/kankou/art/kitano.htm
2002.5.11(土)
没後500年特別展「雪舟」
会場:東京国立博物館
コメント:
 50年振りという、雪舟の大回顧展。さすがに大混雑である。展示は雪舟の絵の他に後世の写しや同時代の中国の作品などが多く展示されており、21世紀の現代、雪舟を世界の美術史においてどう位置付けるべきかという企画者の問いかけが色濃く出ている。雪舟は同時代の水墨画の作家と比べてとにかく異色な画家である。後世多くの写しが描かれているため、真贋の見分けがつきにくい画家であるが、そうした写しも雪舟の画風を知るうえでの貴重な資料となっている。最も印象的だったのは「天橋立図」で、現在の風景写真が横に並べられ雪舟の絵の写実性に驚かされる。高校生の「写真は空から撮ったものだろ、じゃあ雪舟はどうやってこの風景を見たんだ?」という疑問がなかなかいい所をついているかもしれない。
 もちろん、雪舟は写実だけの人ではない。ほとんど抽象画のような山水画、迫力ある花鳥図なども魅力的だ。しかし最も有名なのは達磨の弟子となるために自らの腕を切り落としたと言う「慧可断臂図」だろう。この二人の間に漂う微妙な空気。この絵から、単なる花鳥風月の画家ではない、人間の内面に迫ろうとする雪舟の画家としての精神を強く感じるのである。
 さて、ほとんどの鑑賞客は雪舟点しか見ないようだが、私が国立博物館へ行ったときは平常展の膨大な展示を時間の許す限り見て回ることにしている。今回はアジアの展示物がある東洋館を観る。ここもじっくり観ると1時間近くかかる。エレベーターで最上階へ行って下りながらみるほうが楽だと後で気づいた。アフガニスタンやパキスタンの仏像は現在の国際情勢を省みると心打たれるものがある。中国・朝鮮の陶磁器は特に見応えがある。ここには重要文化財の油滴天目茶碗も展示されており、平成館の賑わいとは別世界の静かな空間でゆったりと鑑賞することができるのだ。
会期:5月19日(日)まで、9:00am〜5:00pm(4:30pm)
休館日:会期中休館日なし
料金:一般1,400円(950円)、高校・大学生900円(510円)、小・中学生400円(230円)(団体20名以上)
問い合わせ:ハローダイヤル 03-3272-8600
東京都台東区上野公園13−9(JR上野駅公園口より徒歩10分)
http://www.tnm.jp/
2002.4.14(日)
プラド美術館展
会場:国立西洋美術館
コメント:
 プラド美術館展を見に行った最大の理由はティッツィアーノの「キリストとキレネ人」を見たかったから。この絵と同じ構図の絵を同じ西洋美術館で数年前に開催されたエルミタージュ美術館展で見て、「マグダラのマリア」と並んで展示されていたその絵に最も強く惹かれたからである。その時、図録を買わなかったのではっきりとはいえないが、今回の絵よりも、エルミタージュの絵の方が、キリストの表情に強く訴えるような力があったように思える。プラドの絵の方が先に描かれたようで、どちらもティッツィアーノ本人の絵ということである。しかし、遠い異国の地で、二つの絵を見ることが出来るというのはなんという幸せだろうか。

 今回の展覧会で他に惹かれた絵はゴヤの「巨人」である。この絵は逃げ惑う人馬などが描かれ、戦争の寓意として迫力のある絵であるが、この絵を見て連想したのが、以前長野県で見た、アルフォンソ・ミュシャの絵である。ミュシャといえばアール・デコのデザイン的な作品を思い浮かべるが、骨太な大作も描いていて、その中に、この絵との共通性を感じされるものがあった。 会期:6月16日(日)まで、9:30am〜5:00pm(4:30pm)、金曜〜8:00pm(7:30pm)
休館日:月曜日、5月7日(火)(ゴールデンウィークは無休)
問い合わせ:ハローダイヤル 03-3272-8600
東京都台東区上野公園(JR上野駅公園口より徒歩1分)
http://www.nmwa.go.jp/


2002.3.3(日)
特別展「横山大観」その心と芸術−
会場:東京国立博物館
コメント:
 さすが大観は大人気。かなりの混雑である。会期末はどうなることやら。ということでゆっくり鑑賞することもできない。夜桜、紅葉などの屏風はそれでもゆったり眺めることができた。全体的な印象としては、もはや大観は古典である。でも、光琳や北斎は未だに斬新さを感じるが、大観は返って古めかしい感じだ。 会期:3月24日(日)まで、9:00am〜5:00pm(4:30pm)
休館日:月曜
料金(耳庵コレクション展、平常展も鑑賞可):一般1,200円(800円)高校・大学生800円(500円)小・中学生300円(150円)(団体20名以上)
問い合わせ:ハローダイヤル 03-3272-8600
東京都台東区上野公園13−9(JR上野駅公園口より徒歩10分)
http://www.tnm.jp/
2002.3.3(日)
松永耳庵コレクション展
会場:東京国立博物館
コメント:
 大観展と同時開催で昭和の大茶人にして電力界の大立者、松永安左エ門の茶の湯のコレクション展が行われている。特別出品の国宝、「釈迦金棺出現図」は5日からの展示ということで見られなかったが、さすがにすばらしいコレクションである。茶の湯の奥の深さを感じさせる展覧会。
 ついでに本館の展示もちらっと鑑賞。とにかくこの博物館は本館を見て回るだけで軽く1時間はかかるのでいつも全部は見きれない。いくたびにあちこち覗いて時間をつぶしている。それに本館はほとんど人がいないので静かである。外国人の姿も多くみかけるのでもっと英語の解説を多くしたらよいと思うが。 会期:3月24日(日)まで、9:00am〜5:00pm(4:30pm)
休館日:月曜
料金(大観展を除く平常展の料金):一般420円(210円)高校・大学生130円(70円)小・中学生70円(40円)(団体20名以上)
問い合わせ:ハローダイヤル 03-3272-8600
東京都台東区上野公園13−9(JR上野駅公園口より徒歩10分)
http://www.tnm.jp/
2002.3.2(土)
キヨッソーネ東洋美術館所蔵浮世絵展
会場:三鷹市美術ギャラリー
コメント:
 明治政府のお雇い版画家であるキヨッソーネの収集した肉筆浮世絵の展覧会。ギャラリーというわりには点数も多く、充実したコレクションである。豊国、歌麿、北斎、広重はじめ、貴重な作品が数多く展示されている。また、キヨッソーネの日本における成果である、明治の元勲の肖像画や紙幣、債券のデザインなども展示されている。 会期:3月29日(金)まで、10:00am〜8:00pm(7:30pm)
休館日:月曜
料金:一般800円
問い合わせ:三鷹市美術ギャラリー0422−79−0033
東京都三鷹市下連雀3−35−1JR三鷹駅前(南口)CORAL5階

2002.2.24(日)
開館記念展 未完の世紀 20世紀美術がのこすもの
会場:東京国立近代美術館
コメント:
 1月16日よりリニューアル開館した近代美術館に行った。リニューアル記念展は所蔵作品を中心に20世紀の美術を振り返る展覧会である。黒田清輝の「湖畔」、東山魁夷の「道」など日本を代表する画家の代表作から岡本太郎、カンディンスキーなどの抽象芸術まで20世紀の美術の変遷を概観する展示内容だが、今回特筆すべきは藤田嗣治、小磯良平、川端龍子などによる「戦争画」が、おそらく戦後初めて公開されたことである。太平洋戦争中、多くの画家が戦争をテーマに絵画を描いており、それが戦後戦争協力者としていろいろな波紋を投げかけた。藤田嗣治は結局再度フランスへわたり、二度と日本の地を踏むことは無かった。戦争画はその後50年の間忘れ去られ、近代美術館の倉庫にひっそりと眠っていた。それが今回、こういう形で展示されたということは、20世紀を振り返る上でこうした絵についてきちんと評価しなおす必要があるということだ。
 パンフレットには『「未完の世紀」とは、すなわち“20世紀は終わっていない”というメッセージでもあります。』とあるが、それは近代美術館が所蔵するたくさんの戦争画の再評価をも意味しているのではないか。実際、この展覧会にはこれら戦争画がどう扱われてきたかということにはほとんど触れていない。たんにこういう絵が描かれたということをさりげなく展示してあるだけで、こうした絵の展示について、まだ美術館側も反応を探っている段階なのであろう。
 藤田嗣治のサイパン島玉砕を描いた絵は、特に心惹かれる絵である。銃口を口にくわえ自決しようとする兵士、万歳を叫んで崖から飛び降りるようとする女性、神に祈る女性など、緊迫した絵で、これは従来の藤田の絵とは全く異質なものである。この絵を見て、「戦争協力者」などという評価を下すひとはあるまい。そこにあるのは、戦争のもたらす、絶望、苦しみ、そして死である。こういう絵がどのように描かれたかを知ることは、20世紀を語る上で非常に重要なことに違いない。
会期:3月10日まで、10:00am〜5:00pm(木・金は8:00pm)入場は閉館30分前まで
休館日:月曜
料金:一般830円(680円)、大・高450円(330円)、中・小330円(180円)(団体20名以上)
問い合わせ:ハローダイヤル03−3272−8600
〒102-8322東京都千代田区北の丸公園3−1(地下鉄東西線「竹橋駅」1b出口より徒歩3分
http://www.momat.go.jp/
2002.2.17(日)
ウィーン分離派1898−1918 クリムトからシーレまで
会場:Bunkamuraザ・ミュージアム
コメント:
 分離派の流れを概観できる美術展。作品はウィーン市立歴史博物館所蔵のものが中心。やはり目玉はクリムトとシーレということになる。クリムトの「パラス・アテネ」が分離派の象徴となったモチーフで、他の画家によるものもあったが、やはりこの作品が目を引く。そしてエゴン・シーレ。この鋭い人間描写は誰にも真似できないものである。壁にかざって鑑賞する絵ではないけれども、とにかく強く惹かれるものがある。そのほかではムンクの描く女性のスケッチ、この狂おしい表情をしている女性は母の投影なのか、それとも自らの苦しみの表現なのか。全体としてこじんまりとして著名な作品もあまりないが、かえって美術がより個性の強い表現に変わっていく20世紀初頭の気分を感じられる展覧会。
会期:2月24日(日)まで、10:00am〜7:00pm(金・土は9:00pmまで)入場は閉館30分前まで
休館日:無休
料金:一般1,200円 大学・高校生800円 中学・小学生500円
問い合わせ:ハローダイヤル 03−3272−8600
http://www.bunkamura.co.jp/museum/
2002.1.27(日)
時を越えて語るもの−史料と美術の名宝−
会場:東京国立博物館
コメント:
 東京大学史料編纂所の100年記念事業と銘うって史料編纂所と国立博物館所蔵の古文書を中心にした展示を行っている。今日が最終日である。公家日記、武家文書、国絵図などが中心で、教科書でおなじみの明月記とか紫式部日記絵巻、足利尊氏や徳川家康といった武将の直筆などいろいろな文書が見られた。しかし古文書はほとんど読めないので、内容がわからない。大阪城落城直後に家康が千姫を見舞う手紙などは、かな文字でほとんど読めない。資料的価値がわからないならば、たんなる紙くずとして捨ててしまうようなものだ。ペリー来航時の詳細な絵によるレポートや、幕府が各藩に作らせた国絵図など、図版のものはなかなか面白い。
 上記の特別展は平成館での展示であるが、本館の常設展示も来るたびに少しずつ展示が変わっていたりしてこちらも見逃せない。ちゃんと見ようとすれば、1、2階で2時間はかかる。本館はいつも人が少ないが、その割には外国人が目立つ。着物、刀剣、能面など日本文化を知るには絶好の場所である。ただ、英語の解説については、ちょっと少ないという気もする。踏絵の展示のところでは、単にマリア像という説明しかないように思った。なんのためのマリア像なのか、そういうところを説明しなくては踏絵の意味がわからない。しかし刀剣のところでは、日本語にはない、太刀と刀の違いについて英語で説明してあり、初めて私も知った次第。つまり太刀は腰に紐で吊り下げて刃は下向きである。一方刀は刃を上に向けて帯に差すということらしい。こういうのは日本人にとって常識なんでしょうか?意外と知られていないと思うのだけれど。まあとにかくここは一日いても飽きない、たいした博物館である。  会期:終了、9:30am〜5:00(4:30)pm(金曜は〜8:00(7:30)pm)
休館日:月曜
料金:一般1000円(800円)、大高校生600円(400円)、中小学生300円(200円)(団体20名以上)
問い合わせ:ハローダイヤル03−3272−8600
東京都台東区上野公園13−9(JR上野駅公園口より徒歩10分)
2002.1.26(土)
レオナルド・ダ・ヴィンチ「白貂(しろてん)を抱く貴婦人」
チャルトリスキ・コレクション展
会場:横浜美術館
コメント:
 お目当てはなんといってもダ・ヴィンチである。ダ・ヴィンチの女性肖像画はかのモナリザを含めて3点しかないという。この絵も肖像がではあるが、単なる肖像画とは違い、絵の中にさまざまな寓意や意味がこめられている。だいたい貂などという動物が人に抱かれたりするほど慣れるだろうか。この動物は「節度」や「純潔」の象徴と見なされてきており、モデルのチェチリア・ガッレラーニに対する称賛とともに、白貂を意味するギリシャ語の「ガレー」がガッレラーニのごろあわせになっている。(解説より)
 この絵を見てまず印象的なのは絵の中央に位置する左手である。この手は実際より大きく書かれており、かなりごつごつしている。このために顔がいっそう小さく見え、女性の美しさを際立たせている。絵には19世紀に背景を黒く塗りつぶされ、袖口に稚拙な筆で装飾紐などが加筆されている。
 この展覧会はこの絵を見るためのものといっても過言ではない。その他ポーランドの絵画、工芸など、ショパンの自筆譜なども展示されており、ポーランドという国を理解するための展示が多くなされているが、美術的には特に目を引くようなものはあまりなかった。
会期:4/7(日)まで、10:00am〜6:00(5:30)pm、金〜20:00(19:30pm)
休館日:木曜日(3月21日(木)は開館、2月12日(火)・3月22日(金)3月25日(月)は休館)
料金: 一般1300円(1100円)、大・高校生800円 (700円) 、中・小学生400円(300円)(団体20名以上)
問い合わせ:横浜美術館TEL:045−221−0300
〒220-0012 横浜市西区みなとみらい3−4−1(桜木町駅より徒歩10分)
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